第2話

小学校を卒業して中学生になった。合唱団のほうも卒業したら、妹もボクといっしょに合唱団をやめてしまった。

いつも妹は、ボクの真似をする。


でも水泳だけは、妹はボクに勝つ。妹は5年生からは水泳に打ち込みだした。プールに通って、いつも泳いでいる。


ボクは松山城の近くの中学に入学した。

美術の時間に、松山城と松山の街並みを描いた風景画で、中学生絵画コンクールの金賞を受賞した。

小学生の頃から美術も好きだったから、美術部に入って絵を描きはじめた。


中学生になっても、女の子みたいなボクは、やはり上級生の女子に

「可愛い~」

って追いかけまわされる。

小学生の時に、追いかけまわしていた上級生とも、1年ぶりとかで、また中学で会えた。上級生の女子たちも、めっちゃ喜んでて

「あやめちゃんに、また会えるなんて~」

って言っている。


妹は、いつもボクといっしょに小学校に通っていたから、今は1人で行くようになって、ちょっと、つまらなそう。あと2年間は、1人だから、はやくボクと同じ中学に、いっしょに行きたいのかもしれない。


小学生の時も、ボクは走るの速くて、クラスでも3番目くらいには速かったけど、中学でも走るの速くて、運動会でもリレーの選手として出場した。

上級生の女子も、ボクを見かけると、いつも

「あやめちゃん~」

って言って、走って追いかけてくる。


家に遊びに来る小学生の妹の友達は、ボクのことをお姉ちゃんだと思っているみたい。

妹も、みんなから、そう思われるんだったら、そのままでいいやって感じで

「お姉ちゃんの、あやめっち」

って、みんなにも言っている。


中2になって、沖縄の中学に転校することになった。

水泳の得意な妹は、めっちゃ喜んでいる。

でも妹は小6で沖縄の小学校に転校するので、今までの小学校の友達といっしょに小学校を卒業出来ないことの寂しさは、ちょっとは感じてるみたいだ。


松山の空港から那覇行きの飛行機に初めて乗った。


那覇空港に到着したら、南国のあたたかな空気を感じた。

家は港のすぐ近くの6Fで、めっちゃ見晴らし良い。


妹は小学校に、ボクは中学に、それぞれ登校した。


その日、学級委員を決める日で、担任の先生はボクに

「前の中学では、どうやって学級委員、決めてたの?」

って聞いてきた。

「立候補です」

って言ったら

「じゃあ、前の学校で立候補してた?」

って聞かれて

「ボクは立候補はしてないです」

って答えた。

そしたら先生は、ちょっとの間、何か考えてるみたいだったけど

「じゃあ、学級委員やりなさい」

って、いきなりボクに言ってきた。


面白い先生だし、面白い中学だと感じた。

担任の先生は、たぶん、生徒の苦手な点を克服させる教育をしたいと思ってるんだろうなって、中2のボクはとても強く思ったし、それは当たっていた。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る