132話  妖魔界 その1




------(テンタ視点)------☆




(しっかし、これどうやって開けるんだろう)


と俺が思い、スカイバリアンをその場に着陸させようと


していた。


他のメンバーも扉をどうやって開けるか口々に言いながら、


禍龍かりゅうの背中から降り掛けている。


 その時、突然、禍龍かりゅうが口を開け、火球を放つ。



\バシューン/


「おい、禍龍かりゅう!何をする」


禍龍かりゅうの突発的な行動にクリスタルマンルビー


(カラン)さんが、慌てて叫ぶが……。


\\\ドカーン///


禍龍かりゅうの放った火球が目の前の大きな扉を破壊した。


禍龍かりゅうの背中に乗っていたクリスタルマンルビー


(カラン)さんとチーム『デビライザー』の4人は爆発の衝撃で、


禍龍かりゅうの背中から転げ落ちそうになり、


「おっと!」


「キャー!」


「うわっ!」


「あっ、ぶねぇー!」


「がーっ!」


たクリスタルマンルビー(カラン)さんや、その後ろのデーモ


ンレディー(マヤ)さん、ザマタン(エディー)さん、イマタン


(ジェシー)さん、ガマタン(チャド)さん達がそれぞれ声を


あげ、


 また、側に居た俺は俺で乗っていたスカイバリアンが急に


ウイリー状態になり、スカイバリアンから落ちそうになる。


「うわぁ~!」


「おい、禍龍かりゅうお前……」


とクリスタルマンルビー(カラン)さんが、禍龍かりゅうに抗議


しようと声をあげたその時だった。


”ビユ~ン”←←←←=======


≪なぬっ≫


「うっ・」


「キャ~!」


「うわっ」


「な・」


「ぬわぁ~っ」


「あっ」


禍龍かりゅうとその背中から降りようとしていたクリスタルマンルビー


(カラン)さんとチーム『デビライザー』の4人、それにその側に


居た俺は、禍龍かりゅうが吹き飛ばした扉の向こう側に、


吸い込まれて行くのだった。













------(第三者視点)------☆




 クリスタルマンルビー(カラン)と禍龍かりゅうは、夜の浜辺


に倒れていた。


「うっ……」


クリスタルマンルビー(カラン)が気が付くと、そのまま立って


辺りを見回すと、少し離れた所に巨大な龍……禍龍かりゅうが砂浜に


倒れていた。


禍龍かりゅう!」


クリスタルマンルビー(カラン)が近づき声を掛けると、


≪ぬっ……≫


頭を持ち上げ、辺りを見回してから、側に居たクリスタルマン


ルビー(カラン)の方を向き尋ねる。


≪どこだ、ここは?≫


「わからん」


とクリスタルマンルビー(カラン)は禍龍かりゅうに一言言った後、


「それに、テンタや他者達も見当たらん」


と言いながら、辺りを見回すと、夜空には赤い月が浮かび、周りは海で、


自身と禍龍かりゅうが立っているのは、永遠と続きそうな砂浜だった。


 そこへ、


「ぬはははははぁ~!」


と笑いながら、赤いフルプレートアーマーで、顔を覆いつくした


兜の男が現れた。


「お前は!」


とフルプレートアーマーで、顔を覆いつくした兜の男に気づいた


クリスタルマンルビー(カラン)が言うと、


「我が名は、アルミュール元帥」


とフルプレートアーマーで、顔を覆いつくした兜の男が言う。


「アルミュール元帥、他の者達はどうした」


とクリスタルマンルビー(カラン)が問うと、アルミュール元帥


(赤いフルプレートアーマーで、顔を覆いつくした兜の男)は、


「ふっ」


とにっこり笑って言う。


「今から死ぬお前が知る必要はない」


と言い切った。


「なに!」


アルミュール元帥(赤いフルプレートアーマーで、顔を覆い


つくした兜の男)の言葉にクリスタルマンルビー(カラン)と禍龍かりゅう


は、戦闘態勢を取る。


それを見たアルミュール元帥(赤いフルプレートアーマーで、


顔を覆いつくした兜の男)は、右腕を夜空にあげ、


「出でよ亡者ども!」


と叫ぶと、夜空に千体のレッサーデーモンが現れた。


続いて、


「ふんっ」


と声を漏らすと、アルミュール元帥(赤いフルプレートアー


マーで、顔を覆いつくした兜の男)は、呪文も唱えず、モクモク


と黒い煙がアルミュール元帥の体を包み込み、そしてその黒い煙


が消えると、そこには体長30mの巨大な黒い大蟹の姿へと変


わっているのだった。


「兎に角、奴を倒さねば」


とクリスタルマンルビー(カラン)は覚悟を決めたようで、


\デュイ~ン/


と40mに巨大化し、


禍龍かりゅう行くぞ!」


と声を掛けるのだった。













 一方、チーム『デビライザー』の4人は、夜の砂漠地帯に居た。


夜空には、クリスタルマンルビー(カラン)と禍龍かりゅうが居た場所


と同じく赤い月が浮かんでいる。


「うーん、ここはどこかしら?」


首をひねるデーモンレディー(マヤ)に、リーダーの


ザマタン(エディー)が、


「場所もそうだが、他の皆は何処へ行ったのだろう?」


と言うと、隣に居たイマタン(ジェシー)が、


「俺達海底のイーリオスって所に居たはずなのに……」


と言うと、


「しっかし、ここには空があるし……どう見ても海底にあった


場所とは思えんなぁ~」


とガマタン(チャド)があたりを見回し言うと、そこへ突然、


「はははははぁ~!」


と声がした。


「なに!」


「なんなの?」


その声にリーダーのザマタン(エディー)とデーモンレディー


(マヤ)が反応し声のあった方向を見ると、そこには、エジプト


ファラオ風の男が立っていた。


「我の名はヘル大将軍、お前達はここで死ぬのだ」


「なに!」×3


「えっ!」


ヘル大将軍(エジプトファラオ風の男)の言葉にリーダーの


ザマタン(エディー)、イマタン(ジェシー)、ガマタン


(チャド)と共にデーモンレディー(マヤ)が驚くと、


ヘル大将軍(エジプトファラオ風の男)は、さーと、右


手を挙げる。


すると、夜空に千体のレッサーデーモンが現れると同時に


モクモクと黒い煙がヘル大将軍の体を包み、そして、その


煙が晴れるとそこには身長30mの巨大なスフィンクス


が現れた。


「うっわぁ!」


と驚くデーモンレディー(マヤ)に、リーダーのザマタン


(エディー)が、


「マヤ、戦闘隊形を取れ!」


と叫ぶ。


その言葉にデーモンレディー(マヤ)が、”ハッ”とし、


すぐさま、


\\バリバリバリ//


と自身の体から放電し、巨大化する。


それを見て、スフィンクス(ヘル大将軍)は”ニヤリと


笑い。


「ふん、今までのように行くとは、思うなよ女!」


とデーモンレディー(マヤ)を威嚇するのだった。













------(テンタ視点)------☆




「ここはどこだろう?」


とあたりを見渡す俺。


夜空にある赤い月が周りをぼやっと映し出す。


『んーっ、お墓!?』


と俺のヘルメット内の右モニターに映るオトアが言うので


「お墓!?」


と俺は言いながら再度あたりをよく見渡すと……。


確かにお墓……それも西洋風の墓地って感じ。


『ゾンビとか出て来そう』


と再び、オトア言うので、


「おいおい、そー脅かすなよオトア」


と俺がオトアに言い返した時だった。


\ボワッ/


と青白い光と共にそれは現れた。


「うっわ!」


『出た、ゾンビ!』


それは、死神風顔で、顔の半分が骸骨の姿の男。


驚く俺とオトアに俺のヘルメット内の左モニターに映るエード


ラム様が、


『あれはベビルデーモン、名前は確か……ラ・モール……


ラ・モール大魔導士って言ったかな』


と冷静に答えるエードラム様の言葉に、ラ・モール大魔導士


(死神風顔で顔の半分が骸骨の男)はにっこり笑って、


「さよう、我はラ・モール大魔導士、そしてここにおわすの


は……」と言って左手を外に向けると、そこに現れたのは、


髪の毛が無数の蛇で目玉が一つの男。


『「シャッキー!」』


と俺とオトアが思わずハモって言うと、悪魔伯爵シャッキー


は、にこりと笑って、


「さよう」


と答えた。


『で、ここは何なのよシャッキー』


とエードラム様が言うと、悪魔伯爵シャッキー(髪の毛が無


数の蛇で目玉が一つの男)は、再びニヤリと笑い、


「ここは、王都イーリオスの王城にある妖魔界発生装置で作り


出した妖魔界じゃよ、エードラム」


と答える。


『『「妖魔界!!!』』×3


その言葉に俺と、オトアとエードラム様が同時に驚きの声を


挙げた。


俺達の驚きの声に少し嬉しそうに悪魔伯爵シャッキー(髪の


毛が無数の蛇で目玉が一つの男)が続けて言う。


「そうじゃ、妖魔界じゃ、まぁ、ダリウス様がお創りになられる


悪魔時空より少し落ちるが、ここもそれと同じく、悪魔の力を


増し、それと反対に精霊の力を抑える力がある空間じゃ」


『どうりで、さっきから圧迫感を感じていると思ったわ』


悪魔伯爵シャッキー(髪の毛が無数の蛇で目玉が一つの男)の


言葉にエードラム様がそう言い返すと、悪魔伯爵シャッキー


(髪の毛が無数の蛇で目玉が一つの男)は、嬉しそうに


「じゃろう?」


と返すのだった。


そして、悪魔伯爵シャッキー(髪の毛が無数の蛇で目玉が一


つの男)の横に立つラ・モール大魔導士(死神風顔で顔の


半分が骸骨の男)が、


「まずは小手調べ、出でよ亡者ども!」


と叫ぶと、夜空に2千体のレッサーデーモンが現れた。


そして、上空から俺目掛けて2千のレッサーデーモンが


襲い掛かって来る。


「んがっ!」


それを見て俺は絶句するが、そんな俺にエードラム様が、


『兎に角やるしかないわ』


と激を飛ばすが、俺はどうしたらいいかわからず、その場で


”わらわら”していたら、オトアが、


『テンタ君!スカイバリアン』


とモニター越しに右に指さすのを見て、俺は自身の右側を


見ると、そこには墓地の地面に頭から突っ込んでいるスカイ


バリアンの姿があった。


俺は急いで、スカイバリアンの所まで駆け寄り、地面に突き


刺さっているスカイバリアンを両手で抱え思いっきり力で


引っこ抜いた。


\ズボッ/


俺は慌ててスカイバリアンに跨るが……。


(動くのか!?)


と思たが、何とか動きそうだったので、思い切りアクセルを


回す俺。


空中から俺を襲おうと迫るレッサーデーモン達が持っていた


魂をえぐる槍を一斉に投げる。


”ビシュ”→→、”ビシュ”→→、”ビシュ”→→


\スポン/、\スポン/、\スポン/、\スポン/


俺は間一髪その場を脱し、空中へと舞い上がる。


先ほどまで俺が居た地面に槍は刺さっていないが、いくつもの


穴があいている。


それを見たエードラム様が、


『あのレッサーデーモン達、アストラル体(精神体)のまま


ねぇ』


とおっしゃると、オトアが


『じゃ、日が昇れば……一気に倒せるんじゃ~』


と聞くと、エードラム様は、冷静に


『ここが通常の世界ならね』


と答えた。


『ああ、そうか、ここは悪魔達に有利な空間でしたね』


とエードラム様の言葉に1人納得するオトアだった。













------(第三者視点)------☆





「ルビーノバ!」


と言って自身のブランチスキル『理』(コトワリ)を発動させ


ながら、体全体から赤い光を放った。


眩い光に大蟹(アルミュール元帥)は一瞬怯む。


そこに続けて、


「ルビニューム光線!」


と叫び、開いた掌から赤い光弾を放つ。


”●ピシュー”===


が、


放った赤い光弾は、大蟹(アルミュール元帥)の体に触れる


前に消えてしまった。


「なにっ!」


驚くクリスタルマンルビー(カラン)に、勝ち誇ったように


大蟹(アルミュール元帥)が言う。


「ははは、この妖魔界は、悪魔の力を上げるだけでなく、精


霊の力を抑えると同時に、貴様ら転生者のブランチスキルを


無効化するのさ」


「っく、」


大蟹(アルミュール元帥)の言葉にクリスタルマンルビー


(カラン)は、絶句するが、その間に夜空の上では、禍龍かりゅう


が、口から火球をレッサーデーモン達に向け2連発放つ。


\バシューン/、\バシューン/


夜空に居たレッサーデーモン達は直ぐに密集体形をとり、盾を


前に突き出すが……。


禍龍かりゅうが放った2つの火球は、そのまま盾を構える


レッサーデーモン達の正面に当たるか……に見えたその時だった。


禍龍かりゅうが放った2つの火球は、そこから急に軌道を変


え、レッサーデーモン達の頭上と下からぶち当たる。


\\ドカーン//、\\ドカーン//


\\グァァァッ//×200


起動を変えた火球に上と下から襲われ200体のレッサーデー


モン達は消滅する。


「うっ、おのれ~」


それを見た大蟹(アルミュール元帥)は唸るように呟くと、


◇”ピシューン”===


\\ズバーン//


とクリスタルマンルビー(カラン)が左腕に仕込んだブレスレット


を対ブランチキャンセラー用に用意した盾に変化させそれを


大蟹(アルミュール元帥)の左胸に投げつけたのだった。


大蟹(アルミュール元帥)は自身の左胸に刺さった、その盾を


大きなハサミでつかみ、無理やり抜くと、


「おのれ~!」


と言いながらクリスタルマンルビー(カラン)を睨みつけると、


「ふん、よそ見をするからさ」


とクリスタルマンルビー(カラン)が、少し馬鹿にしたように


大蟹(アルミュール元帥)に言う。


 しかし、大蟹(アルミュール元帥)はすぐさま左胸の傷を


修復すると、


「ふん、この程度でいい気になるな」


と自身の胴体部分ある所謂、蟹のふんどし(前掛け、はかま)


とも呼ばれている部分を開くと、そこには鋭利なとがった歯が


たくさん生えている丸い口を露出させると、その口から沢山の


泡を放出する。


その放出した泡は、クリスタルマンルビー(カラン)を襲うが、


クリスタルマンルビー(カラン)はその泡が自身触れる前に、


バリアーを張った。


 しかし、そのバリアーがその泡に触れると、”カチンコチン”


バリアーが石化した。


「なに!、また石化だと!」


クリスタルマンルビー(カラン)が驚き声をあげるが、大蟹


(アルミュール元帥)は、その大きなハサミで、


\\バッキーン//


とその石化したバリアーを破壊し、クリスタルマンルビー


(カラン)に迫るのだった。


”危うし、クリスタルマンルビー(カラン)”

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