第17話
リサは夜中、友人のエイミに、万事屋カメンムシで拝借したものについて相談した。エイミ「それで、あなたとってきちゃったの?」
リサ 「うん」
エイミ「いくらなんでも、あんた、好きなら直接もういっちゃえばいいのに」
リサ 「それはそうだけど、一応近くに住んでる幼馴染だし、今更ちょっと関係を作りづらいってのがあって……」
エイミは電話越しでため息をついた。
「しょうがないわねえ」
エイミはもともと魔術に詳しい、いわゆるオタクだった。といっても人間の世界でいわれている知識しか持ち合わせておらず、それが実際魔女についての正しい知識であるかは定かではなかった。しかしリサに説得され、そうしてエイミが調べたところによると、魔女の道具のひとつにある種の暗示をかけるアイテムがあるらしく、それが棒状の形をしているらしいという事がわかった。
リサ 「明日早速使ってみよう、効果あるか試してみたい」
エイミ「もしかしたら、だから、あまり信用しないでね」
その翌日、リサはエイミに頼み学校に魔術本を持ってきてもらい、昼休みに二人で屋上にいき、術の使用法を聞いた後、ある男に電話をかけた。
「もしもし、トールズ?あなたがいってた、パーティにきたいって話、きてもいいけど」
電話の向こうでは男の沸き上がる声が聞こえた。エイミはその様子に心配した様子を見せる。
「一つ条件がある、デザを君がくるならいいよ、いっちゃわるいけど君は素行が悪いって有名だし、デザ君がくるなら安心」
「でもいま喧嘩中だしなあ」
そこでエイミが小声で、さとすようにいった。
(ホラ、相手はリサのことしかかんがえてないよ、ヤンキーだし、リスクでかいって)
(大丈夫、昔なじみだから)
そういって、リサは飛び切りかわいらしい声をだしてねだった。
「お願い」
そこで奇妙な呪文をエイミがつぶやき、それにあわせてリサは棒を二回ふった。そうすると電話口でしばらく、5分ほど相手はだまっていたが、しばらくして乞う返事があった。
「つれてくるよ」
エイミ(お)
リサ (やった!!ホラきた!!)
電話をきったあと、むしろエイミのほうが浮かれたようにリサにとびついた。
「嘘、やっぱり効果あるんじゃない?それ」
「あろうとなかろうと、ラッキーだわ、とりあえずこれはお守りにしなきゃね」
そういって、リサはスマホでついでにデザにチャットツールを介して連絡を送ろうとする。その時、エイミがリサの肩をポンポンと叩く。
「何?」
「なんか、今日薄暗い嫌な天気ね」
そういってエイミは上空を見上げていた。薄黒い雲が、今にも雨を降らせそうに空を覆っていた。
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