第4話 逆戻

アルマは私の部屋に入るとすぐ

謝ってきた。

 



アルマ:ごめん。


〇〇:???


アルマ:何も出来なくて、ごめん。

何もしてあげられなくて、ごめんね。


〇〇:え?全然気にしてないよ?


アルマ:分かってるけど…。



〇〇:(笑)


アルマ:!!なんで笑ってるの?


〇〇:だって、、、

もしかして、元気なさそうなのは、

私のせいだった?(笑)


アルマ:……


〇〇:(笑)


アルマ:笑わないでよ。。。

不安だったんだ。もし、このまま〇〇が

僕のこと忘れてしまって、もう会えなかったらって。


〇〇:戻ってきたよ?


アルマ:うん。


〇〇:だから、もう自分を責めないでね。

てか、アルマは何も悪くないよ?

それよりさ、戻ってきた私をどうする?


アルマ:!………

 

 

アルマと暫く目が合った。

 

 

アルマ:や、やぁ!なんだ!?

会ってない間に口が達者になってないか!?

 

 

そう言いながら、

私が持っていたお酒のグラスを取り上げ、

一気に飲み干した。


 

 

〇〇:……私に他に言いたいことないの?


アルマ:沢山あるよ?

でも…。


〇〇:言っていいよ?全部。

謝りたかったけど、怒ってもいるんでしょ?

何も言わないで消えて。


アルマ:うん。正直、酷いと思った。

でもこうやってまた会えて、もう、

どうでも良くなってきて……。

今はただ、嬉しい。


〇〇:そっかぁ〜。。。

じゃあさ、これからアルマは何がしたい?

 

アルマ:これから?今?


〇〇:今も明日も明後日も、それからも。


アルマ:〇〇と?


〇〇:うん。みんなとも。


アルマ:うーんと……。

そうだな……。

ゲームもしたいし、

料理もしたいし、

遊園地も行きたいし、

旅行も行きたいな。

 

〇〇:じゃあ、全部やろう!!!


アルマ:そうだね。

なんか、最近仕事して、

寝て、

仕事して、

寝て、

そんな生活だったから……。

考えてみれば、

やりたいことあったね。

 

 


そう言い、

少し微笑んだアルマを見て安心した。

 

 

 

なんだか、

会わない期間に

画面越しで見ていたアルマは

元気が空回りしすぎていて、

不安に感じたから。

 

 

 

あの日、私を救ってくれた

笑顔とは違う笑い方だったから。

 

 

もし、私の勝手な行動が

今のあなたを作ってしまったならば、

謝るのは私の方だよ。

 

 

 

 

 

〇〇:結構やりたいことあるね(笑)


アルマ:お?なんだその言い方!

それにしても、〇〇僕のこと見過ぎじゃない?(笑)やっぱり日本にいても自分ほどの

イケメンはいないから、見ちゃう?


〇〇:プッ(笑)変わらないなぁ〜(笑)


アルマ:(笑)

そういえば、お酒ないね!


〇〇:さっきアルマが飲んじゃったからね!


アルマ:じゃあ、アルコールをアンコールしてこなきゃね!

 

〇〇:…ねぇㅋㅋㅋㅋㅋㅋ


アルマ:(大声で)アルコールをアンコール!


〇〇:ねぇ、やめて?ㅋㅋㅋㅋㅋㅋ

 

 

 

そうして、私達は自然に手を繋ぎ、

お酒を取りに部屋を出ようとした。

 

 

ふと、視線に気付きアルマを見ると、

そのまま私の唇を奪った。

 

 

前と変わらない、その優しい口付けに

泣きそうになる。

 

 

 

 


 

唇を重ねながらアルマは私の腰に

腕を回し抱き寄せた。

 

 

 

 


 

 

その時、近くで声がした。

 

 

 

 

 




ジョイ:アルコールのアンコール持ってきましたよ〜

 

 

そう言いながら、ジョイは部屋の扉を

開け、私達と目が合った。

 

 



 

ジョイ:………やぁ、お邪魔しま〜すぅ〜…

 

 

私とアルマは咄嗟に離れた。

 



ジョイ:お取り込み中だった…かな?

あれ!僕、失恋してる?

〇〇?アルマヒョンと……

 

 


ジョイはジッと私の目を見る。

 

 

〇〇:……

 

 

ジョイ:ヒョン、僕〇〇と話したいです。


アルマ:僕も途中なんだけど?


ジョイ:すぐに終わりますから。


アルマ:駄目だ。お酒だけ置いて出てって?


ジョイ:嫌です。

 

 

場の空気と、平行線な会話に思わず

口を出してしまう。

 

 

〇〇:あのさ…、ゲーム持ってこようか?

 

アルマ、ジョイ:……


 

〇〇:皆んなでやろうよ!

 

アルマ:いいよ。僕が持ってくるから、

ジョイと話してな。

 

 

そうして、アルマは部屋を出ていった。

 

 

つづく

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