第21話 知恵は年寄りから
「何ともまあ、簡単にひっくり返ったり、へたれたりと
確かにね。僕もそれはよく思うわけですが。容赦ない
「こう何度も起こされたりすれば、そりゃまあ思うわい」
「ま、ヘタレだし。肝っ玉小さいって何度も言っているからにゃあ」
呆れ気味にマオウが感想を述べる。仕方ないといえば仕方ないけれども、どんだけ気絶しているのか。
「よく状況がわからないのだが」
赤井主任の反応はごもっとだ。
「ま、自分もよくわかっていないのですが、過去の偉人をこのアリエスさんが降ろしているという状況ですかね」
「わりとすごい状況じゃないのではないか。飛田君」
そりゃまあ、うん。すごいというか、すごい『変なこと』になっていることだけは理解している。
「その辺は雅弥の呪紋というか、呪いのようなものが奇跡的にマッチして、ご都合主義みたいなのが走ったようにしか見えないのだけかもしれないにゃん」
マオウの言葉が信じられそうで怖い。ケイの呪いともいえる呪紋を大量に体に刻んだせいで、変なことがいろいろ起きることがあるからね。未だに。
「何というか、適当なご都合主義じゃのう」
「ま、そうですが。ついでに宝珠を治せる何かとか、知っていませんかね。年寄りの知恵として」
「まあ、呪いを解く宝珠の穢れを払うとか、何かもう無茶な話かもしれんが。なんとなく知っているのはわしが昔天秤を取りに行く途中にあった滝があっての。清らかな男だけが入れる滝があって」
どうして、そこは女じゃないの。
目から血の涙が出そう。
「いやまあうん、だから、廃れたというか、誰も知らないというか、偶然童貞の男が入っていってて、奇麗になる何か、武器を見てな。そうじゃな、男のような娘のような男(童貞)だったような」
なんかもう、気持ち悪くて鳥肌が立ちそうな気もするし、何かそれもいいような気がするし。頭がおかしくなりそうだ。
「では、俺が人化の魔術で」
「やめて。さっきの小太りのおっさんの男の娘なんて見たくない」
「しかし、それで解決とか」
「駄目です」
有無を言わせぬ、マオウの眼力に赤井主任(オーガ)の言葉が尻つぼみになる。
「でも」
「気持ち悪いおっさんを想像したくないし、何か恋人とかいそうだし」
「まあ、婚約者はいるぞ」
いいぞ、もっと言ってやれ。リア充が。
「では、解決方法がないぞ」
「そんなのどうせ、雅弥の師匠向きのいたずらの呪いとかぜっったいにあるにゃん」
と、僕の目をマオウがのぞき込む。
かわいいマーブル色の目が僕を見つめてきているがそんなものはあるわけがないわけで。
「じゃあ、妄想で男の娘を想像してみろ」
「なんでや! わけのわからんことを」
「大好きなフォルダ(賢者)にもサキュバス(男の娘)のASMR(イラスト付き)がPCにダウンロードされているのを私は見たし、聴いた。割と好き」
ぐえっ、パスワードが懸かっているのに、どうして。
「適当にmasaya123456っていれたら、できた」
ぬかったわっ!
ぐあっ、まぶしっ。
「男の娘はきれいだおーん」
もう、やけくそだあっ。
ケイの野郎、どれだけ僕を弄ぶんだ。
まじで次に会ったら、コロス。
絶対に。
何で僕の性癖とか想像したら、変身をさせるんだ。
確かに色々と語り合ったけど、そういうところばかり歪んじゃうのはとてもいけないと僕は思うの。マジで。
いくら、千年生きてエッチなことができないからってひねくれないで。
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