58話 7億円が!




(残り2体だな)


俺がそう思った時だった。


 2体のデーモンドラキュラは、ミニガンを警戒してか、


腰のレイピアを抜き、俺の左右から切りつけてくる。


 俺はすぐさま左腕のガントレットから突き出すナイフの柄


を掴み、剣をイメージして引き抜いた。


”ビシューン”


そしてすぐさま左右から切りつけようと迫る2体のデーモン


ドラキュラの胸を横一文字に切り裂いた。


\ズバッ/、\ズバッ/


\\グァァァッ//


\\グァァァッ//


胸のから体を真っ二つにされた2体のデーモンドラキュラは、


黒い煙を吐きながら地面に落ちた。


\ドサッ/、\ドサッ/


「ふぅ~」


俺が一息つくと、俺のヘルメット内の右モニターに映るオトア


が俺に言う。


『ニム博士とルフーンさんの応援に行かなくちゃ』


「ああ、」


オトアに言われ、俺は右手に剣を握ったまま、自身が乗る


スカイバリアンを地上に向けるのだった。













 俺が地上にスカイバリアンを着陸させ降りると、


そこでは、巨大化したはずのクリスタルマン(ニム博士)が


等身大(2mほどに)縮、中国の皇帝風の姿のベビルデーモン


とマリーアントアネット風のベビルデーモンとで戦っている。


 その奥では、残り2体となったデーモンアポリソマザウルス


とクリスタルマンサファイア(ルフーンさん)が戦ていた。


すると、俺に気づいたのか、マリーアントアネット風のベビル


デーモンが俺の方に振り向き、中国の皇帝風の姿のベビルデー


モンに向け言う。


「トリア、私はこっちの小僧をやるから、そっちのクリスタル


マンサファイアは、頼めるか!」


その言葉に、中国の皇帝風の姿のベビルデーモンは、青龍偃月刀せいりゅうえんげつとう


所謂日本のなぎなた風の武器を手に、


「おお、わかったクァトゥオル」


と頷きながら答えた。


そして、クァトゥオルと言うマリーアントアネット風のベビルデ


ーモンが、俺の方に近づき、肘までの手袋を着けた両腕を俺の


方に向け突き出す。


\シャキン/


手袋の指先を破り長い爪を出すと、


\ボシュッ/


って俺に向け長い爪を出した両腕を飛ばした。


俺に迫る腕……。


俺は右手に持っていた剣で迫る腕を、


\シュパッ/、\シュパッ/


と切り裂いた。


\ボテ/、\ボテ/


俺に切り裂かれた腕は地面に落ち、朽ちて行く。


「ちっ」


飛ばした腕を俺に切り捨てられ、舌打ちをするクァトゥオル


と言うマリーアントアネット風のベビルデーモン。


そして、すぐさま飛ばした両腕を再生する。


 俺はすぐさま、


「ソーラーブレイド!」


と叫び、右手に持っていた両刃の剣の刃を左手で、根元


から剣先にかけて撫でるように這わすと、剣の刃が眩い


くらい光りだす。


「させないねぇ~」


それを見たクァトゥオルと言うマリーアントアネット風


のベビルデーモンは、すぐさま


\ピー/


と目から例のデーモンドラキュラを凍らせた光線を放つ。


「しまった」


と俺は焦ったが、俺のヘルメット内の右モニターに映る


オトアが、


『させない!』


と叫ぶと、俺とクァトゥオルの間にリフレクターソーサー


を割り込ませ、


\ピカッ/


とクァトゥオルの目から放たれた冷凍光線を跳ね返した。


「キャー!」


とクァトゥオルが驚く間もなく、


\パキパキパキ/


と瞬時に凍り付いた。


そのクァトゥオルの一瞬の悲鳴に、クリスタルマン(ニム


博士)と戦っていたトリアと言う中国の皇帝風の姿のベビ


ルデーモンは、一瞬、クリスタルマン(ニム博士)から


目を離した瞬間。


クリスタルマン(ニム博士)は、手から楔形の光線(ク


リスタルスライス)を放ち、トリアが手に持つ青龍偃月刀せいりゅうえんげつとう


の刃の根元を切り裂いた。


\シュパッ/


”コロン”


「し・しまった!」


トリアは、すぐさま持っていた青龍偃月刀せいりゅうえんげつとうを捨て、目からビームを放った。


\ピー/


 しかし、その時素早く、リフレクターソーサーのコントロール


していたをしていたオトアが、クリスタルマン(ニム


博士)とトリアの間にリフレクターソーサーを割り込ませ、


\ピカッ/


とトリアの目から放たれた光線を跳ね返した。


「がぁ!」


すると、一瞬でトリアは石となった。


そして、それを見たクリスタルマン(ニム博士)は、


両掌を合わせ右の耳付近に持って行き、それを一気に前方の


トリアに向けると、両掌から光弾が飛び出し、


\\ドッカーン//


とトリアを粉々に爆発させた。


 これは、所謂クリスタルマンの必殺光線のクリスタル


フラッシュだった。


トリアを倒すと、今度は同様に自身の光線で凍り付いている


クァトゥオルに向け同じクリスタルフラッシュを放つ。


\\ドッカーン//


クァトゥオルもトリア同様に粉々に爆発した。


 丁度、クリスタルマン(ニム博士)が2体のベビルデー


モンを倒したころ、後方でデーモンアポリソマザウルス


と戦っていたクリスタルマンサファイア(ルフーンさん)


も残り2体のデーモンアポリソマザウルスを倒した。


すべての戦闘を終えて、俺は再び


「ふぅ~」


と溜息をつく……と、ちょっと立ち眩みを起こして、


体がふらつき、倒れそうになるのを、


「おっと」


と言ってクリスタルマン(ニム博士)が支えてくれた。


そして、俺に向かって


「テンタ君、少し休みましょ」


と言ってくれるのだった。














 オトアがフェードアウトし俺はリーバースをして、


俺は、通常の姿に戻っていた。


「無理もない、僕達のようにブランチではなく生身の


体で戦っていたのだから……」


とニム・アノル博士が俺を慰めてくれる。


そう言うニム・アノル博士とルフーン・アノルさんも


すでに変身ブランチを解き、通常の姿に戻っていた。


 俺は、自身の小槌から水筒を出し、水筒のコップで


水を一口飲む。


”ゴク”


三毛猫オトアにもカップを出して水を入れた。


それをぺろぺろ舐めるように水を飲む三毛猫オトア


そんな俺達にルフーン・アノルさんが言う。


「後で、デーモンアポリソマザウルスの死骸を小槌で回


収しておくといいですよ、あれは化石と言っても鉱物


が含まれているので、1体350万クリスタル(7千万円)


くらいにはなると思いますよ」


と笑いながら俺に言う。


俺は、水をもう一口飲もうとして、


\プーッ/


て噴き出し、


「えっ、1体1体350万クリスタル(7千万円)で


すか!?」


驚く俺に、カップの水をぺろぺろ飲んでいた三毛猫オトア


も急に顔を上げ、


「って、10体だと3千500万クリスタル(7億円)


よテンタ君!」


「えっ、え――――!!」


と2人で大騒ぎするのだった。












 実は、戦闘中エードラム様が、ニム・アノル博士


(クリスタルマン)とルフーン・アノルさん(クリスタル


マンサファイア)の戦いにイラついていたのは、本来、


2人の実力をもってすれば、ベビルデーモンは兎も角、


レッサーデーモンが憑依した魔物であるデーモンアポリソマ


ザウルス10体なんて瞬殺出来るはずなのに、なかなか倒せ


ないでいる2人にイラついていたのだが、ルフーン・アノル


さん曰く、アポリソマザウルスは、金銀などの鉱物を含む


化石で構成されていて、しかもあのデカさなので、冒険者


ギルドでかなりの額で引き取ってくれるのを知っていて、


自分達が倒したアポリソマザウルスの死骸を俺に譲るため


なるべく無傷で倒そうとしてくれた居たらしい。


(流石、ヒーローに変身できるだけあって良い人達だ)


と思う俺と三毛猫オトアだった。













 水を飲み終え、水筒を小槌に仕舞、ついでにスカイバリ


アンのミニガンの弾を補充する。


このミニガンの弾1セット1500発もある。


って言っても、1秒に50発も撃てるので、30秒も撃ち


続けると弾切れになってしまうんだけどね。


弾を補充した後、スカイバリアンを一旦小槌に仕舞、ついでに


デーモンアポリソマザウルスの死骸を仕舞おうとした時だった。


\ピキピキピキ/


\\バリバリバリ//


\\\ドッス~ン///


\\ガラガラガラ//


天井が崩れ落ちてくる。


 とっさに、ニム・アノル博士とルフーン・アノルさんは、


自身で魔法を発動させ、バリアを張る。


 俺は、側に居た三毛猫オトアがしっかりとバリアを


張り俺を守ってくれた。













 天井が崩れ、あたり一面落ちてきた岩だらけ。


 せっかくルフーン・アノルさんが原型を止めてくれたアポリ


ソマザウルスの死骸も粉々で、しかも大きな岩の下敷きになっ


ていた。


(あーあ、7億が……)


って俺が思った時だった。



\ピキピキ/


【デーモンミノタウロス】


HP    1,000+180


MP       560+ 60


運動性 90+ 90


攻撃力   700+140


防御力  950+ 80


命中      90+ 5


回避 70+ 10


×10


≪攻撃≫

 怪力+バトルアックス(両刃の大斧)


+魔法攻撃



【デーモンメネア】(悪魔ライオン)


HP    1,200+180


MP      580+ 60


運動性 120+ 90


攻撃力   1,350+140


防御力   1,000+ 80


命中      80+ 5


回避 70+ 10


×1


≪攻撃≫

 噛みつき+魔法


≪防御≫

 

 鉄の皮膚と筋肉による防御



【デーモンヒュドラ】



HP    9,000+180


MP     800+ 60


運動性 300+ 90


攻撃力   4,500+140


防御力  5,000+ 80


命中      57+ 5


回避 35+ 10


×1


≪攻撃≫

 噛みつき+毒+魔法


≪防御≫

  

 中央本体の首のみ魔法攻撃無効

 

 +超再生





【バンバデイダラー】


HP   50,000+2,000


MP    1,200+1,000


運動性 600+ 600


攻撃力   7,000+2,000


防御力  8,000+ 800


命中      65+ 30


回避 52+ 20


×1


0


≪攻撃≫

 怪力+口から麻痺吐息+目から石化光線 


≪防御≫


  超速再生



 これに、ベビルデーモン2体。


1人は、ギリシャ風の男でヘラクレスぽい。


もう1人は、クレオパトラ風の女性。


で、エードラム様の補足説明によると……。


【デーモンミノタウロス】は、身長2.3mのミノタウロスと


言う頭が牛で体が人間の魔物にレッサーデーモンが憑依した


魔物で、胸にある山羊の顔に悪魔核があるそうだ。


 次に、【デーモンメネア】(悪魔ライオン)は、体長4m


のメネアと言うライオンに似た魔物にレッサーデーモンが、


憑依した魔物で、ここから確認できないが、腹に山羊の顔が


あり、デーモンミノタウロス同様そこに悪魔核があるらしい。

【デーモンヒュドラ】は、体長25mで、9つも首を持つ、


ヒュドラと言う魔物にレッサーデーモンが、憑依した魔物で、


そののど元にある山羊の顔に同じく悪魔核があるとのことだ。


で、


最後に真っ黒な巨人【バンバデイダラー】なんだけど、100年


前にクリスタルマン達にバラバラにされ、封印されたデイダラー


と言う身長120m巨人だったんだけど、なぜかそれにアーク


デーモンである悪魔男爵バンバが憑依した姿、前回、クリスタ


ルマン兄弟5人でやっと封印出来た巨人にアークデーモンが加


わっているので、かなりヤバイっておっしゃってる。


 バンバと一体化したバンバデイダラーが、俺達を見て言う。


「ほう、なるほど……クリスタルマンにクリスタルマンサファ


イアも居るのか、丁度良い100年前の恨み晴らさせてもらう


ぞ!」


 その言葉に、ニム・アノル博士が言う。


「どうだろう、やってみるかバンバ!」


そして、側に居たルフーン・アノルさんに、


「手加減なしだルフーン、本気で行くぞ!」


と声を掛け、声を掛けられたルフーン・アノルさんも


それに頷き、


「はい」と答える。


そして、ニム・アノル博士は、紺色のスーツの内ポケットから


クリスタルで出来たスティックを取り出すと、それを掲げた瞬間。


\ピカッ/


とスティックが光ったと思ったら、次の瞬間ニム・アノル博士は


光に包まれ……。


\ディユーン/


身長40mの巨人へと変身する。


それと、ほぼ同時に、ルフーン・アノルさんは、両手の人差し指


に着けている指輪を胸の前で合わせると……。


\ピカッ/


と指輪が光、同時にルフーン・アノルさん同時に光に包まれ、


\ディユーン/


とニム・アノル博士同様に身長40mの巨人へと変身する。


クリスタルマン(ニム博士)は、バンバデイダラーを相手に、


クリスタルマンサファイア(ルフーンさん)は、デーモン


ヒュドラと、デーモンメネアにギリシャ風の男のベビル


デーモンを相手に戦いを始めるのだった。












ってことは、俺の相手は、クレオパトラ風の女のベビル


デーモンとデーモンミノタウロス10体……。


 デーモンミノタウロスはパワータイプの魔物、体力が


回復しきっていない今の俺では、力負けすると思い。


赤着せきちゃく!」


俺は、変身ポーズをとり、べルトバックルに取りつけた、


楕円の金属板が光る。


と同時に俺の体が赤い光に包まれ、俺は、赤いコンバット


スーツ姿になるとすぐに、三毛猫オトアベルトのバックル


部分に飛び込む。


「フェードイン~w」


\ピカ/


と一瞬俺の体が光った。


そして、


「宇宙シェリフバルバン!」


とポーズを決め、すぐさま、左太ももの装甲版を開け、


手を入れ小槌を取り出すと、


「スカイバリア~ン!」


と叫び小槌からスカイバリアンを出すと同時に小槌を


仕舞いながら、スカイバリアンに飛び乗り、すぐさま


空中へと舞い上がる。


 すでに、デーモンミノタウロスは、俺目掛け、バトル


アックス(両刃大斧)を振りかざし、迫って来ていたが、


俺が、空中へと舞い上が方が少し早かった。


\ガッチーン/


と1体のデーモンミノタウロスが俺が居た場所にバトル


アックス(両刃大斧)を撃ち込むが、奴のバトルアック


ス(両刃大斧)は、俺を捉えることなく空を切り地面を


叩き割った。


「ふぅ~、間一髪」


俺は、胸を撫でおろすのだった。


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