第4話

沖縄の家では、いつも1人で、裸になって、えっちな格好をしている。

ママの下着を勝手に借りて、着けてみたりしている。

あとは、パパのスポーツ新聞や雑誌に載っている、えっちなお姉さんを勝手に見ている。


中2くらいから、ますます女の子のような体になったボクは、海に行っても、女の子だと思われている。

水着も女子用のを着ている。


家に遊びに来た小学校の妹の友達は、ボクのことをお姉ちゃんだと思っている。

妹も

「やっぱり沖縄でも、みんな、お姉ちゃんだと思ってるのかあ~」

って感じで

「お姉ちゃんの、あやめっち!」

って紹介している。


沖縄の中学でも、ボクは女の子みたいだから、いつも女子といっしょにいる。女子といっしょに行動している。


同じクラスの女子の空香ちゃんに

「前の中学では何部だったの?」

って聞かれて

「美術部だよ~」

って答えた。そしたら

「美術部には、わたしの友達も入ってるから、紹介してあげるよ!てか、いっしょに美術部に入ろう!」

って言ってくれて、空香ちゃんと2人で美術部に入って、絵を描きはじめた。

空香ちゃんとは帰る方向も同じだから、美術部終わってからも、いっしょに帰った。


中3でクラス替えをするんだけど、中2のボクたちのクラスは、あまりにも仲良しなので

「中3でも、そのまま同じクラスでいきます」

と先生も宣言してくれた。


ボクは空香ちゃんといっしょに、沖縄の風景画をいっぱい描いた。

沖縄のきれいで情熱的な風景をバックにして、空香ちゃんのことも絵に描いた。

空香ちゃんと海に行って、泳いだり、絵を描いたりしながら、空香ちゃんと、夕日のしずんでいくビーチでキスした。ボクのファーストキス。

空香ちゃんとは、将来、結婚するだろうって思った。


それなのに、中3でボクは、大阪の中学に転校することになってしまった。

クラスのみんなの寄せ書きを、中2の最後の日にもらった。


空香ちゃんは

「あ~、今、ちょっと反抗したなあ~!憎たらしい!うっそっさ~」

って書いてくれてた。

その文章を見た時、めっちゃ空香ちゃんらしくて、笑えた。でも同時に、来年は、空香ちゃんに、もう反抗出来ないんだなあ~って思ったら、なんだか、めっちゃ寂しく思えてきた。


先生も、せっかく沖縄の中学で出会えたのに、中2の1年間だけだったことに、とても寂しく思ってくれてるように感じた。

1年間だったけど、先生のおかげで、めっちゃ積極的な自分になれたように思えます。沖縄のことも、学級委員の活動などを通して、知ることも出来ました。

来年も先生のクラスで、みんなといっしょに中3生活を送りたかったです。


そう思いながら、那覇空港から飛行機に乗って、大阪へと向かった。

大阪の中学に転校するなら、早く切り替えて、今度は大阪の中学に慣れないとな~って思った。


妹も、沖縄の小学校で、みんな良い友達ばっかりだったみたい。

沖縄の海やプールで、いっぱい泳げたから、良い経験になってると思う。

いっしょに泳いでいる時の、妹の可愛い、どや顔も、沖縄でいっぱい見れたなあ。笑

泳いでる時だけは、妹もボクに勝てて、めっちゃ嬉しそう。


大阪の家は、ほとんど京都に近いところだった。だから、家のある場所は、賑やかな大阪というよりは、京都寄りの、比較的静かなところだった。最寄り駅も、大きな駅ではなくて、大きな駅と駅との間の、ちっちゃな可愛い駅の街だ。

この市のマスコットキャラクターは、埴輪からきてるだけあって、古墳も多い、歴史的な街でもあった。


妹も中1で、同じ中学に通えるから嬉しそう。

久しぶりに、2年ぶりに、また妹といっしょに通学できる。

あっ、でも、久しぶりな気も、そんなにしてなかったのは、沖縄の中学と小学校は、めっちゃ近くにあったから、毎朝いっしょに通学してたからか。ほとんど同じ学校に行ってるようなものだった...


今度の中学は家からちょっと離れてたから、自転車通学だった。

妹も、毎朝ボクと自転車で通学するのも新鮮だったみたい。でも泳ぐのと違って、自転車の速さではボクに勝てないから、どや顔にはなってない。笑


大阪の中学に行ったら、女子みんな優しくて、ボクに何かと話しかけてきてくれる。

中3になって転校してきたから、それなりに大変だと思ってくれてるみたい。

ボクは女の子みたいだったから、中学でも、女子といっしょに行動している。

沖縄の話も面白そうに聞いてくれてる。

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