133話 妖魔界 その2



------(第三者視点)------☆





 デーモンレディー(マヤ)に、リーダーのザマタン(エディー)


が、


「マヤ、戦闘隊形を取れ!」


と叫ぶ。


その言葉にデーモンレディー(マヤ)が、”ハッ”とし、


すぐさま、


\\バリバリバリ//


と自身の体から放電し、巨大化する。


それを見て、スフィンクス(ヘル大将軍)は”ニヤリと


笑い。


「ふん、今までのようにはいかんぞ女!」


とデーモンレディー(マヤ)を威嚇するのだった。


「マヤ、俺達の武器ではアストラル体(精神体)のレッサー


デーモンは倒せない、だから、そっちは任せる」


とリーダーのザマタン(エディー)が、デーモンレディー


(マヤ)に言うと、


「うん、わかった」


と言って、デーモンレディー(マヤ)そのまま上空のレッ


サーデーモン達の所に向かった。


そして、目の前のスフィンクス(ヘル大将軍)の前にザマ


タン(エディー)、イマタン(ジェシー)、ガマタン(チ


ャド)の3人が腰のレイピアを抜いて、


「お前は、俺達が相手だ!」×3


と声をそろえて言うと、スフィンクス(ヘル大将軍)は、


再びニヤりと笑い、


「本物の悪魔の恐ろしさを教えてやろう」


とレイピアを構える3人に向かて言うと、いきなり口から炎


を吐いた。


”ボーッ”=======


 しかし3人はそれぞれ散らばり炎を避けると、スフィンクス(ヘル大将


軍)の前に再び3人が立ちはだかり、3人はそれぞれのブランチスキル


を発動させる。


ザマタン(エディー)は、『隠遁』を、イマタン(ジェシー)


は、『分身』で、ガマタン(チャド)は『ガマ変身』を発動


……させたはずだったが、


「あれ!」


「んっ分身しない!」


「あれ、変身できない!」


3人のブランチスキルは発動しなかった。


驚く3人にスフィンクス(ヘル大将軍)は、


「馬鹿め、ここ妖魔界では、貴様らのスキルは発動せんわ!」


と言いながら右前足で、3人を薙ぎ払った。


「うわー!」×3


スフィンクス(ヘル大将軍)に薙ぎ払われたザマタン(エディー)


達が吹っ飛ぶのだった。


 一方、空中でレッサーデーモン千体が密集体形をとり、盾で周囲


をガードしているのを見て、デーモンレディー(マヤ)は、考えて


いた。


(あいつらの頭上から懐に飛び込んでデーモンディスチャージを


お見舞いすれば、かなりのレッサーデーモンを倒せると思うんだけど


……ただ、あの槍が問題だわ、あれに突かれたら私の魂が駆られる


から迂闊に近づけないわね……)


と、不意に手に持っている大鎌を見て、


「これを使って……」


と呟くと徐に上昇し、


「デーモンディスチャージ!」


と叫び、\\ビリビリビリ//と体から高圧電流を放電すると手に


持っていた大鎌をそのままレッサーデーモンの頭上へと投げ放った。


 デーモンレディー(マヤ)が投げた大鎌は、稲妻をまとってその


まま頭上からレッサーデーモン達を襲う。


\\グギャー//


千体のレッサーデーモン達の内、中央に固まっていたレッサーデー


モン達が消滅する。


「よし!」


それを見て小さくガッツポーズをするデーモンレディー(マヤ)は、


素早く今度はレッサーデーモン達の真下に移動すると、再び


「デーモンディスチャージ!」


と叫び、\\ビリビリビリ//と体から高圧電流を放電すると同時に


「デーモンクロー!」


”ピシュン”、”ピシュン”、”ピシュン”、”ピシュン”、”ピシュン”


指の爪をマシンガンのように飛ばし攻撃。


\\グギャー//


デーモンレディー(マヤ)が放った爪の弾丸は大鎌と同じように稲妻


の帯を引きながら、次々とレッサーデーモン達を倒して行った。


その数300体。


「おのれ~、」


それを地上から見ていたスフィンクス(ヘル大将軍)は、苦虫を


噛み切ったような顔で、デーモンレディー(マヤ)を睨むのであった。
















------(テンタ視点)------☆




”ビユーン”☆===


 俺は只今絶賛悪魔から逃亡中。


この空間の力のせいで、エードラム様の精霊力が抑えられて


いるので、光の速さでって言う訳にはいかないが、それでも


スカイバリアンは、音速を越え飛べるので、俺は音速を越えた


速度で逃亡中。


 だいたい、どう考えてもレッサーデーモン2千体にベビル


デーモン1体、それにアークデーモン1体までを相手に俺が


独りで戦うなんて、無理ゲーもいい所だ。


(うん?)


 しかし、後ろを振り返っても悪魔達は逃げる俺を追いかける


そぶりは見せない。


が、


 しかし、


次の瞬間!


『テンタ君、前!』


と、俺のヘルメット内右モニターのオトアが叫ぶ……。


と同時に俺は空中に居たレッサーデーモン2千体の中に突っ


込んでいた。


『バリアー』


咄嗟にオトアが俺をバリアーで包んでくれたので、レッサー


デーモン達の槍の攻撃を何とか防げはしたが……。


『テンタ君、どうして、悪魔達に突っ込んだの?』


とオトアに聞かれたが、


「えっ、あっ…いや俺は唯奴等から遠ざかっていたはずだ


が……」


俺のその言葉に俺のヘルメット内左モニターのエードラム


様が、


『おそらく、この空間のせいよ』


と口を挟まれた。


『この空間のせい!?ですか』


とオトアが聞き返すと、


『おそらく、何処まで逃げても元に戻る仕組みなんだわ、


きっと』


とおっしゃった。


『じゃぁ……』


『戦うしかないわね』


オトアが言葉を口にするとすかさず、エードラム様がそう


おっしゃった。


 俺は覚悟を決め、スカイバリアンの向きをレッサーデー


モンビーム達の方に向かせてビームガンを抜き構えると、


2千体のレッサーデーモン達はすぐさま密集体形を取り、


盾で自分達の周囲を囲んだ。


(うーん、これじゃぁ……)


と俺がビームガンを構え思うと、


『上と下があいてるわよテンタ君』


とオトアが俺に助言すると共に、


『リフレクターソーサー!』


と叫び俺の背中のスリットから2つの円盤を飛び出させ


ると、レッサーデーモン達の頭上を足元にリフレクター


ソーサーを向かわせた。


俺は、オトアが向かわせたソーサーに狙いをつけて、


”ビシューン”====、”ビシューン”====と、


ビームを放つと、それぞれのソーサーは角度を変え、


ビームを跳ね返すと、それぞれレッサーデーモン達の


頭上からと足元から跳ね返ったビームが襲う。


\\グギャー//、\\グギャー//


が、


倒せたのは数体のレッサーデーモン。


『もう一度』


とオトアに言われ再度ビームを撃つ。


”ビシューン”====、”ビシューン”====


が、やはり倒せたのは今回も数体のみ。


とても2千体を倒すには程遠い。


「うーん、これでは時間が掛かる」


と俺が愚痴っぽく言うと、オトアが少し考えて、


『ソニックバスターで同じようにやってみようよ、


テンタ君』


と言うが……。


「いや、衝撃波がアストラル体(精神体)のレッサー


デーモン達に効果があるとは思えんけどな」


俺はオトアの意見に否定的に答えると、オトアは


『ダメもとでやってみようよテンタ君』


って笑顔で言うので仕方なく俺はマスクの口の装甲


板を左右に開き、中から大小2つの金属球が現し、


「ソニックバスター!」


((((((キュィーン))))))


と金属音がすると共に


\\\ズバーン///、\\\ズバーン///


と撃破を放つ……こと2回。


リフレクターソーサーは先ほどのビームと同じように


俺の放った衝撃波を反射させ、レッサーデーモン達の


頭上と、足元から衝撃波が襲うが……。


\\\ギョエー///


俺の半信半疑の思いと裏腹に、上下からの攻撃でレッ


サーデーモン600体を一度に消滅させた。


「えっ!」


その光景に驚く俺。


しかもレッサーデーモン達も驚いたのかパニクルたの


か、密集体形を解き、辺りに散らばった。


『カムイさん!』


それを見たオトアが腰の刀にそう叫ぶと、刀(カムイ)


さんは勢いよく鞘から飛び出し、散らばったレッサー


デーモン達を襲う。


\グギャー/


中には刀(カムイ)さんの攻撃を盾で防ぐレッサー


デーモンも居たが、刀(カムイ)さんは、そんなレッ


サーデーモンに対しては後ろに回り込んだりして、


どんどん斬りつけレッサーデーモン達の魂を奪って行く。


「お・おのれ~」


その様子を下で見ていたラ・モール大魔導士(死神風顔


で顔の半分が骸骨の男)が、怒りをあらわにすると、急に


ラ・モール大魔導士(死神風顔で顔の半分が骸骨の男)の


目が光った。


\ピカッ/ 


するとモクモクと黒い煙がラ・モール大魔導士の体を包み


込み、そしてその黒い煙が消えると、そこには体長30m


の巨大な黒い大蛸の姿へと変わっているのだった。


「小癪な小僧め!」


大蛸(ラ・モール大魔導士)はそう叫ぶと8本の触手の内


の一本を俺まで伸ばし、そのまま触手を巻きつける。


「うっ・な……」


俺は油断していたわけではないが、大蛸(ラ・モール大魔


導士)の触手に絡まれて初めて気づき、もがいてみるが、


取れない。


すると大蛸(ラ・モール大魔導士)は俺を絡めた触手を


自身の方にグンっと引き寄せる。


「あ・あわ」


俺はそのままスカイバリアンから引き離され、地面へと


叩きつけられた。


\\\ズドーン///


「あ・テンタ殿!」


と俺が地面に叩きつけられたのに気づいた刀(カムイ)


さんが、俺の元へと駆け付けようとするが……。


「お前は邪魔だ!」


と大蛸(ラ・モール大魔導士)が言うと、続けて口から


\プシュッ/


と黒い墨を吹き付けた。


「うわっ」


刀(カムイ)さんに吹き付けられた墨はすぐさま凝固し、


刀(カムイ)さんは身動きが取れずにそのまま地面へと


落下し\\\ズボンッ///と地面に突き刺さってしま


った。


 一方、地面に叩きつけられた俺は、地面に叩きつけら


れた衝撃と、大蛸(ラ・モール大魔導士)の触手に締め


付けられた圧力で、俺のコンバットスーツのヘルメット


内部では、光ってはいけないランプがいっぱい点滅しだ


した。


(う・やばい、やばい)














------(第三者視点)------☆




大蟹(アルミュール元帥)は、その大きなハサミで、


\\バッキーン//


とその石化したバリアーを破壊し、クリスタルマンルビー


(カラン)に迫るのだった。


”危うし、クリスタルマンルビー(カラン)”


その時だった、空からものすごい回転をしながら


大蟹(アルミュール元帥)に向かってくる物体があった。


(((((クルクルクル)))))


”ビユーン”〇===


\\\バッシーン///


\\\バリバリバリ///


高速回転のその物体は、大蟹(アルミュール元帥)のその


右半身を砕いて行った。


「ガハっ、なに!」


驚く大蟹(アルミュール元帥)。


そこには、龍が居た。


そう空中でレッサーデーモン達を相手にしていた禍龍かりゅうだった。


禍龍(かりゅう)は、クリスタルマンルビー(カラン)のピンチに


自身の尾っぽっを咥え、輪の状態にしてから高速回転し、今まさに


クリスタルマンルビー(カラン)を襲うとする大蟹(アルミュール


元帥)に体当たりをしたのだった。


「お・おのれ~邪龍め!」


大蟹(アルミュール元帥)は失った自身の半身を蘇生させながら、


禍龍かりゅうを睨みつけながら言う。


そんな大蟹(アルミュール元帥)を無視したクリスタルマンルビー


(カラン)は、一言、


禍龍かりゅうありがとう」


禍龍かりゅうに礼を言うが、当の禍龍かりゅうは、


≪あっちと変わってくれ≫


と空中に居るレッサーデーモン達を示唆して言うが、クリスタル


マンルビー(カラン)は、禍龍かりゅうが言う言葉の意味が


分からず、


「どうしてだ、何かあったのか?」


と尋ねると、禍龍かりゅうは”ニッコリ”笑って、


≪こっちの方が美味そうだからw≫


と答えた。


それを聞いたクリスタルマンルビー(カラン)は、”はぁ~”


とため息をつき少々あきれ気味に、


「わかった、じゃこっちは頼んだぞ禍龍かりゅう


と言い、そのまま空中へ”トワー”と叫び飛出して行くのだった。


その様子を体を再生させながら黙ってみていた大蟹(アルミュ


ール元帥)が、怒りをあらわにさせながら禍龍かりゅうに言う。


「黙って聞いていたら、調子にのりおって、儂の恐ろしさを


お前に見せてくれくれるわ!」


そう怒り狂う大蟹(アルミュール元帥)をよそに禍龍かりゅうは、


大蟹(アルミュール元帥)の落ちていた右のはさみを\バリバリ/


食べていた。


それを見てさらに激怒した大蟹(アルミュール元帥)は口から


泡を吐いた。


”プクプクプク”


その泡が禍龍かりゅうに迫ると、禍龍かりゅうは徐に食事を中断し、


その泡に自身の目から冷凍光線を放つ。


”ピー”


\\\パキパキパキ///


禍龍かりゅうの光線を浴びた泡はたちまち凍り付くと、


禍龍かりゅうは、何事も無かったように食事を続ける


のだった。


「えぇ~い、何処までも儂を愚弄しおって!」


と左のはさみで禍龍かりゅうを攻撃しようとするが、


\\\バキーン///


と、自身の尾っぽを鞭のように振るい、そのハサミを弾く


だけでなく、吹き飛ばした。


「ギョエー!」


驚き叫ぶ大蟹(アルミュール元帥)。


その様子を空中で、レッサーデーモン達の相手をしていた


クリスタルマンルビー(カラン)が見て言う。


「おいおい、まじめにやれよ禍龍かりゅう


と呟くのだった。

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