もさもさきゅんきゅん

エリー.ファー

もさもさきゅんきゅん

 骸骨ともさもさの犬で構成されたアイドルグループ、もさもさきゅんきゅんが爆死しました。

 僕は、可哀そうだなぁって思いました。

 僕は、もさもさきゅんきゅんの中でも一番可愛い、ミスターきゃわわんわんだふるわんわんのファンでした。確かに、骸骨も可愛いと思うんですけど、なんか好きになれませんでした。

 だって、ミスターきゃわわんわんだふるわんわんはきゅんきゅんさせてくれるし、もさもさが最高です。骸骨は冷たいし、怖いです。というか、性格も悪そうだったので、嫌いでした。

 僕の友達も、嫌いって言ってます。

 本当です。嘘じゃないです。




「もさもさきゅんきゅんについて分かっていることは非常に少ないのです。そのため、私も多くを語ることはできません。ある時期には、テロ組織と繋がっていたとの噂もあります」

「犬の首輪に爆弾をつけるなんてお手のものだったそうですからね」

「諸外国の警戒」

「千年以上続いた戦争」

「恐ろしいことばかりです」

「しかし、もさもさきゅんきゅんについて分かっていることは余りにも少ない。今現在も捜査は続いていますが、妨害もあるので思うように進んでいないというのが実情です」

「手はないのか」

「ないね。全くない。どうしようもないよ。お手上げだね」

「しかし、情報が全く入ってきていないということではないんだろう」

「その通り」

「けど、少ないっすよ。雀の涙ほどっす」

「費用対効果が悪いということか」

「人員は足りておりません。しかし、人員を増やしても望みは低いと思われます」

「クラブデックからの情報はないのか」

「クラブデックは数人の幹部を残し、ほぼ壊滅状態です」

「何だと」

「あ、そうなんだ。クラブデックでも、そうなっちゃうんだ。じゃあ、他の組織に依頼しても無理だね」

「えぇ、期待はしない方が良いと思います」

「もさもさきゅんきゅんに関する情報は以上ということかね」

「その通りです」




 もさもさきゅんきゅーん。

 みんなー、一緒にー。

 きゅんきゅんもさきゅーん。

 きゅきゅんきゅんきゅん。

 きゅんきゅきゅきゅーん。

 もさもさ大好き。

 僕らも大好き。

 きゅんきゅんしたいな。

 したいし、させたい。

 もさきゅん日和。

 もさきゅんバースト。

 もさきゅん最高。

 きゅんきゅんきゅーん。

 もさもさラブラブ。

 ラブきゅんきゅーん。




「もさ、はどういう意味ですか」

「弾けよ」

「もさもさ、はどういう意味ですか」

「ピザならいける」

「きゅん、はどういう意味ですか」

「争いは好まぬのだが」

「きゅんきゅん、はどういう意味ですか」

「マタドールのように」

「きゅーん、はどういう意味ですか」

「お願いします」

「きゅんきゅーん、はどういう意味ですか」

「ララ」

「もさきゅーん、はどういう意味ですか」

「マッスル」

「きゅ、はどういう意味ですか」

「弁天小僧ここに参る」

「きゅきゅ、はどういう意味ですか」

「もちろんやるよねーっ」




 たとえ、朽ち果てようともさもさきゅんきゅんでありますように。

 願う限りは、皆がまた新しい世界に旅立つための機会が巡ってきますように。

 壊れかけた羅針盤を手にいつまでも、手を取り合える人類でありますように。

 もしも。

 もしも。

 もしも。

 この世界が壊れてしまうのであれば。

 そのきっかけを作り出すのが私でありますように。

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