第4話

優奈ちゃんと同じ高校に進学した。

高校でも美術部に入った。


ボクのママは日本人だけど、パパは日本人とアメリカ人のハーフ。

パパのほうのおばあちゃまとおじいちゃまは、サンフランシスコでアクセサリー店とクリーニング店をやっている。

夏休みに妹とサンフランシスコに行ってみた。

ケーブルカーの走ってる道沿いに、アクセサリー店とクリーニング店は並んでた。

「あっ!お店、見えてきた~」

って言って、妹はケーブルカーからピョンと飛びおりたから、運転手さん、ちょっとびっくりした感じだったけど、大丈夫って合図したら、わかったみたいだった。


アクセサリー店に入ったら、おばあちゃま、めっちゃ喜んでくれた。

「ちょっと買い物行ってくるから、お店を見といてね~」

って言われて、妹と2人で店番をしていた。

お店には、壁にも天井にも、ところ狭しとアクセサリー飾られてある。

アメリカの民族的なアクセサリーから、新しい可愛いアクセサリーまで、いろいろある。


1人の日本人らしきお姉さん、お店に入ってきた。

「いらっしゃいませ~」

って日本語で言ってみたら、笑ってた。

「なんか、ミカンの良き香りしてくるなあ~」

ってお姉さん言ってた。

「あれ?なんか前に会ったことある感じする?もしかして...」

って思ってたら

「太陽の塔のアクセサリーありますか?」

って聞いてきたから

「あーっ!太陽の塔の入口で会ったお姉さんーっ!」

「可愛いアクセサリーいっぱいありますね~。ここで働いてるの?」

「たまたま、今、店番してるんです~」

「太陽の塔のアクセサリーありますか~?」

「サンフランシスコだから、ないですよ~!何回聞くんですか?」


近くにいた妹を見て

「2人とも、めっちゃ似てるね~。姉妹ですか?」

「わたしは妹で、あやめっちはお姉ちゃんだよ」

「あなたも、アクセサリー作ってるの?」

「そのうち作って置いてもらうよ~」


おばあちゃま戻ってきた。

「太陽の塔のアクセサリーありますか?」

ってお姉さん、また聞いてた。

「あっ、はい!こちらですね」

って、壁にかかってあるのを指差してた。


お姉さんは、太陽の塔のアクセサリーと、他にもいくつか可愛いのを買ってくれてた。

太陽の塔のアクセサリーは、よく見たらオリジナルなアクセサリーだった。

おばあちゃまのオリジナルな作品みたい。



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