第1話 メガタートル
唐突に頭の中に膨大な記憶が流れてくる
「あがっ……うっ」
頭が割れそうな程に痛い
名前は海藤 龍之介?
ん?どうなっているんだ?
俺は絆ダンやってたはず?
これ俗に言う転生ってやつか
「だけど見た感じ普通に日本っぽいな
それでこいつは普段何してるんだ?」
今は中学3年生になったところ……で今日が冬休み明けの最初の登校日みたいだな
「というか最初の登校日?
今何時なんだ?」
「え……嘘だろ……登校時間知らねぇけど9時はだいたいアウトだろうが」
「てか親はどうしたんだよ!?」
「ん?あぁ共働きであまりに帰ってこねぇのか」
「さっさと着替えて急ぐか
訳わかんねぇけど2度目の人生だったらやれることは全部やっといた方がいいに決まってる」
「この制服ネクタイあんのかよ
あーめんどくせぇ
ネクタイ締めて?」
「なんだ?ネクタイ締めるのを体が拒絶してる?
あ?きつく締めるなってことか……?」
「ん?なるほどな
俺がこの体に入る前は結構な不良だったのか」
「まぁいい、注意されてから考えよう」
「さっさと学校行くか」
転生するなら異世界とか考えてたが……マジで普通に日本だな
「てかここどこだ?」
記憶を頼りに道を歩いてるけど本当にどこかわからねぇ
さっきから木造のボロい家が多いな
田舎?なのか……
「よし!見えてきた」
門も開いてるし全然大丈夫そうだ
てか全然教師がいないな
今は授業してんのか
「3ー2、ここか」
俺自身は遅刻したりして授業中に教室に入るのはすげぇ苦手なんだがこの体はもう慣れてるらしい
ガラガラガラ─
「遅れましたー」
「海藤か
はぁ、さっさと席につけ」
教師の態度がだいぶ悪いな
いや俺が悪いのか
てか新学年になって最初の登校日だから席わかんねぇな
「先生~
俺の席どこですか?」
「ああ、そこだ」
教師が指さした先は前から2番目の無難な席だった
「ありがとうございまぁ~す」
あ~教科書も何も持ってきてねぇ
でもこのまま寝るのも心象悪いよな
横の席は女子か
「なぁ教科書見せてもらってもいいか?」
「ひぇ!
あっうん、もちろんいいよ」
まるで怯えたかのような反応だな
なんか悪いことしたか?
途中まで授業真面目に聞こうとしたが前世の記憶のせいでつまらないなんてものじゃない
机に突っ伏して寝てたら授業が終わってた
俺が今起きたのはある言葉が聞こえてきたからだ
「メガタートル?」
聞き覚えのある言葉だ
絆ダンに出てきたモンスターの一種
もしものが空耳じゃなければ……
「なぁそこのお前メガタートルがどうしたんだ?」
ここまで高圧的に聞くつもりはなかったんだが無意識でこうなってた
克服するのも面倒だし問題が起きるまで放置でいいだろう
先ほどまで目はタートルの話をしていた男子はいわゆる陽キャと呼ばれる部類の人間で周りには男子3人女子2人がいる
このクラスにカーストが存在するならばそのトップに位置する奴らだろう
陽キャっぽいからいきなり話しかけても大丈夫だと思ったんだが固まっている
忘れていたがこれはかなりガタイがよく身長はもう175センチを超えている
そして中2の頃から悪い噂もある
そのせいで固まっているんだろう
「おーい、大丈夫かぁ?」
「あ、ごめんなさい」
「なに謝ってんだ?」
「うん、ごめん
それでメガタートルの話でいい?」
「そうそう、それで?メガタートルがどうしたんだ?」
「いやごめんね
大した話じゃないんだけどメガタートルの卵を誕生日プレゼントで買ってもらったんだ」
「!そうか、サンキュー
俺もう帰るわ」
「え?帰る?
2時間目の授業を受けただけなのに?」
「先生さようなら~」
即断即決は大切なことだ
これは俺が前世で学んだことでもある
「メガタートルの卵……間違いない
ここは絆ダンの世界だ!!」
「くぅ~~
最高だ」
「ロマンを追い求めた厳選の続きを始めようじゃないか」
「となれば早速家に帰って親に話すか」
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