第3話 昼休み

 4限目の数学の授業を受けている。


が、お腹が少し気になり始めてきた。


いつも、しっかりと朝ごはんは食べてきているが、どうしても勉強しているとお腹が減ってきてしまう。


つまり、俺はそれほど真剣に勉強に取り組んでいる証拠なのだろう。


 今はそれが起きて、集中できていないが。




 音がなりそうなお腹を気にしていると授業の終わりを告げるチャイムが鳴ってしまった。


ノートはきちんととったものの先生の話を覚えてない。


あとで桜葉に聞いてみよう。

確か、担当の先生は一緒だったはずだ。


ノートを取っても、理解が出来なければ意味がないからな。




昼休み


 授業が終わると机の上に出ていたものを中に突っこんだり、置きっぱなしにしたりして走っていくものがいる。


その人達の目的は購買目当て。

そして、俺もその一人。(走って向かわないが)


人気のものは、嵐が過ぎさった後のようにもぬけの殻になってしまう。


 だが、遅れて行くと残ったものが毎回微妙に違うことがあるため、その違いを楽しんでいる。


今日は……よくある残り方だな。


鮭弁当を手にして、レジの列に並ぶ。

遅れてきているため、レジは混んでる時よりは少ない。


 会計を済ませ、桜葉との待ち合わせ場所の屋上に向かう。




 屋上は珍しくアニメで見る高校みたく、行くことが出来るが人は思ったより少ない。


それこそ最初は多かったが、少し距離があるため

再び行こうとは思わなかったのだろう。


そのため、賑やかな場所でのご飯が苦手な人にとっての避難所みたいなものの一つになっている。




 屋上のドアを開け、待ち合わせ場所に向かう。


 桜葉は二人が座れる程の大きさに広げたレジャーシートの上に座っていた。


いつものように食べずに待ってくれていた。


前に「先に食べていていいぞ」と、伝えたら

「なんか申し訳ない」と、言われた。


とはいえ、今日は結構のんびりしていたから申し訳ないことをした。


「悪い、のんびりし過ぎた」


「ううん、大丈夫」

 桜葉は首を小さく横に振った。


「ま、悪い」

言った後、手を合わせる。


「いただきます」


桜葉も後に続くように言って、食べはじめた。


 


 黙々と俺は購買の弁当を、桜葉は手作りの弁当を食べる。



 今はこの時間に浸って、数学のことはまた後にしよう。


 そう思えるくらい、昼ごはんの時はとても落ち着く時間が流れている。




 







 

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