57話 ミニガン





「えっ、何で!?」


『えっ、どうして!?』


俺とオトアは、ニム・アノル博士と料理人のルフーン・アノル


さんの2人を見て驚き、ニム・アノル博士と料理人のルフーン


・アノルさんに聞いた。


すると2人はそろって言う。


「「エードラム様に召喚されたからだよw」」


『えっ、召喚ってどいう言事ですか?』


とヘルメット内の右モニターに映るオトアが聞く。


当然これは、メット内の左モニターに映るエードラム様に対


して、オトアが質問したのだが、なぜかエードラム様に代わ


り、ニム・アノル博士が答えた。


「それは、私達が光の精霊エードラム様の加護を受けてるから


ですよw」


と答えた。


「えっ、何で博士が……ってより、どうして僕のヘルメット内


の会話がわかるんですか?」


と俺がニム・アノル博士に聞くと、博士だけでなく、料理人の


ルフーン・アノルさんと2人は声を合わせて俺に言う。


「「それは、2人とも光の精霊エードラム様の加護を受けてる


からだよw」


「『えっ!?』」


その言葉に、俺とオトアはますます頭が混乱するのだった。












 頭が混乱する俺とオトアに、エードラム様ではなく、ニム


・アノル博士が代わりに説明してくれた。


 因みに何故、エードラム様が直接説明しないかって言うと、


単に説明が下手だからだそうだ。


で、


まず、悪魔男爵バンバが転送阻害魔法を掛けているにも関わ


らず、エードラム様が2人を召喚できたか?については、


要は、悪魔男爵バンバがこのフィールドに掛けた転送阻害


魔法は、主に俺達をここから外に出さないことを主にイメ


ージされ掛けられているので、外からここに誰かを転移


もしくは召喚することが想定されていなかった……って


事らしい、そのことを早くにエードラム様は気づいていた


のだが、それを俺やオトアに説明していなかったってこと


らしい。


で、次になぜ召喚したのが、古代文明研究所所長ニム・


アノル博士と料理人のルフーン・アノルさんだったかに


ついては、まず2人の素性から説明しなくてはならない。


 実は、古代文明研究所所長ニム・アノル博士と料理人


のルフーン・アノルさんは、元々アルセダイン王国(エ


ルフの国)の現国王の息子、つまり王子と言う訳だが、


代々アルセダイン王国の王族の人々は、生まれるとす


ぐ、光の精霊エードラム様の御加護をいただくそうだ。


つまり、2人とも生まれてすぐに光の精霊エードラム


様の御加護を受けているってことだ。


 エードラム様の御加護を受けているものは、エード


ラム様と魂の回廊でつながっているので、エードラム


様としても、加護を与えていない者よりも与えている


2人の方が召喚しやすかったって事なのだが……。


 しかし、それでも一見、戦闘力のなさそうな2人を


何故、ここに召喚したのかって言うと、この2人実は、


転生者。


 まあ、俺もうすうすは転生者じゃないかとは思って


いたけど……。


そして彼らの使うブランチはと言うと、ニム・アノル


博士が、クリスタルマンで、料理人のルフーン・アノ


ルさんが、クリスタルマンサファイアだったのだ。


 そう、この2人実は、聖クリスタル国の国主と言う


かクリスタル教の生き神様である。


ニム・アノル博士と料理人のルフーン・アノルさんの


正体が、クリスタルマンとクリスタルマンサファイア


だったとは驚きだが、でも、エードラム様の召喚の


人選には納得する俺とオトアだった。













 エードラム様が作戦を立てる。


『テンタ君スカイバリアンだっけ?……出してw』


とヘルメット内の左モニターに映るエードラム様が、


俺に指示するが、


「じゃ、一旦リーバースしないと……」


と俺が言うと、


『あっ、えーとリバースしなくても出せるから』


ってエードラム様が言うが……。


「いや、出せないですよ、小槌はジャケットの


ポケットの中ですから」


と言うと、


『いやいや、出せるから……左の太腿の装甲版


開けてみぃ』


と再び俺に言うが……。


(いや、右にはビームガンが収まっているが、


そもそも、左の装甲版なんて開くようになって


ないと思うけどな……)


って思っていいたら、


”ニーン”


ってモーター音がして、左の太腿の装甲版が


開いた。


「えっ!?」


驚く俺をしり目に、エードラム様が言う。


『取り出したいものをイメージして手を入れて


ごらんw』


「あっ、はい」


俺は恐る恐る小槌をイメージして左手を入れてみた。


「んっ?」


何もないはずの左太腿装甲版内に入れた。


(んっ?)


手にあたる物がある。


出してみると……小槌だった。


俺が出した小槌を不思議そうに見ていると、


『ちょ~と私が細工したの、ウフッw』


って言われた。


(んっ?っつーことは)


「だったら、この姿のまま銃(S&WM629)や


手裏剣も出せるって事ですか?」


と俺は、ヘルメット内の左モニターに映るエード


ラム様に聞くと、


『そうよんw』


と軽く返されてしまった。


(ったく勝手なことを……)


とは思ったが、


(まぁ、便利なんだしいいかw)


と思い直し、何も言わないでおいた。













「スカイバリア~ン!」


と俺が叫びながら小槌を振ると、


\ボワッ/


とスカイバリアンが出てきた。


俺は小槌を左太腿装甲版内にしまうと、スカイバリアンに跨


った。


すると、ヘルメット内の左モニターに映るエードラム様が、


『ニム、ルフーン先に行って待機ねw』


と恐らくニム・アノル博士と料理人のルフーン・アノルさん


に言ったのだろうが……。


(いやいや、エードラム様、外にいる二人には聞こえ……)


っと俺が思った瞬間、ニム・アノル博士と料理人のルフーン


・アノルさんが、俺(おそらく中のエードラム様)に向って、


「「はい」」


と返事した。


ニム・アノル博士と料理人のルフーン・アノルさんは、俺に


先行して階段を登って行く。


 2人は上の階のフロア前で一旦待機、俺がこのままスカイ


バリアンで一気に階段を登ると同時に上の階のフロアに飛び


出す。


そして、そのまま上に居る悪魔や魔獣達を攪乱している間に


ニム・アノル博士と料理人のルフーン・アノルさんが変身し、


一気にフロアを制圧しようと言う作戦だ。


 しばらくすると、ニム・アノル博士と料理人のルフーン・


アノルさんから、エードラム様に合図が来たのか、


『ニム、ルフーンの準備が出来たようだわ、さぁ乗り込みま


しょう』


とヘルメット内の左モニターに映るエードラム様が、俺に


言うので、俺はスカイバリアンを空中に浮かせると、猛ス


ピードで、階段を上がって行き、そのままの勢いで、上の


フロアに突っ込んでいくのだった。














\\ズバーン//


猛スピードのスカイバリアンで、上のフロアに飛び込む俺。


そのまま、フロアの天井部に一気に飛び上がる。


「何っ!」


「なんなの!?」


階段部分から、一気にこのフロアに飛び込んだ俺を振り返り


見る中国の皇帝風の男とマリーアントアネット風の女。


おそらく、この2人がベビルデーモン級の悪魔だろう。


 このフロアは、この下のフロアの3倍くらいあろうか、


フロアの高さも60mくらいはあるようだ。


\ピキピキ/



【デーモンドラキュラ】 


HP     650+180


MP      350+ 60


運動性   90+ 90


攻撃力   700+140


防御力   750+ 80


命中      90+ 5


回避 75+ 10


×10


≪攻撃≫ブラットアロー


血を固めた矢を放ってくる。





【デーモンアポリソマザウルス】


HP    8500+180


MP     700+ 60


運動性 250+ 90


攻撃力   3000+140


防御力  1000+ 80


命中      60+ 5


回避 45+ 10


×10


≪攻撃≫


噛みつき、口から炎を吐く。




 まず、マリーアントアネット風の女の側には、頭が山羊で体が


ドラキュラの魔物が10体。


次いで、中国の皇帝風の男の後方に化石のチラのサウルスぽい


骨だけの大きな魔獣が10体いる。


そのうち、頭が山羊で体がドラキュラの魔物デーモンドラキュ


ラ10体がすぐさまマントをひるがえし、すぐさま俺の方に


飛んできた。


そこへ、ニム・アノル博士とルフーン・アノルさんがこのフロ


アに入って来た。


 ニム・アノル博士はこのフロアに入るや否や、すぐさま紺色の


スーツの内ポケットからクリスタルで出来たスティックを取り出


すと、それを掲げた瞬間。



\ピカッ/


とスティックが光ったと思ったら、次の瞬間ニム・アノル博士は


光に包まれ……。


\ディユーン/


身長40mの巨人へと変身する。


それと、ほぼ同時に、ルフーン・アノルさんは、両手の人差し指


に着けている指輪を胸の前で合わせると……。



\ピカッ/


と指輪が光、同時にルフーン・アノルさん同時に光に包まれ、


\ディユーン/


とニム・アノル博士同様に身長40mの巨人へと変身する。


 因みに、ニム・アノル博士が変身したクリスタルマンは、


顔が銀色で体がクリスタル。


で、ルフーン・アノルさんが変身したクリスタルマンサ


ファイアは、顔が銀色で体がサファイアだ。


 それは、ともかく、下に居る中国の皇帝風の男とマリー


アントアネット風の女のベビルデーモンと体長20mの


デーモンアポリソマザウルス10体の相手は、クリスタル


マンとクリスタルマンサファイアに任せるとして、俺は


目の前に居るデーモンドラキュラを迎え撃つ。













 俺は乗っているスカイバリアンのフロント部分を左右に


開き、中にあるミニガンを露出させる。


このミニガンは、1秒間に50発も弾を連射できる銃だ。


これは、俺が対峙するデーモンドラキュラはの元のドラ


キュラの退治の仕方として、胸にある2つの心臓を同時


に潰さないと死なないとう言うことに加え、レッサーデ


ーモンが憑依したことにより、それに加え胸の真ん中の


悪魔核も同時に潰さなければならないからだ。


”ピシュ”、”ピシュ”、”ピシュ”、”ピシュ”


血液を凝固させた矢を一斉に俺に撃ってくるデーモン


ドラキュラの攻撃を華麗にかわす俺。


「じゃ、これはお返しだ」


と言いながら、スカイバリアンに備え付けられたミニガ


ンを発砲する。


”キュイーンキュルキュルキュル”


\\バリバリバリバリ//


そして、お互いが空中ですれ違う。


\\グァァァッ//


俺の攻撃で、10体のデーモンドラキュラのうち4体


を倒した。


残り6体。


俺はすぐさま踵を返し、再び空中を飛ぶ6体のデーモ


ンドラキュラ達に立ち向かう。


6体のデーモンドラキュラは、俺と同じように踵を返


し、俺の方に向かってきた。


”ピシュ”、”ピシュ”、”ピシュ”、”ピシュ”


と再びデーモンドラキュラの血液を凝固させた矢の攻


撃。


\カン/、\カン/、\カン/、\カン/


その攻撃を今度はオトアが張ったバリアーで跳ね返す


と同時に、


”キュイーンキュルキュルキュル”


\\バリバリバリバリ//


ミニガンを発砲するが、今度はそれを”サー”と回避


するデーモンドラキュラが4体いたが、避けるのが遅


れた2体のデーモンドラキュラが、ミニガンの餌食に


なった。


\\グァァァッ//


これで後4体。


 再度、その4体にミニガンを発砲する。


”キュイーンキュルキュルキュル”


\\バリバリバリバリ//


 しかし、デーモンドラキュラは、このミニガンが発


射前に少しの間、銃身回転によるスピンアップ(空回


り)することを少しは学習したのか、すぐさま回避す


る。


 そして、俺の乗るスカイバリアンに対して、正面で


は無く、後ろから迫って来るデーモンドラキュラが3


体に俺の右側から襲ってくるデーモンドラキュラが1


体いた。


(ヤバイ)


と俺が思った瞬間。


”ピー”


と下からビームが俺を目掛けて放たれる。


俺は咄嗟に、スカイバリアンを左回りでロールさせ


その光線を回避すると、


\\グァァァッ//


俺の右側から襲おうとしていたデーモンドラキュラ


に命中する。


そこ光線が命中したデーモンドラキュラは、


\パキパキパキ/


と瞬時に凍り付き、そのまま落下し、地面で


\パッキーン/


と粉々に砕けた。


俺が下を見ると、マリーアントアネット風の女が、


「ちぇっ」


と舌打ちしていた。


それを見た俺のヘルメット内の左モニターに映る


エードラム様が、下に居るクリスタルマン(ニム


・アノル博士)に向かって激を飛ばす。


『ベビルデーモンの相手は、ニムとルフーンが、


しっかり相手してくれないと!』


その言葉に、1体のデーモンアポリソマザウルス


の脳天にチョップを決めるクリスタルマン(ニム


・アノル博士)と、別のデーモンアポリソマザウ


ルスにキックを決めるクリスタルマンサファイア


(ルフーン・アノルさん)が、


「「すいません」」


と謝り、クリスタルマン(ニム・アノル博士)が


すぐさま、手から楔形の光線(クリスタルスライ


ス)をマリーアントアネット風の女に向け放つが、


その光線をマリーアントアネット風の女は、バリア


を張りそれを跳ね返した。


その様子に、取り合えず納得したのか、ヘルメット


内の左モニターに映るエードラム様が、


『取り合えずよし』


と言った後、俺に向かって。


『テンタ君、集中、集中よ』


って言って俺を目の前のデーモンドラキュラに集中


するように促すのだった。














『テンタ君、リフレクターソーサーよ』


と俺のヘルメット内の右モニターに映るオトアが


言う。


その言葉に俺は、


「わかった」


と返事をし、


「リフレクターソーサー!」


と叫んで背中のスリットから2枚の円盤を射出する。


\プシュン/、\プシュン/


「オトア、コントロールを頼む」


『OKw』


俺は、リフレクターソーサーのコントロールをオトア


に任せた。


そして、前方に浮かぶリフレクターソーサーに向け、


スカイバリアンのミニガンを発砲した。


”キュイーンキュルキュルキュル”


\\バリバリバリバリ//


するとオトアが前方のリフレクターソーサーの角度を


変える。


\\カンカンカンカン//


すると、リフレクターソーサーに跳ね返された弾が、


俺の右斜め前方に浮かぶデーモンドラキュラを捉える。


\\グァァァッ//


ミニガンの弾を受けハチの巣になったデーモンドラキ


ュラが地面へと落ちて行った。


\ドサ/


(残り2体だな)


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