第6話

夏休みも終わりに近づいてきて、読書感想文も書かないといけない。

夏休みのはじめの頃に「ムーミン谷の冬」って本を買っておいて、これで読書感想文を書こうって思って、最初のほうをちょっとだけ読んで、あとは夏休みだから冬のことなど、ずっと忘れてた。今もう、あと3日くらいでは全部読めそうになかった。

せっかくムーミン谷の面白そうな本だったのに、今からではムリだから、「ギリシャ神話」の本をあらためて買ってきた。

こちらはオムニバス形式だから読みやすそう。全部は読みきれなかったけど

「神話の世界、面白かったです...」

みたいな感想文を書いて提出した。

ぜったいに、先生から

「どこをどのように面白いと思ったかを書きましょう」

って言われるだろうなあ~って思っていたら、返ってきたら、先生の赤ペンで

「よかったですね」

って書かれてあった。笑

たぶん、他の本だと

「面白かったところを書きましょう」

って言われるだろうけど、なにせギリシャ神話だから、すべて面白くて、めっちゃ興味深い内容の文章だから、先生も

「ギリシャ神話に夏休みの間にふれること出来て、よかったですね」

って書いてしまったのかなあ~って思った。

まあ、でも、ギリシャ神話にも色んなエピソード書かれてあるから

「こういうところの、誰と誰とのやりとりとか、めっちゃ面白いと思いました」

っていう感想文は、ぜったい書けるとは思うんだけれども...


絵日記も、ぜんぜん書いてなかったから、ママに

「いつ頃、どこに行ったっけ?」

って聞いたら

「海とか、いろんなとこ行ってるんだから、適当に書いときなさいっ!」

って言われてしまった。


滋賀に住んでる、いとこの小学生の女の子から電話で

「国語の宿題で、方言を調べなきゃならないから、沖縄県の方言を教えて!」

って言われた。ママは、リビングの壁掛けに書かれてあった沖縄の方言を教えていたけど、「にへーでーびる」を「へにーびーでる」みたいに言ってて、ちょっと間違ってたから

「ちがうよっ!」

って言ったら

「なんで知ってるの?」

って聞かれて

「知らないけど、そう書いてあるよ!」

って言ったら

「あっ!ほんとだ」

って気付いて、教え直してた。笑


日曜日の朝、目覚めてリビングに向かってたら、ママとパパの部屋のドア開いてて、チラッと見たら、ママのおっぱいをパパさわってた。ママ、ボクに気付いて笑ってた。


それから、リビングのテーブルで、妹といっしょにイラストを描いてたら、ママとパパもやって来て

「何、描いてるの?」

って聞くから

「栗の妖精のキャラクターのクリランだよ」

って言ったら

「クリちゃん?」

って言って2人でめっちゃ喜んでた。

「ん?なんだなんだ?どうしたんだ?」

って思って、妹と顔を見合わせた。

「クリちゃん、クリちゃん」

ってパパ言ってて、ママは赤くなって照れていた。

「仲良いなあ~」

って思った。

「夜もママのクリで遊んでたのかな?」

って、まだ中2のボクはクリのこと、よくわかってなかったけど、そんなふうに思った。


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