第5話

大阪の家では霊の存在を感じている。

ボクの部屋でも、夜、寝てると、ボクの体を優しく包みこんで愛撫してくれてる霊を感じる。

もともと女の子みたいな体だったのに、愛撫されてるおかげで、ますます柔らかで曲線的な可愛い女子の体になった。

顔にもキスされてるうちに、だんだん女の子のような顔になっていった。


霊も、女の子のような感じする。

部屋では、いつも、えっちな女の子の絵を描きたくなる。

えっちな女の子とボクとで、えっちしてる絵を描いている。


霊の女の子は芸術家のような感じだ。

芸術についてボクに教えてくれてるみたいだ。

ボクの師匠みたいに。


修学旅行は岐阜・長野方面に行った。

中3で転校しての修学旅行だから、まだまだ仲良しの友達も、そんなにはいないから、善光寺に到着してからも、1人で善光寺を歩いていた。

歩きながら

「優しくて面白くて可愛い女子の友達、出来ますように」

って、お願いした。


歩いてたら、お姉さん3人組に

「写真を撮ってください」

って頼まれた。

ボク1人で歩いてて、寂しそうに見えて声をかけてくれたのかなあ~って思った。

撮ってあげたら、めっちゃ喜んでくれて

「ありがとう~」

って言って、3人で歩いていった。


不思議な存在感のある、お姉さん3人組だった。地面から浮いているようだった。

やはり善光寺は、何かパワーのある場所なのかなあ~って思った。


妹には

「牛にひかれて善光寺詣り」

って書かれた湯呑みをお土産に買って帰った。

あと、おまんじゅうと信州蕎麦も。


行きの電車では、まだ1人ぼっちだったボクも、帰りの電車の中では、優しくて面白くて可愛い女子の高梨さんと友達になって、いっぱいしゃべりながら大阪に帰った。

善光寺で出会ったお姉さん3人組は、もしかしたら、善光寺の愛の精霊か何かだったのだろうか...


学校でも、いつも高梨さんとしゃべってる。

高梨さんは、ボクのカバンに、可愛いキャラクターのエチケットブラシをそっと入れてくれてたりする。

クラスの女子みんなと、いっぱい友達になれた。


中学で、妹の友達に会うと、やっぱりお姉ちゃんだと思ってるみたい。だから

「お姉ちゃんの、あやめっち」

って紹介している。

家に遊びに来る妹の友達も、みんなお姉ちゃんなんだと思ってくれている。


夏休みには、妹と、近くのプールに泳ぎに行った。妹の、どや顔を見たくて。

やっぱりボクより泳ぐの上手いから、どや顔をいっぱい見せてくれた。笑

でも背泳ぎなら、妹に、どや顔を見せられるくらいに、ボクも上手いと思う。

「背泳ぎ対決しよう」

「いいよ~。あやめちゃん、勝てるかな」

って泳いだら、妹に、ほんのちょっとの差で勝てたから、どや顔したら、笑ってた。

本当は勝たしてくれてたりして...



私立高校に合格したら、クラスのみんなも「中3で転校してきた甲斐あったなあ~」

って思ってくれてるみたいだった。

地元でも、かなりの進学校に合格出来たから、凄いって見直してくれてたみたいだ。


そのあと府立高校にも合格出来た。

転校してきて、何がなんだか、よくわからないままに過ぎていった中学3年生だったような気する。


府立高校に入学したら、これまで以上に、女の子のように思ってもらえてたかもしれない。

先生方も、友達みんなも、ボクを女の子として見てくれているようだ。


もしかしたら、部屋にいる霊の女の子の影響もあるのかもしれないって思った。

毎晩、霊の女の子に、優しく愛撫されたり、キスされたりしている間に、ますます女の子ぽくなっていって、女の子のオーラで包まれてるのかもしれなかった。


学校でも先生方のほうから、ボクは更衣室や洗面所も、女子のほうを使うように設定してくれてたし、友達みんなも、それで良い、それで自然だと思ってくれてるようだった。

だから、この府立高校に入学して良かったのかもしれない。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る