27話 エメラルド柱登場!



------(第三者視点)------☆



「「「「「えぇ――――――っ!」」」」」


全員が驚く中、一人の青年(20歳くらい)が入って来た。


 突然、入って来たエメラルドグリーン色のブルゾンに白の


Tシャツジーパン姿で、ボンサック(筒状のカバン)を肩に


背負った緑髪のハイエルフの青年を見たミスティーハニー《ローラ》


が声を掛ける。


「あの~、ここは関係者以外立ち入り禁止ですよ」


その言葉に、一同その青年を見ると、悪特隊ドルフキャップが、


「ああ、はし……」


と言いかけたが、その青年に”シー”って人差し指を口にあて


言われると……。


「あっ、うん……この人はうちの(悪特隊)の関係者……いや、


協力者なんだ」


としどろもどろにミスティーハニー《ローラ》に答える。


「関係者?……協力者?って、どういう」


と刑事コンボ《ダナウェイ》の問いに、


「あ―うー……」


と答えに困っていると、


「そんなことより、ベビルデーモン級の悪魔が出たんだろう?


こっちは、こっちで悪魔人間10体、なら、俺がベビルデーモン


級を何とかするから、悪魔人間10体は君達で何とかしてくれ」


と言いながら、肩に担いでいたボンサック(筒状のカバン)を


悪特隊ドルフキャップに手渡し、出て行こうとする。


 出て行こうとするハイエルフの青年に向かってロボットデカ・


D《ディ》(ロッド)が、声を掛ける。


「ちょ、ちょっと待ってください、一般人の、しかも、転生者


でもないあなたが、ベビルデーモン級の悪魔にかなう訳ありま


せんよ」


その言葉に青年は振り返り、ロボットデカ・D《ディ》(ロッド)


に向かい言う。


「俺は、一般人でもないし……それに転生者だ……それも悪魔


退治の専門家でもある」


と言い残し、対策本部にしていた喫茶店を出ると、


「永久と無限をたゆたいし 全ての心の源よ 我に従い我を光の


ごとく彼の地に連れて行け ルーラー」


と魔法の呪文を唱え、光となって飛んで行った。


その様子を黙っていていたユウジン《コラット》が、悪特隊メンバー


に聞く。


「いったい、何者なんだ?」


その問いに悪特隊のドルフキャップは、


「いや、その……」


口ごもるドルフキャップに変わり、フォルン隊員が代わりに答える。


「あのお方は柱ですよ」


「柱?……」


ユウジン(コラット)が聞き直すと、


「ええ、柱……エメラルド柱」


とユウジン《コラット》に答えるフォルン隊員に、


「えっ、あれがクリスタルマンエメラルドか!」


と驚く刑事コンボ《ダナウェイ》。


 だが、タッキー《ケヴィン》はそこで冷静に言う。


「なら、あっちは任せて大丈夫だな」










「さて、こっちはどうするかだな……」


と刑事コンボ《ダナウェイ》が、ポツリと言う。


「そうですね、悪特隊もいますから戦力的には十分ですが……」


刑事コンボ《ダナウェイ》の言葉に、とロボットデカ・D《ディ》


(ロッド)が言葉を重ねる。


「そうですねぇ~人質が問題ですよねぇ」


ミスティーハニー《ローラ》の言葉に、


「人質だけ別の場所に……」


とタッキー《ケヴィン》が言いかけて、何かをひらめく。


「そうだ、バルジャン《トム》ならw」


の言葉に刑事コンボ《ダナウェイ》が聞く。


「何か、いい案でも……」


「ああ、ちょっと連絡してみる」


尋ねる刑事コンボ《ダナウェイ》にそう答えると、さっそく


念話するタッキー《ケヴィン》だった。












 場所は変わって、ここは、クリスタル警察署。


 レンガ作りの3階建ての建物、正面玄関には、明治時代


の警官のような黒い爪入り(学ラン)に似た服を着、腰には


日本刀を刺した門番役の警官が2名立つ。


 そこに、白のタキシードにシルクハットの紳士風の姿をし


た男、そうオクトーが現れた。


 オクトーは、クリスタル警察署の正面玄関に居る門番役の


警官2名に声を掛ける。


「ご苦労様w」


と、言うと”フー”っと2名の門番に息を吹きかけた。


\ペキ/、\ペキ/、\ペキ/


オクトーに息を吹きかけられた2名の門番は瞬時に凍り付いた。


そして、そのまま警察署の中に入る。


 入り口で、受付の警官に声を掛けられる。


「どんな御用で……」


その言葉に、ただ笑顔で”フー”っと息を吹きかける。


\ペキ/、\ペキ/、\ペキ/


2名の受付の警官も、門番同様に凍り付いた。


「どうした!?」


「何だ!」


受付の2人が突然凍り付いたのを見た受付のすぐ後ろの交通課


の警官達が騒ぐ。


が、


オクトーは、それら騒ぐ交通課の警官達にも”フー”っと息を吹


きかけ凍らせる。


\ペキ/、\ペキ/、\ペキ/


その様子に慌てる警邏課(けいらか)の警官達にも……。


”フー”っと息を吹きかけ凍らせる。


\ペキ/、\ペキ/、\ペキ/


「まぁ、こんなもんでしょ」


「さっさと、用事を済ませて退散しましょうかね」


と呟き、刑事課奥にある留置場へと向かう……。


その時だった。


「退散はさせねーよ」


とオクトーの後ろから声がした。


 オクトーが、さっと振り向くと、


そこには、エメラルドグリーン色のブルゾンに白のTシャツ

ジーパン姿の緑髪のエルフの男が立ってた。


「あなたは……」


オクトーが尋ねると、エメラルドグリーン色のブルゾンに白の


Tシャツジーパン姿の緑髪のハイエルフの男が言う。


「通りすがりの風来坊さw」


と答えた。


「その通りすがりの風来坊さんが、私に何か?」


とほほ笑み言うオクトーに、


「いやなぁに、俺はお前を止めに来ただけさ」


とほほ笑み返しながら言う男。


「私の邪魔をすると言うのですか?、ホッホッホォ~


私を笑わせるんじゃないですよ!」


と笑顔から真顔になって言うオクトーに、


「笑っていられるのは、今のうちだと思うぜ、悪魔


さんよ」


と男のセリフに、


「ならば死ね!」


被っていたシルクハットを脱ぎ投げると、


”ビユーン彡”


”クルクルクル”


シルクハットは回転しシルクハットの淵が鋭い刃に変わり、


男を襲うが、それをひらりとかわす緑髪のエルフの男。


緑髪のエルフの男がかわしたシルクハットは、投げたオク


トーの元に戻って来て、それを手で受け取るオクトー。


その時、エルフの男は、ブルゾンの内ポケットから、宝石


のエメラルドで出来た眼鏡を出し、


「デァ!」


と叫びながら自身の目に当てると……。


\ピカー/


光に包まれ、その光の体のまま、”サー”っとオクトーに


近づき、オクトーを掴むと、


\\\ズババババァ~ン///


と、オクトーと共に警察署のカウンターと、反対側の壁を突き


破った。


「ハァッハァッハァッ」


肩で息をするオクトー。


当たりに舞い散る砂埃が引いていき、その男の姿が露わになる。


その姿を見て驚くオクトー。


「なっ、まぁっ、さか!……」


驚くオクトーの目の前に立っていたのは、銀色の顔で、体全体が


宝石のエメラルド、そして、肩から二の腕にかけて、銀色の金


属っぽいプロテクターに両腕に銀のブレスレットをした姿の男が、


立っていた。


「まさかって、そう、俺はクリスタルマンエメラルドだ」


とオクトーに答えるクリスタルマンエメラルド。


「そんなはずは……クリスタルマンは身長40mの巨人のはず!」


驚き言うオクトーに、


「知らないのか~、俺達クリスタルマンは身長を自由に変えられ


るんだぜw」


と両手を上げて少しおどけたように言う、クリスタルマンエメラ


ルド。


「ええぃーっ!」


クリスタルマンエメラルドの言葉に半ばやけくそになったオクト


ーが、再び手に持ったシルクハットを、クリスタルマンエメラ


ルドに向かって投げる。


”ビユーン”


”クルクルクル”


 しかし、クリスタルマンエメラルドは、それを見て素早く両腕を


突き出すと、両腕にはめたブレスレットが光のリングに変わり飛び出


した。


”キュイ~”


クリスタルマンエメラルドの出した光のリングが光輪のチャクラム


(輪っか状の刃のついた武器)となり、2つのうち、1つの光輪の


チャクラムは、オクトーの放ったシルクハットを


\ズバ/


と真っ二つにし、もう1つの光輪のチャクラムは、オクトーを襲う。


「何っ!」


咄嗟に自身を襲う光輪のチャクラムを持っていたステッキで弾く。


\カキ~ン/


が、


すかさず、クリスタルマンエメラルドは右手を水平に胸の前で構え


\ピー/


額のエメラルド鉱石から光線を放った。


\ビシュン/


「グァァァッ~!」


光線に胸の悪魔核を撃ち抜かれるオクトー。


「まさか……柱が現れるとは……」


と言葉をを吐き、体が崩れて、やがて消えて行った。


「やれやれ、警察の壁壊しちまったな……また、神官達からお説教


だなこれは」


とオクトーを倒したクリスタルマンエメラルドが、ぽそっと言うのだ


った。















≪よし分かった、じゃ、ガンボー《カイゼル》も連れて行く≫


と念話でタッキー《ケヴィン》に言うバルジャン《トム》。


 先ほどタッキー《ケヴィン》が、連絡してみると言った相手は、


冒険者チーム『ガンブレイブ』のバルジャン《トム》だった。


 タッキー《ケヴィン》は事の次第を念話でバルジャン《トム》


に伝えていたのだった。


 バルジャン《トム》との念話を終え、みんなに伝える。


「もうすぐ、応援が来るから、応援が来たら踏み込もうぜ」


その言葉にユウジン《コラット》が、


「一気に決めようぜ、一気に!」


と張り切りながら言う。


その言葉に一同が、頷くのであった。


 しばらくして、”カムカム・エクスチェンジャー”(両替商)の


通りの上空に銀色の水上バイクのような乗り物に乗った2人の男が


現れる。


 1人は、銀色のコンバットスーツに身を固めたバルジャン《トム》で、


1人は上半身裸でチノパン姿のムキムキ男、そうカイゼルのブランチの


姿のガンボーだった。


2人を乗せた銀色の水上バイクのような乗り物は、クリスタル警察が


対策本部に使っている喫茶店の前で降りると、バルジャン《トム》と


ガンボー《カイゼル》が店の中に入っていた。


バルジャン《トム》が、水上バイクのような乗り物から離れると同時に


水上バイクのような乗り物は消える。


「待たせたな」


と店に入るとバルジャン《トム》が、クリスタル警察や悪特隊の面々


に声を掛けた。


「おお」


とタッキー《ケヴィン》がバルジャン《トム》に言う。


「よっや、じゃ、一気に決めようぜ、一気に!」


と張り切り言うユウジン《コラット》に、ガンボー《カイゼル》が、


「ちょっと待て、踏み込む前にいろいろすることがあるだろう」


とたしなめる。


「することって……」


とガンボー(カイゼル)に聞き返すユウジン《コラット》に、


「リバース」


と言って元のドワーフ姿に戻ったカイゼルが、自身が持つ小槌から


古いテーブルの上に何かを出した。


”ゴロゴロゴロ”


そして、出したものの1つを友人に見せ、


「まずは、お前さんのだ」


と3本のダーツの矢を渡す。


「なんだ?カイゼル」


とユウジン《コラット》が、3本のダーツの矢を受け取り聞いた。


「これは、タッキー《ケヴィン》が使う※MPD弾と同じ構造の物だ」


※相手の体内の魔力を外に放出する効果のある黒い弾丸。


「この先にある黒い針が、刺さると針自身が飛び出し、体内に深く刺


さり、悪魔核に到達し、悪魔核の魔力を外に放出する仕組みだ」


カイゼルの説明にダーツの矢をまじまじ見つめ、


「へーこれがねぇ……」


と感心するユウジン《コラット》に、


「3本しかないから、気を付けて使えよ」


と念を押す様に言うカイゼル。


そして、ロボットデカ・D《ディ》(ロッド)に向かい、黒い網を束ねた


物を見せ、


「ロボットデカ・D《ディ》(ロッド)確か君は腕から網を撃ちだせたな」


と聞くと、ロボットデカ・D《ディ》(ロッド)は、


「ああ、ネットアームのことか?」


とカイゼルに聞き直すので、


「ああ、そのネットアームの網をこの網に取り換えろ」


と言いながら、ロボットデカ・D《ディ》(ロッド)に黒い網を手渡す。


「この網も、仕組みはMPD弾やユウジン《コラット》のダーツの矢と


同じ仕組みだが、MPD弾と違い、直接悪魔核に作用はできない」


「直接悪魔核に作用はできない……って、では」


と手渡された黒い網を見ながら聞く、ロボットデカ・D《ディ》


(ロッド)に、


「ああ、時間がかかる……触れた表皮から魔力を吸い出すからな」


と説明をするカイゼル。


 「なるほど」


と納得するロボットデカ・D《ディ》(ロッド)だった。


 ここで、バルジャン《トム》が、責任者の刑事コンボ《ダナウェイ》


に聞く。


「じゃ、SSフィールド《スペースシェリフシールド》で戦うメンバーは、悪特隊の


3名と、ロボットデカ・D《ディ》(ロッド)にタッキー《ケヴィン》とユウジン《コラット》、


それに俺バルジャンとガンボー《カイゼル》の8名で良いか?」


「ああ、私とミスティーハニー《ローラ》は君が、悪魔人間達を異次元空間SSフィールドに閉じ


込めたら店内に入り人質達を救出する」


バルジャン《トム》の問いに刑事コンボ《ダナウェイ》がそう答えるのだった。


「よし分かった、全員準備に取り掛かろう」


とバルジャン《トム》がみんなに声を掛けると、全員が頷くのだった。












 しばらくして、全員の準備が整った。


 全員、対策本部に使っている喫茶店の前に出ると、ガイゼルは、再び自身


のブランチ姿になる。


「ガンボー!」


と叫ぶと、上半身裸でチノパン姿のムキムキ男になる。


背中には黒い矢が入った矢筒を背負い、手には金属製の弓を


持つ。


ガンボー《ガイゼル》の姿を見てバルジャン《トム》が頷く。


そして、


「サーチャースコープ!」


”カムカム・エクスチェンジャー”(両替商)の店の中をサーチ


する。


サーチするバルジャン(トム)の横でロボットデカ・D《ディ》


(ロッド)がバルジャン《トム》に言う。


「入り口、カウンター前に8体、金庫室に2体です」


その言葉に頷いたバルジャン《トム》は、


「うん、捉えた」


「では、みんな行くぞ!」


と言うと、


「SSフィールド《スペースシェリフシールド》展開!」


と叫ぶと同時に、自身と悪特隊の3名と、ロボットデカ・D《ディ》


(ロッド)にタッキー《ケヴィン》とユウジン《コラット》、


ガンボー《カイゼル》の8名と悪魔人間達10体をSSフィールド《スペースシェリフシールド》に取り込むのだった。





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