134話 赤い月
------(テンタ視点)------☆
一方、地面に叩きつけられた俺は、叩きつけられた
衝撃と、大蛸(ラ・モール大魔導士)の触手に締め
付けられた圧力で、俺のコンバットスーツのヘルメット
内部では、光ってはいけないランプがいっぱい点滅しだ
した。
(う・やばい、やばい)
幸い、奴の触手は俺の胴体に巻きついているだけなので、
手と足は動かせた。
俺は右足を曲げ、右足のふくらはぎ外側面に縦に
3つ並んだ☆型手裏剣の一つを何とか手にする。
\ブチュッ/
それを俺の胴体に巻きついている奴の触手に突き刺した。
と、
突き刺した☆型の手裏剣中央の赤い宝石が点滅する。
\\\ぬぉ~///
すると大蛸(ラ・モール大魔導士)は、そう叫び、慌てて
俺の体に巻き付けた触手を自身の体から切り離した。
\ブチッ/
切り離された触手は、そのまま力なく俺の体から離れ、
その場に落ちた。
\ボトッ/
が、大蛸(ラ・モール大魔導士)は、すぐさま切り離した
触手を再生させる。
「えっ」
俺は、拘束を解かれたことに、一瞬安堵したが、すぐさま
しゃがんで、両足から☆型手裏剣を取り構え、左右に持っ
た手裏剣を大蛸(ラ・モール大魔導士)に投げTた。
(((((シュルシュ~)))))
しかし、大蛸(ラ・モール大魔導士)は自身の体全体から
ヌルヌルの粘液を出して自身の体を覆い、その粘液で俺が
投げた手裏剣は滑り、奴の体に刺さらなかった。
「なにっ」
驚く俺、不敵な笑みを浮かべる大蛸(ラ・モール大魔導士)。
「ふん、残念だったな」
と大蛸(ラ・モール大魔導士)は言うと、また触手を俺の
体に絡めようとするが、自身が出した粘液で俺をからめとろ
うとしても”ヌル~”と俺の体が触手からすり抜ける。
「ええぇーいっ!」
どうしても触手が俺の体を捕えられないことにいら立つ
大蛸(ラ・モール大魔導士)。
その時、上空に居た1000体のレッサーデーモン達が、
一斉に地上に居る俺目掛けて、槍と盾を前に襲い掛かって
来た時だった。
『よし、何とか修復は出来た』
と俺のヘルメット内左モニターのエードラム様が、声を
あげる。
この空間に精霊力を制限されて、思うように精霊力を発揮
出来ないでいたエードラム様が、それでも何とか俺のコンバ
ットスーツを修理しようと、懸命に修復魔法を駆使してくれて
いたのだった。
俺はすぐさま、マスクの口の装甲板を左右に開き、中から大小
2つの金属球が現し、
「ソニックバスター!」
((((((キュィーン))))))
と金属音がすると共に
\\\ズバーン///、\\\ズバーン///
と撃破を放つ……が、ただ突っ込んで来る1000体のレッサー
デーモン達の正面ではなく、レッサーデーモン達の盾を持っていな
い右側にオトアあらかじめ設置したリフレクターソーサー目掛けて
放ったのだった。
\\\グギャー///
俺目掛けて突っ込んでくるレッサーデーモン1000体の内、300
のレッサーデーモン達を葬ることが出来た。
残りの700体のレッサーデーモン達は、衝撃波で消滅する300体
のレッサーデーモン達を見て、急遽その場にとどまった。
で、
そのまま今度は、目の前に居る大蛸(ラ・モール大魔導士)に向け、
「ソニックバスター!」
((((((キュィーン))))))
と金属音がすると共に
\\\ズバーン///
と衝撃波を放ち、奴の体を覆っている粘液を吹き飛ばすと同時に
俺は2枚手裏剣を投げた。
(((((シュルシュ~)))))
\ズボッ/、\ズボッ/
\\\ぬぉ~///
再び、大蛸(ラ・モール大魔導士)は目をむきながらそう叫び、
手裏剣の刺さった2本の触手を切り離すと、それまで大蛸(ラ・
モール大魔導士)の隣で黙って見ていた、悪魔伯爵シャッキー
が、
「これはいかん!」
と言ったかと思うと、自身が持っていた杖で\ポン/と地面を
突くと、モクモクと黒い煙が悪魔伯爵シャッキーの体を包み込
み、そしてその黒い煙が消えると、そこには体長30mの巨大
な3本角で一つ目の黒い巨人の姿へと変わった。
(あー、またまたヤバイ状況)
◇
------(第三者視点)------☆
「デーモンディスチャージ!」
と叫び、\\ビリビリビリ//と体から高圧電流を放電すると同時に
「デーモンクロー!」
”ピシュン”、”ピシュン”、”ピシュン”、”ピシュン”、”ピシュン”
指の爪をマシンガンのように飛ばし攻撃。
\\グギャー//
デーモンレディー(マヤ)が放った爪の弾丸はに稲妻の帯を引きながら、
次々とレッサーデーモン達を倒して行った。
「ふぅ~何とか片付いたわ」
と安堵を浮かべるデーモンレディー(マヤ)。
「まだ、大物が残ってる……」
と呟き、まだ、ザマタン(エディー)達がスフィンクス(ヘル大将軍)
と戦っている地上に降りたつが……。
体を”ふらふら”させながらも、両手を伸ばし、デーモンクローと
デーモンディスチャージを放とうとするが、すでにレッサーデーモン
1000体での戦いでその魔力(エネルギー)の大半を使い果たして
いたデーモンレディー(マヤ)は、そのままばたんと倒れこんでしまっ
た。
\\ドスン//
と大きな音と共に倒れるデーモンレディー(マヤ)。
デーモンレディー(マヤ)は倒れると共にその体はどんどん小さくなり、
やがてマヤの姿に戻った。
「マヤ!」×3
それを見たザマタン(エディー)、イマタン(ジェシー)、ガマタン
(チャド)達はスフィンクス(ヘル大将軍)との戦闘中であるにもかか
わらず、マヤの方に顔を向け大声で叫ぶ。
その様子を見て、スフィンクス(ヘル大将軍)は、
「お前達が頼りにしてたあの女はもう戦えないようだな」
とあざ笑うかのように言う。
その言葉に、ザマタン(エディー)達は悔しそうに唇をかみしめるが、
ザマタン(エディー)の隣に居たイマタン(ジェシー)が、ザマタン
(エディー)とガマタン(チャド)に向け言う。
「こうなれば、あれを使うしかないぞ」
その言葉に、ザマタン(エディー)が、
「えっ、しかし……」
と躊躇するが、そんなザマタン(エディー)にガマタン(チャド)も
「そうだ、もうあれしかないぜザマタン!」
と声を掛けると、覚悟を決めたのか、大きくうなずくザマタン(エデ
ィー)に
「こっちの悪魔に地球の悪魔の底力を見せてやろうぜ」
と陽気に声を掛けるイマタン(ジェシー)。
3人の様子にスフィンクス(ヘル大将軍)は余裕の笑みを浮かべ、
「ほう、何を見せてくるのかな」
と言うと、突然、ザマタン(エディー)が、
「とう!」
と叫ぶと空中に飛び出し、
「グラビティーボール!」
と叫ぶと、ザマタン(エディー)の体は黒い大きな球体へと姿を変え、
その大きな球体は、目の前のスフィンクス(ヘル大将軍)を包み込んだ。
その黒い球体の中では、地球の重力の何十倍もの重力が働き、スフィ
ンクス(ヘル大将軍)を襲っていた。
あまりにもの高重力にスフィンクス(ヘル大将軍)は腹ばいになり、
「ぬぉ~、なんじゃこれは!」
そう叫んでいたが、何とかそれに抗おうと、
「うおー!」
と声をあげ、自身の魔力を身体強化に変換し、何とか立とうと試みる。
しかし、どうにもできないでいたが、その重力も数分で黒い球体が
消えると共に無くなった。
「ゼイゼイ」
息も絶え絶えに何とか立ち上がるスフィンクス(ヘル大将軍)だったが、
今度は、イマタン(ジェシー)が、
「とう!」
と叫ぶと空中に飛び出し、
「サンダーボール!」
と叫ぶと、イマタン(ジェシー)の体は黄色く光る大きな球体へと姿を
変え、その大きな球体は、目の前のスフィンクス(ヘル大将軍)を再び
包み込む。
「ぬおー!」
黄色く光る大きな球体の中は高圧電流が流れており、スフィンクス(ヘル
大将軍)は、今度は自身の魔力を悪魔闘気に変え、その高圧電流に対抗す
る。
「ふん、なんのこれしき」
そして先ほど同様に黄色く光る球体は数分で消えてしまった。
「ハァ、ハァ、ハァ」
激しく息をするスフィンクス(ヘル大将軍)。
そしてそのスフィンクス(ヘル大将軍)にガマタン(チャド)が、
「とう!」
と叫ぶと空中に飛び出し、
「フレアーボール!」
と叫ぶと、ガマタン(チャド)の体は赤く光る大きな球体へと姿を
変え、その大きな球体は、目の前のスフィンクス(ヘル大将軍)を3
再び包み込む。
今度は火炎だった。
球体の中の紅蓮の炎に包まれたスフィンクス(ヘル大将軍)だった
が、その炎に抵抗しようとしたもののすでに自身の魔力は先の2つの
球体で使い切っており……。
\\グオー!//
という叫びと共にスフィンクス(ヘル大将軍)の体は、黒い炭となり
燃え尽きてしまった。
赤い球も数分で消えてしまったが、後には消し炭と化したスフィンクス
(ヘル大将軍)と元の姿へと戻り倒れている、エディー(ザマタン)、
ジェシー(イマタン)、チャド(ガマタン)だった。
因みに3人が使った技は、特撮『デビライザー3』で、最終回に
敵首領のサタンを葬るため、3人がそれぞれの命と引き換えに放った
技であるのだが、この世界の3人の場合、自身のブランチライフを
1つ支払うことで発動できる技であるため、3人に命の別状はない。
◇
「ルビニューム光線!」
と叫び、開いた掌から赤い光弾を3発放つ。
”●ピシュー”===
”●ピシュー”===
”●ピシュー”===
\\グオー!//×600
クリスタルマンルビー(カラン)は、空中に居たレッサーデーモン達
約300体をクリスタル念力で1か所に拘束し、レッサーデーモン
達が持つ盾を避けるように、上下真後ろにこれまたクリスタル念力
で軌道を変えたルビニューム光線を放ち、レッサーデーモン達を全
て消滅させると、地上の方を見る。
そこでは、大蟹(アルミュール元帥)と
繰り広げているはずだが……。
\\バーン//、\\バキバキバキ//
大蟹(アルミュール元帥)が、
れるたびに自身の体を超速再生で自身の体を再生していた。
(うーん、アルミュール元帥よ、いい加減気が付けよ)
とそれを見てクリスタルマンルビー(カラン)が思うのだが……。
すると、その意思が伝わったのか、大蟹(アルミュール元帥)が
体の再生をそのままに、悪魔闘気を放つのをやめ、目から稲妻の
光線を
”バリバリバリ”
が、しかし、それを待っていたかのように
稲妻光線を浴びながら、大蟹(アルミュール元帥)に向け目から冷凍
光線を放った。
”ピー”====
\\ピキピキピキ//
あっという間に大蟹(アルミュール元帥)を凍り付かせ動きを止めると、
少し、稲妻光線で体がしびれたか、2、3回頭をブルっとさせてから、
口を大きく開け火球を大蟹(アルミュール元帥)に目掛け放った。
\\ボーン//
凍らされた後、急激に火球で熱せられた大蟹(アルミュール元帥)の
硬い表皮にヒビが\\ピリピリピリ//と入ったかと思うと、急に
高温にさらされたからなのか、\\ボン//と大きな音と共に大蟹
(アルミュール元帥)爆発四散した。
それを見た
≪ふん≫
と一言はした後、そこらへんに散らばる大蟹(アルミュール元帥)を
ムシャムシャ食べながら、
≪焼くのもあり……だなw≫
と呟くのだった。
そこへ、クリスタルマンルビー(カラン)が降り立ち、
かける。
「大丈夫か、
すると、
≪ああ≫
と一言返して、また食べだした。
ヤレヤレと言う感じで
マンルビー(カラン)は、ふとこの空間の違和感を感じあたりを見回す。
「うーん、へんてつもない砂浜……へんてつもない夜空!?……
あれ!?この世界の月ってこんなに真っ赤だったか!」
違和感に気づいたクリスタルマンルビー(カラン)は、その月をよく
見てみる。
(このイディア世界の月も地球の月同様、大気の関係で少し赤みが
かったり、青みががかったりはするが……。)
(ここまで、真っ赤ではない……それに地球の月と比べ月の淵が
もっとギザギザしているはずだが……)
そんなことを考えていたクリスタルマンルビー(カラン)だが、何を
思ったか突然、その赤い月に向けて、
「ルビニューム光線!」
と叫び、開いた掌から赤い光弾を放つ。
”●ピシュー”===
\\ドッカーン//
何と、宇宙空間にあるはずの月が、クリスタルマンルビー(カラン)
の放つルビニューム光線が当たり爆発した。
と同時に、月のあちらこちらがひび割れしたかと思うと、
\\ボロボロボロ//
と崩れだし、次の瞬間!\パッ/と景色が変わる。
砂浜は消え、夜空も消え、そこには城の外堀付近の場所だった。
それに加え、東の方向を見ると、同じく外堀付近に、真っ黒に
焦げた化け物の姿と、その傍らに3人の男……そして少し離れ
た場所には倒れる女の姿が見えた。
すぐさま、クリスタルマンルビー(カラン)はそこに急行する。
「大丈夫かマヤ!」
体の大きさを等身大に縮め倒れてる女に声を掛ける。
「う……あ、柱……エネルギー切れです」
とマヤはそれだけクリスタルマンルビー(カラン)に告げ意識を
なくした。
クリスタルマンルビー(カラン)は、マヤ(デーモンレディー)
が生きていることを確認すると、今度は倒れている3人の男の
所に向かい、マヤ(デーモンレディー)同様声を掛ける。
「エディー、ジェシー、チャド大丈夫か!」
すると3人のうちの1人のエディー(ザマタン)が頭を上げ、
「あ……あ、柱、倒せてますか」
と声を絞り出して言うと、一瞬その黒い化け物の死体を見て
「ああ、炭になってるぞ」
と答えると、その言葉を聞いて安心したのか、エディー(ザ
マタン)はそのまま再び気を失うのだった。
(やれやれ)
と、クリスタルマンルビー(カラン)は、4人の無事を確認する
と胸を撫でおろしたその時だった。
\\ズバーン//
と何やら衝撃波を放ったような音がした。
「なに!」
クリスタルマンルビー(カラン)はすぐさまその音の方を見た。
(ここからだとよくわからんが……どうも城の中心から聞こえ
た気がする)
そう思ったクリスタルマンルビー(カラン)は、
「トワー!」
と叫ぶと、そのまま城の中心部へと飛び去るのだった。
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