第2話 おさななじみ
薄い弱い太陽光が優しく刺激する。
それによって覚醒する。
今日はいい起こされ方をした。これからもぜひ続いてほしい。
ピピピピピピッ
こんな時に目覚ましは鳴ってほしくはなかった。
下におりて、洗面所で顔を洗って、寝癖を直す。
キッチンに向かうと、母さんの置き手紙があった。
「夜の残りを食べてね♡」
今週も母さんはストレス発散で外で食べたいらしい。
「今週も」と言った通り、よくあることだ。
母さんはストレスが溜まると外食をしたくなるそうだ。
昨日の夜ご飯で余っていたご飯と肉じゃが、朝に母さんが作ってくれたであろうお味噌汁を頂く。
皿洗いして、身だしなみを整える
カバンを持って、家に「いってきます」と一言置いて、桜葉の家へ歩を進める。
おっと鍵をかけ忘れていた。
鍵をかけたか確認して、今度こそ桜葉の家へ歩を進める。
桜葉の家に着くと、もう外に出て待っていた。
「おはよう」
「おはよう」
お互い挨拶をして、目線を交えること数秒。
桜葉が隣についたのを確認して、学校へと歩き始めて行った。
俺と桜葉が二人で登下校しているのを見て、最初は驚かれた。
「恋仲じゃないか?」
と、よく噂されていた。
だが、高校は中学校から近いこともあり、同じ中学出身もいるため、
「いつものこと」という認知が広まっていった。
学校に着き、それぞれ靴を履き替えて、また二人で歩く。
クラスは俺のほうが近い。
「じゃ、後で」
桜葉は頷いて、返事をする。
それを見て、教室に入っていく。
小学校の時からだが、登下校は二人でしているからよく恋人関係に間違われる。
それは仕方ないと思っている。
ただ桜葉がどう思っているのかは分からないが、
少なくとも俺はそんな関係ではないと思っている。
普通の「おさななじみ」だと思っている。
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