(六) 可愛い甥
結局、それ以上の話はなかった。俺が問い詰めても、叔父さんは妙に話を逸らすばかりだった。然し彼女は違った。自己紹介をする俺に、彼女は「あなたが例の」と口を隠して驚いた。
「叔父さんからよく聞きました。可愛い甥がいるんだって」
「はあ」
「人魚の話、信じてくださったんでしょう?」
「え? まあはい……まさか本当なんですか」
「え!? いや、いやいや」
照れくさそうに笑う、色素の薄い眼。
「いやいや……本当」
「えっ!?」
「違う、ごめんなさい。本当に、聞いていた通りの人なんだなって」
「何がですか」
「本当に、素敵な方なんですね」
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