第6話 離れた距離

 桜葉が楽しそうに話しているのを見かけてからは一人で帰っている。


 桜葉が話していた次の日に中々来なかったことを謝りに来てくれたけど、俺も「桜葉を断りもなく置いていったから、むしろこっちが謝るべき。申し訳ない」と、互いに謝った。



 桜葉は話しかけた子とはニ週間経った今は友達として仲良くしているみたいだ。


なんで知ってるかというと休み時間に気になり、わざわざ桜葉の教室の前を通って、様子見しにいったことがあるから。


さすがにやり過ぎたと後悔しながら下校したから色濃く記憶に残っている。





 いっぽう俺は一人で帰ることに慣れていた。


最初こそ様子見したり、桜葉の家の前に来てしまったりとあった。


だが、三日もすれば慣れていた。

昼ご飯も別々になっていた。


 家が近いと言ったって、桜葉と一緒に帰る前は別々に帰っていた。


桜葉が一時的にでも不登校にならなかったら一緒に帰るなんてことはありえなかった。


だからある意味、本来の関係に戻った気がする。




 ただ家が近くて、小学校から一緒なだけ。




 それ以外に関係はない。








柚菜視点

 私に話しかけてくれたのは花鈴かりんという名前の子だった。

相変わらず聞いていることがほとんどだけど、楽しくて、二週間で互いに友達と言えるくらいには仲良くなっていた。




 ただ、最近君島くんのことが頭に隅っこに必ずある。


もちろん、自分から話しかけることはそんなにしないことは知っている。


だから、私から話しかけてみようと思っても、なんて話しかければいいか分かんないし、何か微妙な距離が開いた気がして、気まずくて話しかけれない。


 そんなやらない理由しか出てこない。




 ただ、最後にした会話は互いに謝ることだった。

だからか少しもやもやしている。




何かいい方法は無いか花鈴ちゃんに聞こうと、スマホに手を伸ばした。










あとがき

おそらくですが次回で最終話を迎えます。

更新は未定ですが、どうぞよろしくお願いします。


お読み頂きありがとうございます。















 

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