第75話 今度は海辺の街

ニュデリイ第3の都市、ダバダッタの街に到着した。


初めて商業ギルドに入った。


商業ギルドの作りは入って正面が大きなホール、左側に受け付けカウンターまでは冒険者ギルドと同じ。右側の冒険者ギルドなら飲食スペースがあった場所に、ボートと陳列棚があり、商品の依頼書とサンプルなどか置いてあった。


ここは、北を上にした地図でも見ると、逆三角形の半島にある国の東の海に面した場所で、3000キロある海岸線の真ん中くらいにある。


「おお~、お菓子類が置いてある商会のラインナップもある。沼様は荒れてる敗戦国に行けって行ったけど、贅沢品は戦勝国の方が豊富だよな」


『む、本当は強盗まみれの敗戦国ネパルントに行って欲しいがな。スイーツも捨てがたい』


「じゃあこの辺、小島が多くて海賊が出るらしいからアジトでお宝探しかな。旅したいから、色々と回るよ」


『期待してる』


受け付けの順番が回ってきた。


「いらっしゃいませ。ご用件はなんでしょうか」


「登録とワニ、スッポーンの依頼書を見たから売りたいんだけど」


先に登録を済ませた。


「あの、スッポーンは依頼書にあった通り、甲羅70センチサイズより上のレア物ですが、捕獲済みでしょうか」


「逆に聞きたいげど、「そんな小さい」スッポーンは持ってなくて、1メートルから2メートルしかないんだよね。ワニも依頼書に5メートルってあったけど、7メートル以上しか手持ちがない」


ざわ、ざわ、ざわ。


「え?そんなに大きい素材をお持ちですか。すみません。そのサイズでは、勝手に値がつけられません。依頼主に連絡させて頂いてよろしいでしょうか」


商業ギルドは対応も丁寧だ。


「また2、3日後に来るね」


街を歩くと声をかけられた。悪意はない。ここはやや南の国。


濃い髪色で顔も濃い人は多いが、色白の銀髪美女は珍しい。そんだけだ。


私自身は人妻になったつもりだが、外から見たら独り身。なんせお相手は「沼」という異次元で眠っている。


「終戦後だから荒れてるかと思ったけど、指導者がいいらしいな。職業軍人と市民の生活が区分けされてる」


『サーシャ、ダンジョンか海に行け。この街は、アタイが興味ない善良な市民で溢れとる』


次の日、情報だけ求めに冒険者ギルドに行った。受け付けは通さず、盗賊討伐依頼、ダンジョン情報だけ探した。


「海を南東に130キロ行くと国境を越えて、100の島で作られたパリヒ諸島。そのうちの4つがダンジョン島になってるってさ。沼様、ダンジョンに入っていい?」


『そうだな。海にオークのようなスケベ魔物がいたらいいな』


「じゃあ、特級ダンジョンがあるイタス島に行く。周りに海賊の島も多いから楽しめるよ」


『うむ』


旅の途中で考えた。ジュライの絡みで未知の勢力に狙われたが、もっと強ければジュライ自体をどうにかできた。


私は、誰が正義とか気にしないのだ。メロンやカリナの故郷を助けるために、そんな感じになっただけだ。


強化スキルを得られない代わりに沼の「経験値10倍システム」がある。


沼様も事情は分かってくれたし、レベル300を目指したい。



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