28話 SSフィールドでの攻防




------(第三者視点)------☆





「SSフィールド《スペースシェリフシールド》展開!」


とバルジャン《トム》が、叫ぶと同時に、自身と悪特隊の3名と、


ロボットデカ・D《ディ》(ロッド)にタッキー《ケヴィン》と


ユウジン《コラット》、ガンボー《カイゼル》の8名と悪魔人間


達10体をSSフィールド《スペースシェリフシールド》に取り


込んだ。


 突然、あたりの景色が変わり、うろたえる悪魔人間達8体に、


急に詰めようとしていたお金が消えて、混乱する悪魔人間が2体。


 まず、元々店のカウンター前に居た悪魔人間8体に向け、


ガンボー《ガイゼル》が、自身のブランチスキル『激怒』を使い、


自身の頭上に2本の無反動砲「AT4」を浮かべ、次いでM134


ミニガンを自身の左右に配置した。


 本来、ガンボー《ガイゼル》のブランチスキル『激怒』は、


自身の周りに、映画「ガンボー」に出てきた重火器を360度


配置し、自身の周り半径10メートルの範囲内にいる敵にダメ


ージを与える能力なのだが、今回はそれを応用して、自身の


頭上と左右にだけ武器を配置したのだった。


\\ボッシュ//、\\ボッシュ//


ガンボー《ガイゼル》の2本の無反動砲「AT4」が火を噴く


と同時に左右のM134ミニガンも火を噴く。


”キュイーン”


\\バリバリバリ//


 突然、ガンボー《ガイゼル》の攻撃を受け、紫の闘気を放ち


攻撃を防ごうとする8体の悪魔人間達。


 しかし、あまりに激しい攻撃を受け、8体の悪魔人間達は


数十メートル吹っ飛んだ。


 その隙に、タッキー《ケヴィン》とユウジン《コラット》


が、8体の悪魔人間と離れた位置に居た悪魔人間2体と距離


を詰める。


そして、タッキー《ケヴィン》は自身の銃であるガバメント


・カスタムを抜き、ユウジン《コラット》はコルト・キング


コブラ2.5インチを抜き、


\\バキュン//、\\バキュン//、\\バキュン//、


\\バキュン//


と2体の悪魔人間に目掛け発砲する。


 しかし、2体の悪魔人間達は、それを紫の闘気で跳ね返し


た。


\カン/、\カン/、\カン/、\カン/


ユウジン《コラット》は、自身のブランチスキル『攪乱』を


発動する。


すると、口から火を噴きながら、


\ボー/


腰のカットラス(短剣)を抜き襲い掛かる悪魔人間2体は、


ユウジン《コラット》とタッキー《ケヴィン》が居る場所


ではない場所を攻撃しだした。


それを見たタッキー《ケヴィン》が言う。


「今だ!」


自身のブランチスキル『ウイークポイント』を発動する。


タッキー《ケヴィン》の目が光ると、2体の悪魔核の位置


が見えた。


そして、腰の後ろから※MPD弾入りのS&W M49ボ


ディガードを抜き、


\\バン//


と撃った。


※相手の体内の魔力を外に放出する効果のある黒い弾丸。


それを見て、ユウジン《コラット》も、もう一体の悪魔


人間のタッキー《ケヴィン》が撃った同じ位置に、持って


いたダーツの矢を放った。


ダーツの矢は、悪魔人間に刺さると同時に針を飛ばし体内


深くの悪魔核を突く。


\プチッ/


タッキー《ケヴィン》とユウジン《コラット》に悪魔核を


撃ち抜かれた2体の悪魔人間は、


撃ち抜かれた胸のあたりから、紫色の光の粒子が噴


き出し、つづいて、目、鼻、口、耳から黒い煙を吐き出し


……膝を”ガク”と折り、崩れ落ちるようにその場に倒


れた。


 そして、しばらくすると元の人間の姿へと変わった。












 そのころ、吹き飛ばされた8体のうち一番左の倒れこんで


いる1体の悪魔人間目掛け、悪特隊の3名(ドルフキャップ、


フォルン隊員、グラン隊員)が、持っている魔法の杖の先を


重ね、


「「「トリプルショット!」」」


3人で声を合わせ稲妻のような光線を放った。


\\ビリイビリビリ~//


その光線が、起き上がろうとしている悪魔人間に見事命中


する。


光線が命中した胸のあたりから、紫色の光の粒子が噴き出し、


つづいて、目、鼻、口、耳から黒い煙を吐き出し……


そして、膝を”ガク”と折り、崩れ落ちるようにその場に倒


れた。


 しばらくするとタッキー《ケヴィン》とユウジン《コラット》


に倒された悪魔人間同様、元の人間の姿へと変わった。


一方、ロボットデカ・D《ディ》(ロッド)は、悪特隊の3名


が攻撃していた悪魔人間の隣に居た2体の悪魔人間の相手をして


いた。


「ミサイルアーム!」


右腕を突き出すと手が上に跳ねあがり腕の中のミサイルを撃つ。


”ボシュ”


それを見た悪魔人間2体は、攻撃を避けようと背中の翼を広げ、


その場を飛びたち、ミサイルを避けた。


\\ドッカーン//


しかし、飛び上がった悪魔人間2体に向け、ロボットデカ・


D《ディ》(ロッド)は、額の装甲版を開き、


「3連装速射破壊銃!」


額にある3つの銃口から弾丸を連射する。


\\バリバリバリ//


飛び上がった悪魔人間2体は、間抜けにもそれを防ごうと背中


の羽で自身の体を覆った。


 当然、2体の悪魔人間達は、地面に向かって墜落する。


”ヒュ~ン”


\\ドスン//


それを、冷静に見たロボットデカ・D《ディ》(ロッド)は、


「ネットアーム!」


\シュポッ/


今度は、左腕を突き出すと手が上に跳ねあがり腕の中網が飛


び出す。


2体の悪魔人間達は、ロボットデカ・D《ディ》(ロッド)


の撃ちだした網にからめとられ、必死にもがくが……。


どんどん魔力が外に漏れだしていった。


 そう、この網は、先ほどガンボー《ガイゼル》が用意した


仕組みはMPD弾と同じの※黒い網だった。


※黒い網は、MPD弾と同じく、相手の体内の魔力を外に放出


する効果のある。 


 但し、網が触れている部分からなので時間がかかる。


ロボットデカ・D《ディ》(ロッド)は、先ほどのガンボー


《ガイゼル》が言っていた「時間がかかる」と言うことを


聞いていたので、油断なく、2体の悪魔人間達を観察するの


だった。













 そのロボットデカ・D《ディ》(ロッド)の近くでは、ガンボー


《ガイゼル》が、2体の悪魔人間達を相手取り戦っていた。


先ほど同様、ブランチスキル『激怒』を応用して、自身の左右に


M60機関銃を上下の配置し、2体の悪魔人間達に射撃する。


\\ボン//、\\ボン//、\\ボン//\\ボン//


ガンボー(ガイゼル)に攻撃された2体の悪魔人間のうち1体は、


背中の羽で自身を覆い、防御し、残りの1体は羽を広げ、空中へ


逃げる。

 

 ガンボー《ガイゼル》は、空中に逃げる1体に目掛け、持って


いた弓に、背中の矢筒から※黒い矢を取り出し弓につがえると、


\パシュ/


っと放った。


※黒い矢はMPD弾と同じく、相手の体内の魔力を外に放出する


 効果のある。


ガンボー《ガイゼル》の放った矢は、見事、悪魔人間の胸にある


悪魔核を捉えた。


\ズボッ/


 胸を撃ち抜かれた悪魔人間はそのまま地面に落下。


\\ドスン//


矢が命中した胸のあたりから、紫色の光の粒子が噴き出し、


つづいて、目、鼻、口、耳から黒い煙を吐き出し……。


やがて、地面で元の人間の姿へと戻る。


 残る1体は、覆っていた羽を広げ、口から火を噴きガンボー


《ガイゼル》に反撃を試みるが、ガンボー《ガイゼル》はその


悪魔人間の攻撃を右に地面を転がる形で回避し、前もって用意し、


左腿に装備していた※黒い刃のサバイバルナイフを、悪魔人間の


胸目掛け投げる。


※黒い刃のサバイバルナイフは、MPD弾と同じく、相手の体内


 の魔力を外に放出する効果のある。


\シュッ/


\ズボッ/


見事、悪魔人間の胸に命中する。


\グエー/


と悲鳴を上げ悪魔人間はナイフが命中した胸のあたりから、


紫色の光の粒子が噴き出し、つづいて、目、鼻、口、耳から


黒い煙を吐き出し……。


ガクっと膝をついて倒れる。


やがて、地面で元の人間の姿へと戻った。













「バーバリアンレーザー!」


”ビシュー”


エアーバイクから、光線を放つバルジャン《トム》。


 そのころ、空中ではバルジャン《トム》が自身のエアーバイク、


バーバリアンに乗って、3体の悪魔人間達と戦っていた。


「シルバーバスター!」


”ビシュー”


バルジャン《トム》が、ビームガン(光線銃)を放つ。


だが、3体の悪魔人間達は、右に左と逃げ回りバルジャン


《トム》の攻撃がなかなか当たらない。


「ミサイルアーム!」


\ボシュ/


下から、ロボットデカ・D《ディ》(ロッド)が1体の悪魔


人間の背中に攻撃する。


\\ドカン//


ミサイルが命中した悪魔人間は一瞬のけ反った……。


ところを、


「シルバーバスター!」


”ビシュー”


\ズキュン/


バルジャン《トム》が、ビームガン(光線銃)で胸を撃ち抜く。


\グエー/


胸を撃ち抜かれた悪魔人間はそのまま地面に落下。


\\ドスン//


ビームが命中した胸のあたりから、紫色の光の粒子が噴き出し、


つづいて、目、鼻、口、耳から黒い煙を吐き出し……。


やがて、地面で元の人間の姿へと戻る。


 バルジャン《トム》は、片手で軽く、下に居るロボットデカ


・D《ディ》(ロッド)に敬礼をすると、ロボットデカ・D《ディ》


(ロッド)も上に居る バルジャン《トム》に軽く片手で敬礼を


返した。


「残り2体」


そう言い残し、残りの2体の悪魔人間を追うバルジャン《トム》。













\\バキュン//、\\バキュン//、\\バキュン//


、\\バキュン//


\\ピカッ//、\\ドーン//


下から攻撃を受け、その攻撃相手に向かって、稲妻を落とす


1体の悪魔人間が居た。


 バルジャン(トム)がよく見ると、悪魔人間を下から攻撃して


いるのは、タッキー《ケヴィン》とユウジン《コラット》だった。


 先ほど、タッキー《ケヴィン》とユウジン《コラット》に向け


撃たれた稲妻は、タッキー《ケヴィン》とユウジン《コラット》が


居る場所とは、かけ放たれたところに落ちている。


(はぁは~んユウジン《コラット》が『攪乱』使っているのか)


バルジャン《トム》はそう思い、2人の援護に入る。


「バーバリアンレーザー!」


”ビシュー”


バルジャン《トム》が乗るエアーバイクから、ビームを撃った。


\ズキュン/


\グエー/


バルジャン《トム》が乗るエアーバイクから、発射されたビーム


は、悪魔人間の背中に命中し、悪魔人間は一瞬のけ反った瞬間、


下に居たタッキー《ケヴィン》が、自身のブランチスキル『ウイー


クポイント』を発動させ、素早く腰の後ろから、MPD弾入りの


S&W M49ボディガード抜き撃った。


\バン/


\グエー/


MPD弾が命中した悪魔人間は、そのまま地面に落下。


\\ドスン//


弾が命中した胸のあたりから、紫色の光の粒子が噴き出し、


つづいて、目、鼻、口、耳から黒い煙を吐き出し……。


やがて、地面で元の人間の姿へと戻る。


下に居るタッキー《ケヴィン》が、空中に居るバルジャン《トム》


に片手で軽く敬礼をすると、バルジャン《トム》も片手で敬礼を


返した。












\\バリバリバリ//


 悪魔人間の稲妻攻撃をバリアーを張り必死に耐える


悪特隊のドルフキャップ、フォルン隊員、グラン隊員。


\\バキバキバキ//


悪魔人間の稲妻攻撃を何度も受け3人が張るバリアーに


ヒビが入りだした。


「キャップ!もう持ちません!」


と必死の形相で、ドルフキャップに訴えるフォルン隊員。


「……」


そのフォルン隊員に対し、ドルフキャップは答える言葉が、


なかった。


その時である。


「チョー!」


バルジャン《トム》が、空中のエアーバイクから3人の


悪特隊員を攻撃する悪魔人間目掛け、空中ダイブする。


「スパイラルボンバー!」


”シュルシュルシュル”


空中から落下しながら、スクリューのように回転し、


そして悪魔人間の頭にパンチを入れる。


\\バコッ~ン//


強烈なバルジャン《トム》のパンチを頭に喰らった悪魔


人間は、悲鳴のような声を上げ、ふらついていた。


そこですぐさま、右の腰の装甲を開き、ライトソードを出し、


光の刃先を形成する。


そして、ふらつく悪魔人間の懐に飛び込むと、そのままライト


ソードを悪魔人間の胸に突き立てた。


\\ズボッ//


\グエー/


と悲鳴を上げ悪魔人間は光の刃先が命中した胸のあたりから、


紫色の光の粒子が噴き出し、つづいて、目、鼻、口、耳から


黒い煙を吐き出し……。


ガクっと膝をついて倒れる。


やがて、地面で元の人間の姿へと戻った。


「ふぅ、終わったな」


と一息つく、バルジャン《トム》だった。












 バルジャン《トム》達が、SSフィールド《スペース


シェリフシールド》戦闘を行っている間に、ミスティー


ハニー《ローラ》と、刑事コンボ《ダナウェイ》と、制服


警官達で、人質は無事解放され、悪魔に殺された冒険者の


遺体も、冒険者ギルド協会へと、移送された。


「じゃ、俺達はこれで」


と トムが、ダナウェイ刑事課長に言うと、


「うちの犬力車(人力車)で送るよw」


とダナウェイ刑事課長が言うので、


「せっかくだから、送ってもらおうかガイゼル」


「ああ、」


トムの言葉にガイゼルが同意し、警察の用意した、


犬力車(人力車)に2人が乗ろうとした時だった。


 突然、シェリーから念話が入る。


≪やっとつながった……≫


その言葉に、トムが、


≪やっとってどういうことだ?シェリー≫


とに聞き直すと、


≪もう、さっきからずーと念話で呼びかけてたんだ


から!≫


とプンプンのシェリー。


そのシェリーに、


≪SSフィールドの中と外は次元が違うから、


念話も無線もつながらないって、お前、知ってる


だろう≫


と少し呆れた感じで言うトム。


に対し、シェリーは言う。


≪だって、私はお父さんがSSフィールド張って


るって知らないもの≫


と少々膨れて言うシェリー。


その声を聴いて、父親の弱みなのか、シェリーを


なだめる様に≪わかった、わかった、言ってない


俺が悪かったよシェリー≫


と謝るトムに


≪あっ、そんなことより大変なのよ、お父さん!≫


急に用事を思い出したようにシェリーが、トムに、


≪大変なのよお父さん、テンタ君とオトアちゃんが、


行方不明になったのよ!≫


と言うと、トムが驚き言う。


≪なんだって―――――ぇ!≫


と念話で叫び、


乗りかけた犬力車(人力車)から、降り慌てて、


「銀着!」


と叫び、ブランチ姿になると、


「バーバリアン~!」


とエアーバイクを召喚し、


「ガイゼル!急いで後ろに乗れ!」


とガイゼルに言う。


言われたガイゼルが、慌てるトムを不思議そう


に思い尋ねる。


「どうしたトム」


そのガイゼルの問いにトムは、


「いいから、早く!」


と急かし言うので、仕方なくガイゼルはバーバリ


アン(エアーバイク)のトムの後ろにまたがった


……いなや、


”キュイーン”


足早に、飛んで行くのだった。


それを見たタッキー《ケヴィン》が言う。


「何慌ててんだトムは?」


と言いながら、飛んで行くバルジャン《トム》達を


見送るのだった。



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