第4話
中学の制服はジェンダーレスだった。
上はシャツとジャケット。下はパンツでもスカートでも良かった。
ボクはショートパンツの上にスカートをはいていた。
体操服も女子用のにした。水泳着も女子用の水着にした。
そんなボクなのに、先生は
「あやめちゃん、学級委員になってね」
って、おっしゃった。
ボクは転校したてで、みんなのこと、よくわからないのに、先生にそう言われたので、学級委員になることにした。
それから先生に
「あやめちゃんは女の子みたいだから、更衣室や洗面所も女子用を使ってね」
って言われた。
体育の着替えも女子といっしょにやっている。
沖縄でも、家に遊びに来た妹の友達は、ボクのことを女の子だと思っていた。妹は
「沖縄でも、やっぱりみんな、お姉ちゃんだと思うのかあ~。あやめっちは、本当に女の子なんだね」
って感じだった。妹は
「もう、いい!お姉ちゃんで!」
って思ったみたいだった。
今までは、上級生の女子から
「可愛い~」
って思われてたけど、沖縄に来てからは、下の子からも
「女の子みたいなのも可愛くて良いさぁ~」
って思われるようになったみたい。
小学生の妹の友達からも
「あやめっち、あやめっち」
「あやめっち可愛い~」
って言われるようになった。
でも中学に行くと、やはり上級生の女子に人気あって、沖縄でも追いかけまわされてしまう。
と思っていたら、下の中1の女子からも
「あやめちゃん可愛い~」
って言われた。
だんだん、上級生からも下級生からも
「可愛い~」
って追いかけられるようになった。
学校行事で、学級委員全員の離島での研修合宿でも、上級生と下級生の委員から、追いかけられてしまった。
同じクラスの優奈ちゃんから
「あやめちゃん、前の中学では何部だったの?」
って聞かれて
「美術部だよ」
って言ったら
「美術部に知ってる仲良しの子いるから、紹介してあげようか...てか、いっしょに美術部入ろう!」
って言ってくれて、優奈ちゃんといっしょに美術部で絵を描きはじめた。
家も優奈ちゃんと同じ方向だったから、美術部おわってからも、いっしょに帰った。
学校でも、いつも優奈ちゃんといっしょに行動していた。学校に行ったら、すぐ優奈ちゃんのところに行って、しゃべってた。
体育の着替えもいつも優奈ちゃんといっしょにやって、授業も優奈ちゃんといっしょに出た。
カバンやスリッパも、中学校の校章の入った、黒と赤の2色あったけど、赤のほうにした。
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