127話 『馬鹿め!』



------(テンタ視点)------☆





 俺はマリンバリアンに跨り、海中深くネシア王国の島の東側


沖合の海中を目指しのスクリューの泡の航跡こうせきを引きながら


進んでいた。


『そろそろじゃない?テンタ君』


『ああ、そのようだな』


オトアの言葉と共に俺の視界に映る沢山の魔獣達。



\ピッ/


【デーモンサハギンメガロ(悪魔+魚人+大サメ)】


H  P   8500+180


M P    750+140


運動性 150+ 90


攻撃力   3500+140


防御力   2000+ 80


命中      70+ 5


回避 65+ 10



・悪魔闘気(魔法無効)


・噛みつき


・魔法攻撃各種


体長30m



×3



【デーモンサハギントータス(悪魔+魚人+亀)】


H  P   2000+180


M P    550+140


運動性  92+ 90


攻撃力   1000+140


防御力   1300+ 80


命中      85+ 5


回避 62+ 10



・悪魔闘気(魔法無効)


・水流


・魔法攻撃各種


体長2.2m



×295



【デーモンサハギンチャック(悪魔+魚人+イソギンチャク)】


H  P   1330+180


M P    415+140


運動性 120+ 90


攻撃力   1130+140


防御力    915+ 80


命中      88+ 5


回避 82+ 10



・悪魔闘気(魔法無効)


・触手攻撃


・魔法攻撃各種


体長2.2m



×350



【デーモンサハギンヒトデ(悪魔+魚人+ヒトデ)】


H  P   1320+180


M P    410+140


運動性 110+ 90


攻撃力   1120+140


防御力    910+ 80


命中      88+ 5


回避 82+ 10



・悪魔闘気(魔法無効)


・回転攻撃


・魔法攻撃各種


体長2.2m


×350




 中央にデカイサメの魔獣、左に亀?、右に頭がイソギンチャクの


魔獣で、海底にはヒトデの魔獣、そしてそれを率いているのが……


猛獣使い風の男……。


(あの猛獣使いは……)


と俺が思うと、エードラム様が、


『あれはシャッキー配下のベビルデーモンよ』


と答えてくれた。


その猛獣使い風の男であるベビルデーモンが、口をパクパク動かして


いる様に見えるが、


(なにしゃべってんのかな?水中じゃ聞えないけど……)


って思ったら、再びエードラム様が、


『ああ、あのねテンタ君向こうのベビルデーモン……デッド団長って


言うらしいんだけど、あの悪魔がね、テンタ君におとなしく降参し、


猫をこちらに差し出せ、さすればお前の命は助けてやらんでもない


……ってさ』


声を変えモノマネを交えて言うエードラム様。


(確かにものすごい数の魔獣だけど)


と心に思う俺に再びエードラム様が、


『テンタ君、なんか言い返してやりなさいよ』


と言われたので、俺は少しドスの利いた声で


『馬鹿め!って言い返しといてください』


とお願いすると、エードラム様は俺の言い方に驚いたのか、


『えっ、えっ、ああ、うんわかった』


とどぎまぎしながら答えた。


エードラム様がそのまま俺の返答を伝えたらしく、目の前のベビルデー


モンであるン……デッド団長がその場で地団太を踏み、魔獣達に俺を


一斉に襲うように命令したようだったが……。


俺はすぐさま乗っているマリンバリアンの船主を左右に開き魚雷を


発射した。


\パシュ/


”ゴー”====((((((((((((((


俺が発射した魚雷は長い航跡を引きずりながら無数の魔獣の中の一番大


きな3体並んでいる魔獣、デーモンサハギンメガロ(悪魔+魚人+大サメ)


の真ん中の奴目掛けて進んで行き、そのデーモンサハギンメガロ(悪魔


+魚人+大サメ)の口の中に……。


\ズボッ/


 突然、口の中に魚雷が入って、デーモンサハギンメガロ(悪魔+魚人+大


サメ)は、目を丸くする。


 今回俺が柄にもなく強気なのは、この魚雷にある。


この魚雷は、例の海坊主戦で使った魚雷を改良した魚雷をさらに悪特隊(あとくたい)


本部で改良した魚雷で、威力が格段と増している上、時限信管(発射をも


ってタイマーの作動が始まる信管)付なのだ。


 俺は魚雷を発射後、すぐさま海底の小さな岩の裏に着底し、オトアが


すぐさまバリアーを張った。


デーモンサハギンメガロ(悪魔+魚人+大サメ)の口の中に入った魚雷は、


次元信管を作動させ、


”カチカチカチ”……”カチャ”


\\ボッカ~ン!!//


 魚雷が爆発すると、すさまじい衝撃波が発生し、多くの魔獣と


ベビルデーモンであるデッド団長の体が一瞬にしてバラバラとなるの


だった。













------(第三者視点)------☆




 一方、テンタ達の居る海域の上空にスタンバっていた、


クリスタルマンルビー(カラン)やチーム『デビライザー』の


デーモンレディー(マヤ)、それに禍龍かりゅうの背中に乗る


同じくチーム『デビライザー』のザマタン(エディー)、


イマタン(ジェシー)、ガマタン(チャド)並びにチーム


『ナル』のマリーナ(マカナ)、トリン(ナイア)達は、


じっと、空中で下の海面を眺めていた。


「んっ、水面が盛り上がって来た!」


と言うチーム『デビライザー』のザマタン(エディー)の


言葉と共に海面が見る見る盛り上がったと思ったら、


\\ボッカ~ン!!//


と言うけたたましい爆音と共に水柱が上がる。


それを見たクリスタルマンルビー(カラン)が空中で待機する


全員に言う。


「よし、合図だ!飛び込むぞ!」


と言うと、クリスタルマンルビー(カラン)と禍龍かりゅうにチーム


『ナル』のトリン(ナイア)以外のメンバーが口にオキシド


ールキャンディーを含み次々と海に飛び込んで行った。


\\ザッバーン//


そしてメンバーが飛び込んだのを確認したクリスタルマンル


ビー(カラン)と禍龍かりゅうも海に飛び込むのだった。













------(テンタ視点)------☆





 俺が隠れていた岩は衝撃波で粉々になったが、オトアの張る


バリアーのおかげで俺は何ともなかった。


魔獣達はと言うと、3体のデーモンサハギンメガロ(悪魔+魚人+


大サメ)は粉々になり、跡形も残っていなかった。


それに350体もいたデーモンサハギンチャック(悪魔+魚人+


イソギンチャク)もサハギンである体はバラバラになり、あちら


こちらに頭部のイソギンチャクの部分だけが漂っていた。


 ただ、295体居たデーモンサハギントータス(悪魔+魚人+亀)


のうち咄嗟に手足を甲羅に引っ込めた100体ほどは、遠くに飛ば


されたものの健在で、今必死でこちらに向かっている。


 また、350体居たデーモンサハギンヒトデ(悪魔+魚人+


ヒトデ)の内、200体ほどが咄嗟に海底の砂に潜り健在だった。


肝心のベビルデーモンのデッド団長は頭だけがぷかぷかと浮いてい


たが、死んだわけではないようだ。


\\ザッブーン//


俺の居る海底に仲間たちが次々と飛び込んできた。


そして、飛び込んできたクリスタルマンルビー(カラン)さんが


俺に念話で聞いてくる。


≪で、首尾は?≫


俺はすぐさま


≪残りはデーモンサハギントータス(悪魔+魚人+亀)100体に


デーモンサハギンヒトデ(悪魔+魚人+ヒトデ)200体それと


……≫


と俺がクイッと頭で海中に浮かぶデッド団長を指し、


≪あの首だけのベビルデーモンだけです≫


答えると、クリスタルマンルビー(カラン)さんは振り返り、


禍龍かりゅうそれにチーム『ナル』のマリーナ(マカナ)、


トリン(ナイア)で、ここの処理を頼む、後は俺とテンタに


付いてきてくれ≫と言うと、


≪がってん、承知の助w≫


と返すトリン(ナイア)さんだった。


(うーん、なんか昭和のノリだな)













 まず、クリスタルマンルビー(カラン)さんが目的の洞穴目指し


先行するのを見た俺は、マリンバリアンの後部の左右の端から、


ロープを射出する。


\プシュー/


その射出した左右のロープに、右がデーモンレディー(マヤ)さん


とザマタン(エディー)さんが捕まり、左が、イマタン(ジェシー)


さん、ガマタン(チャド)さんが捕まったのを確認した俺は、


そのまま4人を曳航しながら、クリスタルマンルビー(カラン)


さんの後を追う。


途中、頭だけ浮いているベビルデーモンのデッド団長側を通ると、


奴は何やら叫んでいるように思えたが、当然俺には聞こえなかった


……のに、わざわざエードラム様が、


『おのれ、おの~れ、卑怯な真似をしおって、そこへなおれ、儂


がギタギタにしてくれるわ!』


ものまね付きで伝言してくれる。


(……いや~、わざわざ教えてくれなくても)














 目的の海底の岩にたどり着くが……。


海底の岩山は、先ほどの俺が撃った魚雷の衝撃波で崩れ、岩山に


開いた洞穴が塞がれていた。


(どうしよう)


と俺が思ったのもつかの間、クリスタルマンルビー(カラン)さん


が、クリスタル念力を使い、崩れた岩を持ち上げる。


「ふんっ!」


”ブオ~ン”


すると、岩山があった所に大きく開いた竪穴が出てきた。


≪いくぞ!≫


クリスタルマンルビー(カラン)さんの念話に俺達は頷くと、ク


リスタルマンルビー(カラン)さんに続き、俺の乗るマリンバリ


アンが竪穴に入るとそのマリンバリアンに引かれていたチーム


『デビライザー』の4人もその竪穴に吸い込まれるように入っ


て行くのだった。














------(第三者視点)------☆





 テンタ達が竪穴の中に入ったころ、ようやく、衝撃波で飛


ばされていたデーモンサハギントータス(悪魔+魚人+亀)100


体が戻って来たのを見た禍龍かりゅうは、口を尖らせ、


”ピュー”―――ッと口の中の海水を吐き出すと、


\ズバーン/とデーモンサハギントータス(悪魔+魚人+亀)の


体を貫いた。


”ピュー”―――ッ、\ズバーン/


”ピュー”―――ッ、\ズバーン/


次々とデーモンサハギントータス(悪魔+魚人+亀)を倒して行く


禍龍かりゅうの側で、チーム『ナル』のマリーナ(マカナ)が、


「えいー!」


と悪魔専用のブーメランを投げつける。


マリーナ(マカナ)が投げたブーメランは海中にも関わらず、


陸上で投げるのと変わらず(((((くるくる)))))と回転しながら、


\シュパッ/、\シュパッ/と海底に居るデーモンサハギン


ヒトデ(悪魔+魚人+ヒトデ)を斬りつけ悪魔核を破壊して行った。


すると、その横にいたチーム『ナル』のトリン(ナイア)が、


自身のブランチスキル『使役』を発動させ、悪魔の憑依が解けた


サハギンヒトデ(魚人+ヒトデ)達に命令する。


「デーモンサハギンヒトデ達を倒しなさい」


すると、サハギンヒトデ(魚人+ヒトデ)達はデーモンサハギンヒ


トデ(悪魔+魚人+ヒトデ)達に襲い掛かる。


と同時にのトリン(ナイア)が、


『のびろ~!』


と叫び、持っていた金属製の如意棒を伸ばして、


\ズボッ/、\ズボッ/とデーモンサハギンヒトデ(悪魔+魚人


+ヒトデ)の胸を突き、デーモンサハギンヒトデ(悪魔+魚人+


ヒトデ)達の心臓を貫くと同時に、如意棒から発生する波動で


悪魔核をも破壊して行くのだった。


 ちょうどその時、頭だけになっていたベビルデーモンのデ


ッド団長が体の再生を終え、


「くっそ!このままでは儂の立場がない……一刻も早くこ奴等


を倒し、小僧達を追わねばならん」


と言ったかと思うと、呪文を唱えだした。


「因を律する存在 来るべき存在 その結ばれし鎖を断ち切り、今


我真の姿へと戻らん シンガプラー!」


すると、モクモクと黒い煙がデッド団長が体を包み込み、その黒い


煙が消えると、そこには体長15mの黒いマーライオン(上半身ラ


イオン+下半身魚)の姿が現れた。


「お前らは、絶対生かしてはおかん!」


と黒いマーライオンが叫ぶのだった。













------(テンタ視点)------☆




 長い長い竪穴を潜って行く。


すると竪穴は……。


(行き止まり!?)


と思われたが、竪穴はここでUの字になっており、今度は


竪穴をどんどん上昇すると……、明かりが見えてきた。


\ザッバーン/


水面に出ると、そこには広い広場……じゃない。


遠くまで続く通路のような場所に出た。


幅20m長さは……奥の方はカーブしていてよくわからない。


だが、その通路はところどころに明かりが灯っていて、昼間ほど


の明るさではないが、周りを確認するくらいの光量はあるようだ。


 俺以外のメンバーは、早速その通路へと降り立つ。


俺は、マリンバリアンを小槌に収容してから、通路へと上がった。


「ここは……」


とポツリと聞くチーム『デビライザー』のザマタン(エディー)


さんにクリスタルマンルビー(カラン)さんが、


「ここは、古代イーリオス国の王都イーリオスだ。ここの都市は


直径6kの渦巻き型の環状都市になている」


俺は、クリスタルマンルビー(カラン)さんの言葉にあたりを見回し


てみると、確かに左右の通路の壁には窓や扉があったとみられる


跡がある。


「へー環状都市ねw」


と俺と同じくあたりを見回し感心したように言うデーモンレディー


(マヤ)さん。


「渦巻き型の都市で、ここが王都って事は……」


とザマタン(エディー)が口にすると、クリスタルマンルビー(カ


ラン)さんが、すかさず答える。


「うん、そうだこの渦巻きの中心には恐らく王城がある」


その言葉にガマタン(チャド)さんが、


「するとそこに悪魔の親玉が居ると……」


とクリスタルマンルビー(カラン)さんに聞くが、


「いや、それはわからない、なんせ悪魔達と古代文明のつながりは


あくまでも兄さん(クリスタルマン(ニム博士))の仮説にすぎんか


らな」


とクリスタルマンルビー(カラン)さんが答えるが、そんなクリスタル


マンルビー(カラン)さんに、


「兎に角、進んでみようぜ」


とイマタン(ジェシー)さんが言う言葉にクリスタルマンルビー(カ


ラン)さんは、


「そうだな」


と頷きみんなであたりを警戒しながら歩いて進む……と。


「うん!?」


と一番先にクリスタルマンルビー(カラン)さんが気づく。


俺もすぐさま視界を望遠にしてみると、そこには人らしき者の


姿があった。


その人の姿は、マンモスの頭蓋骨の兜にインディアン風衣装の


男だった。


すぐさま、クリスタルマンルビー(カラン)さんがメンバー全員


に、


「あれは、ベビルデーモンだ!みんな戦闘態勢を取れ」


と激を飛ばすのだった。


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