22話 悪魔男爵バンバNo8オクトーの企み




 ってことで、陣形をみんなで考えるにあたり、メンバーの


ブランチのデーターを検討する。


 まぁ、俺はブランチデーターでなくコンバットスーツによる


ブーストデーターなんだけどね。



氏名『マヤ』


ブランチ名【デーモンレディー】


HP   8000

MP    800

運動性 300(レベル7より500)

攻撃力  3800(レベル7より4200)

防御力  2800(レベル9より3000)

命中      88(レベル10より90)

回避 70(レベル8より80)


ブランチスキル『超速再生』


瞬時に欠損部分の再生ができる



氏名『ソマーズ・ワグナー』


ブランチ名【サイバティック・ジェイミー】


HP    2500

EP     548

運動性   295(レベル7より300)

攻撃力   1789(レベル7より1800)

防御力   1163(レベル9より1200)

命中      88(レベル10より90)

回避 70(レベル8より80)


ブランチスキル『分析』


物や人の能力がわかる



氏名『マイケル・バウアー』


ブランチ名【メカイダー】


HP    2600(レベル7より3000)

MP     400(レベル4より600)

運動性    200(レベル7より300)

攻撃力   2000(レベル7より2400)

防御力   1800(レベル7より2100)

命中      89(レベル4より98)

回避      79(レベル6より98)


ブランチスキル『クリティカル』


通常よりも大きな威力で致命的な一撃を与える。



氏名ルーク・ジョーダン


ブランチ名【メカイダーOO(ダブルオー)】


HP    2600(レベル4より3000)

MP     400(レベル4より600)

運動性   200(レベル7より300)

攻撃力   1400(レベル7より1800)

防御力   1200(レベル8より1500)

命中      89(レベル4より98)

回避 79(レベル6より98)


ブランチスキル『集中』


回避、命中率が30パーセント上昇する。



氏名『アルウェン・メル』


ブランチ名【サイキックレディー】


HP    2250


MP     750


運動性    320(レベル7より400)


攻撃力   1600(レベル7より1800)


防御力   1500(レベル9より1200)


命中      89(レベル10より90)


回避 93(レベル6より98)


ブランチスキル『魔法攻撃無効』


相手を見つめてることにより発動


但し、相手から目をそらせると解除になる。



氏名 日向 天太


【宇宙シェリフ・バルバン】


HP     500


MP     150


運動性    100


攻撃力    700


防御力    600


命中      88


回避      82


 俺の基礎能力が上がっているのに、コンバットスーツの


能力が変わらないのは、シェリーさんやタミーさんのように


スーツに増幅装置がついてなくて、魔晶石を胸の装甲版の中


に埋め込みパワーを得てるためなのよ。


これらのデーターを元に陣形をみんなで話し合った。


が、結局メルさんとマヤさんの強い要望でこうなった。


 前方壁役は、メカイダー《バウアー》さんと、メカイダーOO


(ダブルオー)《ジョーダン》さんで、左翼にサイバティック・


ジェイミー《ワグナー》さんに右翼がバルバンで、後方に


司令塔として、サイキックレディー《メル》さん、そして空が飛


べるデーモンレディー《マヤ》さんが上空からの攻撃役になった。


 本来、データーで行けば、防御力の高いサイキックレディー


《メル》さんやデーモンレディー《マヤ》さんが適役なのだが


……。


これを2人が強く反対した。


理由は……


「私のサイキックレディーって水着のようなかっこなのよ、


攻撃にブランチの体が耐えれても、服が破けちゃうじゃない!」


とサイキックレディー《メル》さん。


で、


「私のデーモンレディーは、裸なのよ!裸!手足と大事なところに


毛が生えて防御できるとは言え、そんな女の子を盾にするつもりな


の!?」


とデーモンレディー《マヤ》さん。


 しかし、これにメカイダーOO(ダブルオー)の《ジョーダン》さん


がポツリと言う。


「でも、『超速再生』もってるじゃん」


この言葉を聞いたデーモンレディー《マヤ》さんがメカイダーOO(ダブルオー)


の《ジョーダン》さんを”キ”っと睨む。


マヤさんに睨まれたジョーダンさんは、以後発言しなくなった。


結局、2人の強引とも言える意見で、陣形が決まることになった。














------(第三者視点)------☆







 時は戻って、テンタが砦『ジャスタン』に向かう前日の深夜


1時ごろ。


 聖クリスタル国の東区、ここは、農業地帯の区画。


 ここに、1人の男が突然\ボワっ/と現れた。


白のタキシードにシルクハットの紳士風の姿をした男……。


名をオクトーと言い、悪魔男爵バンバの配下、ベビルデーモ


ン級の悪魔である。


 シルクハットを脱ぎ、シルクハットの淵を自身が持つステッキ


で、”チョンチョン”と叩くと、シルクハットの中に宝箱が現れる。

 

 それを自身の足元に置くと、その宝箱の蓋をステッキで開けた。


 すると宝箱の中から緑色の光が出て、オクトーを包み込んだ。


オクトーを包んだ光が消えると。


 懐から懐中時計を出してきて、時間を確認する。


「今から12時間ですか」


 時間を確認したオクトーは、そのまま、荒れた道を村はずれまで


歩いて行くのだった。













 この農業地帯の村々から少し離れた農作用の倉庫に使ている小屋


の前に1台の幌馬車が止まる。


 御者台から、山賊風の男がおりて、小屋の中に入った。


\バタン/


「ドン、アンダーボス、幌馬車を調達してきやした」


小屋の中に入るなり、言う山賊風の男。


 小屋の中には12、3人の男たちが居て、そのほとんどが、


小屋に入って来た男と同じ山賊風の男達だったが、中に2人ほど、


中世の裕福な商人風の姿の男が居た。


 1人は中年の太っちょで、名前をアル・コルレオーネと言い、


ここに居る男たちの長(ドン)である。


そして、もう一人は普通体系で30代の男、名前をロバート・ヘイ


ゲンと言いアル・コルレオーネの腹心アンダーボスである。


「ご苦労カルロ」


「で、樽も積んできたか」


腹心アンダーボスであるヘイゲンが聞き返すと、


「へい」


とカルロ呼ばれた小屋の入り口に居た男が答えた。


「なら、お前達も手伝って、小屋の中に樽を入れろ」


ヘイゲンのの周りに居た男達に言う。


「「「「「へい」」」」」


数人の男達と共に入り口に居たカルロも一緒に樽を馬車から


降ろしに出た。


\バタン/


「ランドウの奴が裏切らなきゃ、こんなことには……」


とヘイゲンが言うと、


「奴が裏切ったと言うより、捕まったことが問題だったな」


とコルレオーネが言う。


「何故ですか?ドン、今まで手下が捕まってもここまで追い


込まれることはなかったですぜ」


と聞き返すヘイゲンに、


「そりゃ、捕まった手下達は、組織全体を理解している奴なん


ぞいなかったからな」


と答える。


「それはそうですが……にしても、奴はベラベラしゃべりすぎ


ですぜ」


と言うヘイゲンに、


「いや、恐らく奴は何もしゃべって無いだろうぜ」


と冷静に答えるコルレオーネ。


その言葉に、


「しゃべって無い!……なら何でここまで組織が」


と少し声を荒げ言うヘイゲンに。


「それはな、何でも警察に居る刑事の中に”読心”って能力の


ある転生者が居るそうだ」


その言葉に驚くヘイゲン。


「えっ、何ですって!」


驚くヘイゲンに、まあまあ、と言うジェスチャーで続けて話す


コルレオーネ。


「その能力を使われたら、嘘を言おうが、黙秘しようが、心の


中は筒抜けになるんだってよ」


「何と言うことだ」


そこ言葉を聞き肩をガクっと落とすヘイゲン。


そのヘイゲンの肩を”ポンポン”と叩きながら、慰めるように


「まぁ、ランドウの転生者としての力が便利だったんで、つい


つい奴にいろんな仕事を任せた俺に責任はある」


と言うコルレオーネに、


「いや、ドンは……」


と顔を上げ、コルレオーネに言葉を掛けようとするヘイゲンに、


「まぁ、こうなったのは俺の不徳の致すところだと思うが……」


「ただな、俺達の仕事で奴が捕まったなら、納得もするが……、


違うことで奴が捕まり、それで、せっかく作りあげたこの組織シルバースターが、潰される


……と言うのは腑に落ちねえがな」


 2人の会話の中、”バタン”と小屋の扉が開き、樽を持った


手下たちが入って来た。


 それを見たヘイゲンが山賊風の手下たちに言う。


「樽の蓋を開けろ」


「「「ヘイ」」」


そして、山賊風の手下の一人のカルロ向け、


「カルロ、お前はこの服に着替えろ」


と言いながら、商人風の衣装を手渡す。


「へい」


そしてコルレオーネに向け言う。


「ドン、トランスポート(転移魔法円)の検問所には裏から手を回して


あります、そこを抜け晋国に着くまでの辛抱です窮屈ですが、ここに入


っててください」


「あっ、ああ」


とヘイゲンの言葉にコルレオーネそう返事をした時だった。


\ボワ/っと突然に、コルレオーネとヘイゲンの前に、白のタキシード


にシルクハットの紳士風の姿のオクトーが現れた。


「なっ!?」


と驚き声にならないコルレオーネに代わって、ヘイゲンが言う。


「なっ、何者だ!」


ヘイゲンの言葉に反応した山賊風の手下達が腰に差していたカットラス


(片手で扱う刀身が湾曲した短い刀)を抜き構える。


その様子を見てオクトーが言う。


「情けないですねぇ~、これがこの国の裏を牛耳って来た組織だとは」


「「「「何だとてめぇ~!!」」」」


その言葉を聞いた山賊風の手下4人が手にしたカットラスで、オクトー


を襲うが……。


”シュッ”、”シュッ”、”シュッ”、”シュッ”


 手下4人のカットラスの攻撃を素早く避けながら、持っていたステッキ


で、


\ズバ/、\ズバ/、\ズバ/、\ズバ/


4人の手下の心臓を次々と一突きし、突いたステッキを舌で一舐めし、


「んー、やっぱり下級の人間の魂はおいしくありませんねぇ」


と言う。


そこに居たシルバースター全員が驚く。


「お、お前は……何者だ!!」


恐れながらも、声を振り絞り言うコルレオーネ。


「んっ、私ですか……私はただのベビルデーモンですよ」


とにやりと笑いコルレオーネに答えると、指を\パチン/と鳴らす。


すると、突然、コルレオーネ達シルバースター達を囲むようにレッサー


デーモン


10体が現れた。


「んがっー!」


それを見て驚くコルレオーネ。


シルバースターの部下たちも驚きのあまり声も出せずに固まっていた。


「おやおや、そんなに固まらなくても……」


とにやけて言うオクトーに、コルレオーネの腹心アンダーボスであるヘイゲンが、


恐る恐る聞く、


「そっ、その悪魔が俺達に何の用だ!」


ヘイゲンの言葉にオクトーがニヤリと笑って言う。


「いやね、あなた達をこんな目に合わせた警察とランドウと言う男への復習


と、シルバースター再建の資金の調達のお手伝いをしようと思いましてねぇ」


「何っ、そんなことができるのか!」


オクトーの言葉に思わず叫んでしまうコルレオーネ。


その言葉に、


「はいw」


と笑顔で答えるオクトーに、コルレオーネの腹心アンダーボスであるヘイゲンが、


「そんな都合のいいことができるわけない!」


と吐き捨てるように言うと、


「いえ、あなた方人間には無理でも私にはできますよw」


と答えるオクトー。


「いや、どう考えても……」


とさらに言うヘイゲンに、


「いえいえ、私は悪魔ですから可能ですよヘイゲン殿」


の言葉に少し考えたヘイゲンが再びオクトーに訪ねる。


「できる……として、お前らに何の利益があると言うのだ、悪魔は自身に


利のないことはしないはずでは……?」


と聞き返すと、ヘイゲンに対して、”ああそんなことか”と言う顔で、


「いえいえ、私どもも、少々クリスタル国の警察には恨みがございましてね、


利害が一致すりのですよヘイゲン殿」


その言葉を聞いて、先ほどから黙っていたコルレオーネが、


「よし乗った!」


と大きな声でオクトーに言う。


それを見て、ヘイゲンがコルレオーネに対して言う。


「ドン!」


いかにも反対だと言わんばかりのヘイゲンに対し、なだめる様にコルレオ


ーネが言う。


「どのみち、首尾よくこの国から出たとしても、シルバースター再建は


難しいだろう」


その言葉に黙って頷くヘイゲン。


「なら、一か八か悪魔にかけてみようじゃないかヘイゲン!」


とヘイゲンの肩を叩きながら言うコルレオーネ。


その様子を見ていたオクトーは懐から1枚の紙とペンを出して、


「では、ここにサインを」


とコルレオーネに渡す。


「サイン!?」


渡された紙を不思議そうに見ながら聞くコルレオーネに、


「私ども悪魔は契約が第一なんです、ここにサインしていただかない


とお手伝いできませんので」


にっこり笑って言うオクトー。


オクトーに言われ、受け取った紙に同じく受け取ったペンでコルレオーネ


がサインをし、オクトーに返すと、受け取ったオクトーはそれを確認すると、


紙とペンを懐に直し言う。


「契約成立ですw」


と言うと、かぶっていたシルクハットを左手で脱ぎ裏返して、右手のステッキ


で帽子の淵を”トントン”と叩いて言う。


「サクション!」


すると、シルバースターのドンのコルレオーネをはじめ、腹心のヘイゲンや


他の部下達が次々とそのシルクハットの中に吸い込まれて行った。


「なっ何!」


「どういうこと……」


「「「「「うわー!!!」」」」」


コルレオーネをはじめシルバースターのメンバー10人をあっという間に


シルクハットの中に吸い込んだオクトーは、再びシルクハットの淵を”トントン”


と叩いて言う。


「サクション!」


今度は自身の部下であるレッサーデーモン達をシルクハットの中に取り込むと、


「フュージョン」


と叫ぶ。


するとシルクハットの中が一瞬光ったかと思うと、次々とシルクハットから


飛び出してくる。


シルクハットから飛び出してきたのは、体は人間だが、頭が山羊で、背中


には蝙蝠の羽が生えた悪魔人間10体だった。


「これで準備は整いましたよ」


と1人ほくそ笑むオクトーだった。



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