第2話 豪邸




 学校に行く時はあんまり気にしてなかったがデカイな

 真っ白いコンクリート造りの豪邸だ


 庭にはでっかいプールもあるし

 リビングは天井の高さが8メートルはある吹き抜けだ


 まぁいいや早速頼んでみるか



「……そうだ」


 共働きで全然家にいねぇんだった……


 確か研究職についてたはず

 それもダンジョンについての

 ある程度理解はあるはずだ

 とりあえず帰ってくるまで待つか……


 そうだ!いつも全然帰ってこねぇんだった

 帰って着たとしても深夜とかだ


 1回電話してみるか


 プルルルル──────プルルルル─────


 カチャッ──────


「ん?母さん

 俺だよ!俺」


「あら龍之介?

 こんな時間にどうしたの?」


「俺、探索者シーカーになろうと思うんだ

 それで金がいるからちょっとお金出してくれないかなって」


 探索者ってのは簡単に言えばダンジョンに潜ることを生業としている者のことだ


「まぁ素敵

 やりたいことがないって言ってたから心配してたんだけど遂に見つけたのね

 だけど危険じゃない?

 探索者なんて」


「いや全然危険じゃないよ

 装備さえ整っていればね

 しっかりした装備があれば安全に稼げるんだ」


「うーん、たしかにその通りね

 口座にまとまったお金を振り込んでおくわ

 それとおれおれ詐欺みたいな話し方止めなさいよ」


「ありがとーバイバイ」


 ブチッ───


 よし!まとまったお金が手に入る

 幸い父さんと母さんはダンジョン研究の研究者の中でもエリート中のエリート

 1ヶ月で数百万を稼ぐ人たちだ

 期待していいだろう


 少し騙すようなことをしたのは申し訳ないが今の俺は龍之介の記憶も混ざっているし龍之介の意識もたしかに存在する

 龍之介が死んだわけでもない


「お金が振り込んでもらえるとわかったところだし口座から下ろしに行くか」




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




 ダンジョン用品のほとんどはダンジョンマートと呼ばれる巨大な施設で購入できる

 そして調べたところ今俺がいるのは京都らしい


 そういえば絆のダンジョン3も舞台は京都だった


 先ほどまで全く気にしていなかったが俺、海藤

龍之介が物語に出てきた記憶はない


 つまり物語のモブかなにかということだ


 だけどそんなことはどうでもいい

 元々主人公がどうとかあまり関係ないゲームだ


 俺はロマンを求める

 生前果たせなかった厳選の先にあるロマンを!

 敵を踏み潰す快感を求めて!

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