65話 天堂(ティエンタン)で海水浴
転送された場所はエレベーターホールのような場所で、正面には左右に通る
通路があった。
「どうぞこちらです」
少し歩くと、左側に大きな両開きの扉があった。
「どうぞ中へお入りください」
と
先頭に、ミリーさん、シェリーさん、タミーさんにガイゼルさんとアナさんが続く、
そして俺と
ダイさんと続いて部屋に入った。
「うわぁ~!」×11
部屋に入るなり、向かいの窓から見える海の景色に俺達は圧倒される。
と、
「いらっしゃいませ」×3
と俺達にお辞儀をしながら挨拶する3人のメイドさん。
そして、
「皆様をお世話させていただく、わたくしがリンリンです」
「同じくランランです」
「同じくリーリーです」
「「「どうぞよろしくお願いします」」」
と俺達に再び頭を下げてくれるのだった。
因みに、リンリンさんは北晋国出身で18才身長165Cmで
Bカップ(テンタ推測)で、ランランさんは、晋国出身で、身長
162CmのCカップ(テンタ推測)並びにリーリーさんは、南
晋国出身で身長163CmのDカップ(テンタ推測)俺や
とそんなに年が変わらない東洋系のお姉さんって感じの人達だ。
◇
ところで部屋はって言うと、広さはざっと40畳くらい。
さっき言った正面は大きな窓で、オーシャンビユーが見えるだけ
でなく、外のバルコニーにも出れる。
天井には大きなシャンデリア、扉側の右にカウンターバーで、
反対の左側には暖炉がある。
暖炉側にはは、大きな10人掛けのダイニングテーブルが、
あり、カウンターバー側には2人掛けのソファーが2つと3人
掛けのソファーが2つあり、その真ん中にはガラステーブルが
置いてあった。
そして、左右の壁にはそれぞれ扉が4つづある。
これは、各人の寝室になっている。
「レツ様、ダイ様は左の一番奥の部屋をお使いください」
とメイドのリンリンさんが言う。
その言葉を受けて、レツさん、ダイさんは、
の荷物を受け取り、早速指定された部屋へと向かう。
「後の方は、ご自由にお部屋をお選びください」
と言われ、トムさんが自身を含むメンバーの部屋の割り当てを
して行った。
「俺とミリーは右側の一番手前の部屋を使う、その隣はガイゼル
とアナ、で、その隣はテンタとオトアが使え」
そして、続けて、
「で、左の手前をシェリーとタミーで、その隣をヴィクセン…
…でいいか」
それぞれ、レツさんダイさん以外のメンバーは、トムさんの割り
振りに頷くと、各自の部屋に一旦入る。
俺と
因みに、なぜ初めに『
部屋を指定したかと言うと、俺の部屋もそうだが、みんなの部屋
の作りは同じで、10畳以上ある部屋に天蓋付きのキングサイズ
のベッドがあり、奥にシャワー室とトイレになっているのだが、
ケンタウロスである2人は、普通のベッドでは寝れないし、トイレ
シャワーも普通の人間用では使えないので、今回わざわざ、俺達の
為に部屋を改装し、トイレとシャワー室を拡張し、ベッドを外して
干し草にシーツをかぶせた特別製のベッドを設置したらしい。
なので、俺達の部屋より少し
のだが……。
◇
俺達が、自身に割り当てられた部屋のチェックを行って、再びダ
イニングに戻って来ると、先ほどの大きな10人掛けのダイニング
テーブルには、朝食が並べられていた。
オムレツ、ウインナー、各種チーズ、サラダ、バスケットに入っ
た沢山の焼き立てのパンにヨーグルト、フルーツ盛、パンケーキ
まで、飲み物は、みかんジュース、コーヒー、紅茶。
(いや……朝飯は軽く食って来たんだが)
と俺が思っている間に、全員が席に着き、
「テンタ君も、はやく、はやくw」
と
(オトアまで、なぜ?)
って思うも、俺も席に着き、みんなで、
「いただきます」×11
結局、俺もしっかりここの朝食をいただいた。
◇
朝食後、みんなで着替え、部屋の外に出て、さっきのエレベーター
ホールまで行き、そこの係の職員に目的を告げ、転送してもらう。
俺達が向かたのは、ホテルの前にあるビーチ。
ホテルの前に広がる約1kmの砂浜。
海の約500mくらいには高さ4mほどの魔物避けフェンスに囲まれ
、砂浜には、スカイブルーで、白の縁取りをしたログハウス風の建物が
あり、その両脇には3つづつ木造の東屋がある。
人影は、まったくない。
ほとんど貸し切り状態のビーチ。
トムさんは、アロハ風のシャツに白のサーフパンツ、俺はこの前買った
赤で黄色の炎のデザインのパンツ、タミーさんは、黄色のビキニ姿で、
ヴィクセンさんは、狐尾を出したワンピースってか、スクール水着風で、
シェリーさんが紫のビキニだが、パンツ部分が、ティーバック型の物で、
それを見たトムさんは、シェリーさんに何か言いたげな表情を浮かべて
いるが、結局何も言えないようだった。
ミリーさんとアナさんは白とピンクのムームー姿。
(泳ぐ気はさらさらないようだ)
ケンタウロスのレツさん、ダイさんは、自分達の名前が入ったTシャツ
姿、しかも文字はカタカナで書いてあった。
これは、それぞれお誕生日にミリーさんが手作りして2人にプレゼント
したものらしい。
ガイゼルさんは、トムさんと同じアロハシャツなのだが、下のパンツは
いつもの革のパンツなので、泳がないのかな?って思っていたら、突然、
「ガンボー」
って叫んで、ブランチ姿になり、装備されている銃器を外しだした。
(えっ、あー、それで泳ぐんですね)
◇
海に飛び込む前に、俺とトムさんにガイゼルさんで、シェリーさん、
タミーさんにヴィクセンさん用の浮き輪に空気を入れる。
これが、なかなか空気が入らない。
ついでにビーチボールにも空気を入れて、準備万端、軽く準備体操を
して、海に向かって走り出す、トムさん、ガンボー(ガイゼル)さんに
俺……に
(おいおい猫が泳げるのか?)
って思っていたが、俺やトムさんにガンボー(ガイゼル)さん達に負けな
いぐらいの速度で泳ぐ。
(えっ、俺の泳ぐ速度は猫以下か!?)
と思うほど。
そう言えば、
かなぁ~……って言っても、体はやはり猫、泳ぐスピードは速いが、泳ぎ方
は猫掻きしかできないようだ。
俺やトムさん、ガンボー(ガイゼル)さんが泳いでいる中、シェリーさん
、タミーさんにヴィクセンさんは、泳がずに、ただ、ただ、浮き輪で海を
漂っているって感じで、”プカプカ”と浮いているだけなのだが、それでも
楽しいのか、3人は”キャッキャ、キャッキャ、”言っていた。
(浮かぶだけで何が楽しいのだろう?)
その一方で、海に入らない組はと言うと、ミリーさんアナさんは、ログハ
ウス風の建物の右隣りの東屋でビーチチェアーに寝そべりながら、ミリーさ
んは、シャンパンを、アナさんはエール(ビール)を飲んでいた。
そして、その奥では丸テーブルに立ったままのレツさんダイさんが、エー
ル(ビール)を飲みながらテーブルに置いた焼いたフランクフルトをかじっ
ていた。
(俺も後で頼もう~っと)
実はこのログハウス風の建物ってのは、俺達の世界で言う海の家みたいなも
ので、飲み物や食べ物を扱っており、宿泊客はそれらすべての食べ物、飲み物
は、”ただ”、つまり無料で飲み食いできるって事になっている。
とは言え、食べ物に関しては軽食程度だけどね。
◇
一通り泳いで、浜辺に上がろうとしたら、シェリーさんが、
「テンタ君とオトアちゃんって泳げるんだねw」
と聞いて来たので、俺と
「「はい」」
って答えたら、タミーさんが、
「あのさ、この浮き輪押してくれない~w」
と甘えるようなしぐさで言ってくる。
(……んーっしゃーねーな)
仕方なく、俺は、シェリーさんの浮き輪を押し、
はタミーさんの浮き輪を押す。
浮き輪を俺と
またまた”キャッキャ、キャッキャ、”言って喜んだ。
その横を”すー”と同じように進むヴィクセンさん。
(何で、誰も押していないのに進むんんだ?)
って思ってよく見たら、海の中に漬けた狐尾をスクリューの
ように回転させ進んでいた。
(器用だねぇ~ヴィクセンさん)
しばらくして、シェリーさんとタミーさんに楽しんでもらっ
たので、今度こそ浜辺に上がる。
シェリーさん、タミーさん、ヴィクセンさんも同時に上がり、
例のログハウス風の建物に行って、飲み物でももらおうと、
向かう。
ログハウス風の建物について、メニューを見ると……。
なぜかメニューはすべて日本語で書かれたいた。
シャンパンや、ワイン、エール(ビール)と言ったアルコ
―ル類の他に、ラムネと言う文字が見えた。
ので、店員さんに聞く。
「ラムネって玉詰びんに詰められたサイダーのことですか?」
って聞くが、店員さんは、
「お客様の言う玉詰びんに詰められたサイダーかどうかわかり
ませんが、これですよ」
って見せてくれた。
店員さんが見せてくれたものは……。
(まさしくそれじゃん)
まさしく、俺の言っていた”ラムネ”で、間違いなかった。
「じゃ、それ2つ……」
と言いかけて、ふと目をメニューに戻すと、『かき氷』の文字。
(えーと、何のかき氷があるんだろう?)
さらにメニューを詳しく見ると、
〇いちご練乳
〇宇治金時
〇メロン
「オトア、かき氷いらないか?」
と俺の足元に居る
「うん、食べるw」
って言うので、俺は、店のメニューをもってしゃがみ
に見せながら聞く、
「どれにする?」
すると、俺が見せるメニューをまじまじと見て、
「いちご練乳w」
と言うので、俺は直ぐさま立ち上がり、店員さんに言った。
「じゃ、かき氷のいちご練乳とメロンをください。
「かしこまりました」
店員さんは、そう言うと、素早くかき氷を作り、それを俺に渡してく
れた。
俺は、店に備え付けのお盆を借りてそれを、隣の東屋に運ぼうとする
と、
「それなぁ~に?」
ってタミーさんが俺の持つお盆の上のかき氷を見て聞いてくるので、
「かき氷ですよ、冷たくておいしいですよw」
って答えたら、
「お姉ちゃん、私達もそれ食べようよ」
横に居たシェリーさんに言うと、
「そうね、食べてみようかな……ヴィクセンさんも一緒にどう?」
と聞き、ヴィクセンさんも、
「おいしそうですね、じゃ私もいただきます」
と答えた。
で、悩んだ挙句、3人は、
隣の東屋に行くと、すでに海から戻っていたトムさんがミリーさんの隣に
ビーチチェアーを出し、ミリーさんと仲良くシャンパンを飲んでいた。
その隣のアナさんの横には、すでにブランチ(ガンボ)から元に戻った
ガイゼルさんが、レツさんと、ダイさんが食べていたフランクフルトを
かじりながら、アナさんと同じエール(ビール)を飲んでいた。
そして、奥の丸テーブルでは、レツさんと、ダイさんが、かなり
顔を赤くして、まだ、飲んでいた。
その隣の丸テーブルに、ヴィクセンさんがみんなの椅子を出してくれて
座る。
当然だが、
載って、みんなでかき氷をいただく。
「いただきます」×5
木のスプーンで一口。
”がぶり”とかぶりつく、シェリーさん、タミーさんにヴィクセンさん。
「あっ!」×3
\キーン/×3
「うぅ……」×3
3人は、氷を食べ頭を抱える。
「何なの……これ!」
と言うシェリーさんに、
「少しずつ、ゆっくりとですよw」
と言いながら、俺がスプーンにすくったかき氷をちまちま食べ言う。
その言葉に、3人は2口目をゆっくり口に入れ……。
「ほんとだ!」×3
と納得したくれたようだった。
◇
かき氷を食べ終わり、今度は浜辺で、シェリーさん達とビーチボール
で遊ぶ。
空中で1回転しての”猫パンチ”で、ビーチボールを弾いたりと、
なかなかのジャンプ力にして、俊敏な動きで、ビーチボールを
返す
(オトアって、こんなに身体能力高かったんだ)
って俺は感心していたのだった。
その後、また海に入って、俺と
さんの浮き輪を押しながら泳いだりして、少し疲れたな~って
思ったころ、
「そろそろ、お昼にしようよ」
とシェリーさんが提案してくれたので、みんなで、先ほどのログハウ
スに向かう。
メニューが、日本語で書いてあるため、俺と
の読めない、シェリーさん、タミーさん、ヴィクセンさんに代わり
メニューを読む。
で、それぞれ注文した料理や飲み物をお盆にのせ、先ほど、かき氷
を食べた東屋のテーブルに戻りみんなでいただく。
とは言うものの、食べ物のメニューは、種類が少ないので、みん
なほとんど同じってより、同じものだ。
飲み物には、”ラムネ”(オトアは瓶で飲めないので、ストローを
刺す)を選び、食べ物は、”焼きそば”、”フランクフルト”に、
”焼きトウモロコシ”に、”イカ焼き”で、デザート!?に冷えた
”スイカ”と言う殆どの食べ物メニューを網羅したって感じだ。
「いただきます」×5
みんなお腹がすいていたので、無心に食べた。
食べた中で、やはりと言うか、異世界組のシェリーさん、タミーさ
ん、ヴィクセンさんは、”焼きそば”を食べたことがなく、当然、
箸は使えないので、スパゲッティーを食べる要領でフォークに巻き
付けて食べているのだが、
「スパゲッティーとは全然違うけど……おいしいね」
とにこやかに言うタミーさんに、
「そうね、私これ、好きかもw」
とシェリーさんのお言葉に、
「生まれた初めての味です……これw」
って笑みを浮かべて食べている3人を見ていた俺は、別にこの
”焼きそば”を俺が作った訳ではないが、なんか自分の世界の食べ
物を褒められ、少しうれしくなる俺だった。
お昼ご飯を食べ、少しここでビーチチェアーを出し、みんなで
お昼寝をする。
時折吹く潮風が心地よい。
その後、もう一度海で泳いだ後、ここを引き上げ、みんなで部屋
に戻る。
この後、の夜のお楽しみのために……。
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