第24話 鳥取の真実

茨城県庁の知事室で一城は徳島の阿波美知事と佐賀の唐津大輔知事とビデオ通話をすることになった。


一城「唐津知事、勝利おめでとうございます。それで・・・・・・どうやって勝ったのですか?」


大輔「それが・・・・・・それほど強い相手じゃなかったんだよ。」


一城「へ?」


出水「それはつまり佐原知事が出てこなかったからだよね。」


一城「それってどういう・・・・・・」


出水「簡単な話、鳥取は佐原知事以外弱い。いや、そもそもやる気が無いのよね。」


一城「やる気がない?」


出水「鳥取がずっとDランクにいる理由よ。佐原知事以外は雇われ社員なのよ。」


大輔「そんな感じでした。10ターンのうち5ターンで終わりましたので。」


出水「次の試合、佐原知事がいなかったら勝てるね。」


一城「・・・・・・なんかそれで勝っても面白くないですね。」


出水「でも、これでリベンジは果たせるよ。」


一城「それは佐原知事に対してであって他の人たちに勝っても意味ないじゃないですか。」


出水「それもそうね。」


大輔「ちなみに阿波美知事の次の相手は?」


出水「次は群馬だね。」


大輔「俺たちは次、栃木です。」


こうして全員の勝利を祈り、ビデオ通話は終了した。その後、静流たちギャンブル課を呼び次の鳥取戦に向けて作戦会議をしていた。


静流「最近の成績だと佐原知事がいるときの勝率といないときの勝率は9対1。やはり圧倒的に佐原知事がいた方が高いわね。Dランクの勝負内容は録画されないからどういう戦い方かは分からないけどね。」


一城「そうか、戦い方が分かれば戦術が練られるけど今までもそんな感じだしな。」


恵「それで、一條知事。作戦はどうします?」


一城「特に変えることはないが、さすがに同じやり方をしても成長はないだろうし、一番の大玉は徳島だ。そこで勝つための作戦を鳥取に通用できるかやってみる価値がありそうだな。」


一城はとある作戦を伝えた。果たして、その作戦が鳥取相手にどう通用するか。


鳥取との資金戦当日。一城たち茨城県メンバーは鳥取に向かってジェット機に乗ってやってきた。県庁に到着したヘリポートの近くで佐原知事がお出迎えをしてくれた。


佐原知事「ようこそ、鳥取県庁に。」


一城「お出迎えありがとうございます。」


一城は佐原知事に一礼した。


佐原知事「前会った時と雰囲気が違う・・・・・・なるほど・・・・・・教育した甲斐がありましたね。」


佐原知事は一城たちをギャンブルルームに案内した。


一城「あれ、他の人たちは?」


佐原知事「今から呼んでまいります。おそらく昼寝をしているところですからね。」


一城「昼寝・・・・・・まだ午前中ですよね。」


葵「なるほど、本当に雇われ社員なのですね。」


綾乃「これで佐原知事が選ばれなかったら私たちの勝ち確定ですよね。」


静流「そうね。でも・・・・・・」


一城「そんなことさせるか。この試合で目を覚まさせてやる!」


恵「あ、来ましたよ。」


恵の指差す方向には3人の男女がいた。秘書の人以外は眠そうな表情をしていた。


緑髪のぼさぼさ頭の男、豪州(ごうしゅ)。金髪のボブで切れ目の女、岸田(きしだ)。そして秘書の長身のメガネ男、都留気(とるき)。


一城「全員じゃないですね。」


佐原知事「2人は無断欠勤です。なのでこちらは私たち3人で勝負します。」


一方鳥取のメンバーは、ジョーカー、ハート、ダイヤ・・・・・・つまり一城、恵、葵の3人となった。


豪州「はあ、面倒くさ・・・・・・さっさと終わらせようぜ。」


岸田「つーか相手ガキばっかじゃん。」


と愚痴を言いながら座っていった。


都留気「それでは、僭越ながら私がディーラーを担当いたします。ルールをご説明いたします。資金戦のゲームは3対3の「ポーカー」1ゲーム千円チップ一枚。勝敗は10ターンを行い、終了後に合計チップの多いチームの勝利です。参加費は1ゲーム千円。チップは一人10万円分、勝利チームは今回の合計チップ額+勝利報酬一千万を差し上げます。」


順番は佐原知事、一城、豪州、恵、岸田、葵の順番で行うことに。カードを切り、全員に配った。


一城「(俺の手札はキングと9のツーペア。ここは無難に1枚捨てだな・・・・・・)」


佐原知事はベットをして5,000円(合計6,000円)を出した。」


次の一城もコールした。そして次の豪州は


豪州「俺パスだわ。」


次の恵はコールした。次の岸田も・・・・・・


岸田「おりまーす。」


葵「私も降ります。」


次にカードのチェンジを行った。佐原知事は3枚。一城と恵は1枚変えた。


恵「(あ・・・・・・思ったカードと違った。)」


佐原知事はチェックをして様子を伺った。


一城「ベットします。」


と、一城は5,000円チップを1枚出した。(合計:11,000円)」


恵「私はフォールドで。」


佐原知事「コールしよう。(合計:11,000円)」


一城と佐原知事は互いにカードを見せた。一城はKと9のツーペア。佐原知事はKのワンペア。勝ったのは一城だった。


合計額:茨城:313,000円 鳥取:287,000円


一城「よし、まずは一勝だ。」


恵「やりましたね。私はストレート狙いが外れました。」


葵「私はワンペアも揃わなかったわ。」


豪州「ちぇっ、負けてやんの。」


豪州はカードを都留気に渡した。一城はそのカードを見て驚愕した。


一城「(なっ!?すでに6のスリーカードが揃っているのに降りたのか!)」


一城は豪州の考えが全然理解できなかった。もし出していたら豪州の勝ちだったのだ。


第2ラウンド、最初の一城はベットで1,000円賭けた。


豪州はまたも降りた。恵もフォールドを選択した。岸田も同じく降りた。


葵はレイズでプラス5,000円を賭けた。


一城はもしかして強力なカードがあるのかを踏んでフォールドをした。無駄な賭け金を出さないためだ。


佐原知事「(何を持っている・・・・・・こっちはJのワンペア。でもここで逃げるよりやるしかないな。)」


佐原知事はコールした。カードのチェンジは佐原知事は3枚。葵は2枚変えた。

葵はベットで20,000円を出した。(合計:26,000円)


葵「どうしますか、正直にいって今の手札なら勝てる自信はございます。」


葵お得意の挑発戦法が始まった。しかし佐原知事は表情一つ変えなかった。


佐原知事「そんな低レベルな挑発は乗りませんよ。それに私も勝てる手札ですので、コールしましょう。(合計:26,000円)」


結果は葵はA・2・🃏・4・5のストレート。佐原知事はJのスリーカードだった。


葵「まあ、当然の結果ですね。」


と言っていたが。内心は変えたカードでストレートが揃って安心していた。


合計:茨城:341,000円 鳥取:259,000円


第3ターンは佐原知事がAのスリーカードで勝利。一城と葵から6,000円ずつ取った。


合計:茨城:328,000円 鳥取:272,000円


そして第4ターン。眠っていたあの女が動き出す。


恵「Qのフォーカード!」


佐原知事は5と5と🃏のスリーカードだったため、恵が勝利し、佐原知事の

30,000円を取ることに成功した。


合計:茨城:360,000円 鳥取:240,000円


一城「(流れはこっちだが、雇われの2人は一度も勝負していない。もしかして、わざと勝負しないつもりか!?)」


第5ラウンド。ここで鳥取に動きがあった。最初のターンの岸田はフォールドをした。続く葵、佐原知事、一城もフォールドをした。


一城「(これで次の豪州さんも降りたらノーコンテストでこちらの勝ちだが。)」


しかし、豪州はなんとオールベットを宣言した。


一城「(何!?いきなりオールベットかよ。)」


恵はコールするか迷っていたとき、豪州が恵にこう誘った。


豪州「なあ、コールした方がいいんじゃないか?ちなみに俺はブタだぜ。」


一城「(これは・・・・・・作戦?そういって実は強い手札を持ってるんじゃ。)」


恵「・・・・・・分かりました。コールします。」


一城「恵!どうすんだ、もし負けたら96,000円失うんだぞ!?」


豪州「なんだ、疑り深いな。ほれ、ブタだろ。」


なんと豪州は手札をすべて見せた。


豪州「このまま俺がノーチェンジすればお前らの勝ちだぜ。」


一城「あんた、わざと負けるつもりか!?」


恵「私は5枚全部チェンジします。」


恵は5枚カードを全部チェンジした。豪州が持っている最高数字がKなため、Aを引けば恵の勝ちになる。


恵「一枚目・・・・・・3。」


恵の2枚目は6。3枚目は2。4枚目は10だった。


恵「最後の一枚・・・・・・」


恵は山札から最後のカードを引いた。


恵「・・・・・・クイーン。私の負けです。」


しかし、豪州は。


豪州「んだよ!何で負けんだよ!どう考えてもお前が勝って終わりじゃねえのかよ!」


豪州は勝ったにもかかわらず。恵に対して文句を言っていた。


一城「な・・・・・・なんで、勝ったのに何で怒るんだ・・・・・・」


豪州「俺はこんな試合勝つ気はねえんだよ。」


一城「なに!?」


豪州の発言がこの後の後半戦の明暗を分けることになる。


第24話(完)

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