ゲーム世界のモブに転生した俺はロマンを求める

働き蜂

プロローグ



「くそっなんでだよ!確率バグってんだろ」


 絆のダンジョン3という全然売れてないのにすでに続編が出ることが決定しているという資金源がよく分からないゲームをしていた


 このゲームは現代の日本にダンジョンが突如発生した世界が舞台となっている


 自由度の高いゲームではあるがこのゲームは育成ゲーム等に分類されるものだ

 ダンジョンの中に存在するモンスターの巣から卵を奪って刷り込みをすることで仲間にするという少し人道に反するものではあるがその圧倒的なやり込み要素ゆえに今も命を削ってプレイをしていた


「キツいけど厳選ほど楽しいことはないなぁ

 だけどさすがにそろそろ出てくれ

 もう俺の休日終わっちまうよ」


 さすがに眠いなあ

 週末完徹して厳選を続けてるのに全然でねぇ


 理想個体が出た後も育成作業がかなりキツいのにこんなに無理して出ないとはな


 厳選作業をしながらスマホで音楽を聞きながら、有名ユーチューバーの厳選作業を無音で見て、さらにもう一台のスマホで狙っているモンスターの育成論を調べている


 厳選して極限までこだわったモンスターで敵を圧倒することほど楽しいことはないのだ

 そのためならどれだけキツい厳選でも続けられる


 俺はもともとマルチタスクを苦手としているがこの絆ダンキズダンのためならなんだって出来る


「あーーー、くそっやべぇ、そろそろ会社行かねえといけないのに」


「……そろそろ出そうな気がする

 確率が収束しているような感じがするんだ

 こんなとこで止まるわけにはいかない」


「もういい!あんなブラック企業はこっちから願い下げだ」


「毎日毎日こき使ってタイムカード勝手に切りやがってよぉ」


「俺はもう自由だ!!」


「うぉーーー自由だと思ったらやる気出てきた!

 あと30時間ぐらいは余裕でいける

 俺の休日はこれからだ!」


 バタッ──────

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