第6話 ここらで総括!双子の妹と振り返り!
「ねぇイリス......今日...うち来る?」
「へ?」
あまりにも唐突なお誘いに正直私は困惑している。
だって私たちついさっきまで事務所内上体起こし最強決定戦をやってたんだぞ!?それがさっき電話に出た後いきなりなその報告に私は戸惑いを隠せないドラゲナイ
「あの...連兎...私と連兎は別にそんな関係じゃないですよね...いや...勘違いさせてたのならごめんなさい...」
「は?そーいうのじゃないよ、ちょっと妹から呼ばれたからついでにイリスもつれてこようとしてるだけ」
「.........乙女の純情裏切らないでくださいよ」
ちょっとドキッとしてしまったでは無いか...
「はいはい、勘違いさせてごめんなさい、ほら荷物持って今から行くよ!」
「え!?今から!?」
「うん、至急らしい、私達だって暇じゃないってのに...」
「いやだいぶ暇だったでしょ」
暇じゃなきゃ事務所内上体起こし最強決定戦なんてやらないと思う...
「はいはーい!それって私たちも行っていいですかー?」
さとこちゃんが手を挙げて連兎に質問する。
「うーん、ダメ」
「なんで〜!?」
「何となく?」
「何となくってなんですか!」
「ほらあんたはそこでゼェゼェ息を吐いてるルミアの介抱でもやってなさい」
「え〜」
さとこちゃんはブーブー言いながら横に倒れてバグりだすバグりだす!?
「あーもう!イリスさっさと行くよ!」
「え!?あれ放置してくんですか?めっちゃ痙攣してますよ!?」
「めんどくさいのは放置一択」
「強引だなぁ」
こうしてバグりまくってるさとこちゃんを置いて、私たちは外へ出ていく、連兎いつになくちょっと焦ってるな?それほど重要ななにかなのだろうか...
〜***〜
私達は事務所の裏にあるRENTボイルダー(命名連兎)というクソダサい名前のバイクに乗って連兎の家に向かう。
連兎曰くそこそこ遠い郊外にあるらしく、バイクで15分くらいかかるらしい。
結局その後もなんで家に呼ばれたのか中々聞けず...私達はただただ連兎の家に向かって行っていた。
「ねぇイリスー」
「なんですか?」
「なんかさ久しぶりじゃない?」
「久しぶり?」
「そっ私たちが二人で行動するの」
「確かに...ルミアちゃんがバイトに入ってからは完全に2人でってこと、あんまりありませんでしたからね」
「そーだねー遊園地以来...いやあれも結局はさとこちゃんとかなしなとかもくっついて来てたしな〜」
「だとしたら本当に2人だけで解決した事件って」
「そうだな〜あのストーカー事件以来か...」
ストーカー事件...千恵さんの事か...私はあの時のことを頭に思い浮かべ、回想する
〈〜探偵はタイヘン?〜〉
『「それで、千絵さんはなんでこの事務所に?」
「実は私ここ数日誰かにストーカーされている気がするんです』
あの頃の私にとってはある種、ここが転機だったのかも知れない
「そーいえば連兎、あの時は散々下らないもの入れまくって遊んでましたよね」
「いやいや失礼だなぁ〜全然遊んでなんていませんでしたよ?」
白々しく話す連兎に顔面パンチを繰り出そうか迷ったが、面倒臭いので諦めた。
「それをいうなら!イリスは油断しまくって撃たれてたじゃん!」
「あれは...」
『「はあ、はあ、はあ」
イリスは完全に油断していた。
最初に振り下ろして来たのがナイフだったからそれ以上はないと勝手に考えていた。
ナイフを避けた後に数発蹴りを叩き込み悶絶させたと思っていたのに、まさかその油断を突かれることになる.
「まさか銃を持っていたなんて」
脇腹に一発もらってしまった。
「ははこりゃ大ピンチなんてところじゃないな」
イリスは体に全く力が入らない。いや恐怖で力を入れることすらままならないのだ。
「ひどいなあ、急に蹴ってくるなんて野蛮じゃないかあ」
「銃打ってくる奴がなにほざいているんですか」
「ん?」
ストーカーは銃を向けてくる
「ッッッッ!!」
イリスはひどくおびえてしまう
「君は面白いねえ、千恵ちゃんもこれぐらい怯えてくれるといいんだけど」
「千恵さんに何をするつもりだ!」
「それはお楽しみ♪」
「ふざけるな!」
「生意気な口きけるの?」
再び銃口を向けられる
「ひっ」
イリスは再び恐怖で体がすくませる
「じゃあ死んでもらおっかな」
ダン!銃声が...鳴り響く...』
「確かに油断でピンチにはなりましたけど、それまでは優勢で...」
「はいはい、言い訳しない!」
「そんなこと言ったら...連兎だって...」
『銃声が鳴り響く.....しかしイリスには傷1つついていなかった、連兎がストーカーに殴りかかったことで銃弾の方向を変えていたのだ。
「イリス?油断しちゃダメじゃなかったっけ?」
「それに関しては...すいません...」
「まあまあ、銃弾はどうやらわき腹を少し貫通しただけっぽいね、それでも馬鹿にできないケガだけど」
「なにごちゃごちゃ話してるのかなあ?」
「君を倒す話」
連兎は軽口を言ったあとストーカーへと向かっていくイリスには...そんな連兎の姿がやけにかっこよく見えた...
連兎は素早い身のこなしでストーカーから銃を取り上げ抑え込み尋問を開始する...しかし
「さて警察じゃないけど一つ聞いておこうか、その銃どこから仕入れてきた」
「言うわけないじゃないか」
「お前自分の状況がわかってないのか!」
「わかってないのはそっちだ、今僕と君の距離はゼロなんだよ?」
隠し持っていた銃で連兎は撃たれ、その場に倒れてしまう...
「さてと、そろそろ千恵ちゃんを殺しに行こうか」
「させない!」
「邪魔だ!」
場を去ろうとするストーカーを連兎はなんとか抑えようとする...しかしその度に何発も何発も撃たれる
連兎の目的は事前に連絡しておいた警察が、来るまでの時間稼ぎだった。
無事に警察は来たのだが結局連兎とイリスは全治数週間の怪我を負うこととなるのだった。』
「ほら!ボロボロ!」
「私のは名誉のボロボロじゃん!」
「ボロボロに名誉もクソもないですよ!?」
「あるもん!」
「「むうううううううううう!!」」
私達は睨み合い威嚇し合う...
「やめよう...」
「確かに...こんな無駄なことってないですね」
だって私たちは町の中心部から何気に
「それにほら」
連兎は突然止まって右を指さす...そこには
「ここが...連兎の...」
「そう私の実家...虹風家だよ」
〜***〜
虹風家...連兎の実家...めっちゃ広い...とにかく広い...家自体は普通の二階建てと大差ない...いや2倍はあるくらいのサイズなのだが、とにかくそれ以外の部分が広い、二階建ての家があと2建は立つんじゃないかって言うぐらいには全然広い...
「ひっろ...ここどうなってるですか!?」
「うん..ウチの母さんが都心は空気が汚ねえしなんか色々狭くてムカつくって言って郊外にばがでけぇ土地買って...くそデカい家建てた、まあ引っ越したのはルミアが生まれた頃だったからもうその頃には元の家じゃだいぶ狭いってのもあったんだけどね」
「へぇー」
とはいえこんなデカい家だと色々持て余しそうなものだが
「おばあちゃんとかおじいちゃんとかよばなかったんですか?」
「うちの祖母祖父は両家とも住んでるところが大好きでね、死ぬならそこで死にたいって」
「ほぉ〜じゃあ今は連兎以外の家族勢揃いって感じなんですか?」
「それも違うよ〜?」
「違うんですか」
玄関に入り、とりあえず置かれていたペットボトルの内ほうじ茶の方をを渡されるちなみにもう片方はグリーンダルルォという連兎の好きなミネラルウォーターだった、ソファーに案内されたのでとりあえず座りながら話す
「うん、なしなもなんか知らんうちに管理人になってたシェアハウスに幼なじみと住んでる」
「何それ...こっわ」
「なんかね郵便に書類が入っててなんか色々相続されてたらしいよ」
「まじかー、良く住む気になりましたね」
「いや〜受かった高校に近かったらしくて、しっかりものの幼なじみがいるならまあ別にいいかなってことで」
「ちなみにその幼なじみの性別は?」
「女」
「oh...良くOK出ましたね...男は狼ってよく言うじゃないですか...」
「ヒント見た目と性格」
「あーそりゃなしな君はそんな度胸無さそうですよね」
「そういうこと、だからここに住んでるのは父と母と秘書が忙しすぎて引っ越す暇のない世良姉さんとまだ高校生で家もそこまで遠くないルミア、シンプルに一人暮らしができないタイプで浪費癖のある胡桃、引きこもりの辰離ってバカアホ妹の4人だね」
後半2人の説明になにか悪意を感じるがとりあえず流す。
「さてと...私ちょっとトイレ行ってくるからそこで待ってて」
「ん、分かりました。」
さて、連兎はトイレに行ったので私はやることが無い、出来れば連兎の昔の部屋とかも見てみたい気持ちはあるが、どこかわからんし
「うーん、人の実家で待つことほどなんとも言えない暇さが出るものは無いかもしれませんね」
「悪かったね〜暇で」
「え?」
私が後ろを振り向くと先程トイレに行ったばかりの連兎が目の前にいた。
「あれ...連兎...早いお帰りですね」
「うん、思ったより...ね?」
「ああ、分かりました。」
まあ...大っぴらにそんなこと口には言えんわな、いくら連兎と言えど
「まあそれよりさ、私の部屋来ない?」
「え?」
「ほら...ここで話すのもあれだしさ」
「まあ〜良いですけど...」
「じゃあ行くか、ちゃんと着いてきてねー」
「はーい」
連兎に連れられて私は部屋に案内される。
階段を登り2階へ上がる。
「こっから突き当たり真っ直ぐの部屋が私の」
「んで、左の一番端が世良姉でそっから右に辰離、私、胡桃、なしな、ルミアの順で...まあつまり誕生順で並んでる。」
実際連兎の言う通り、世良さん、辰離さん、連兎、胡桃、なしな君、ルミアちゃんの順で部屋の名札がついている
「ほぉほぉ、建てた時ルミアちゃんまだ赤ちゃんですよね?その頃から将来を想定してちゃんと部屋作るってしっかりしてますね」
「うちの親は、かなりの子煩悩だからねー子供の未来についてだいぶ真面目に考えてるんだよ、まっ今はそんなことはいいから入って入って」
私は連兎に導かれるように部屋の中に入っていく、部屋の中は薄暗く周りのものが良く見えない、そんなに部屋を見せたくないのだろうか?
「薄暗いんで電気ぐらいつけたらどうですか?」
「良いんだよこんぐらいで」
「まぁそうですよねー」
「そうそう明るくてもいいことないから」
「確かに明るくしちゃうとここが連兎の部屋じゃないことがバレちゃいますもんね」
「そうそう......え?」
「この家の子ども部屋って左から右に誕生順で並んでるんですよね?」
「うん...そうだよ?」
「だったら連兎と辰離さんの部屋だけおかしくないですか?双子とはいえ、生まれたのは連兎の方が先ですよね?」
「あはははは......そんなのわかんないじゃん」
「おかしいですね、少なくとも私の知る連兎は辰離さん、あなたの事を妹と言っていましたが」
「あーーーーーバレちゃってたか...」
「そもそもその服も綺麗すぎるんですよ、使用感がない、第一連兎の匂いが染み付いていない!」
「特定の仕方に少しキモさも感じるが...まあさすが探偵助手かな?せっかく連兎の好きなグリーンダルルォに下剤仕込んでおいたのに」
「はぁ〜下剤まで仕込んで服装まで同じものを用意して、なんなら部屋まで偽れば良かったのに」
「そうしたいのはやまやまなんだけど...連兎の部屋、今私の巨大ジオラマ展示場として使ってるから使えないんだよね...」
「片付ければいいじゃないですか」
「そんな!ジオラマの配置も完璧な私の最高傑作を壊すなんてとても出来ない!」
「そんなんで初っ端から連兎が部屋に行ったらどうするつもりだったんですか」
「それは...そんとき考える」
「最低だ...まぁあとは下剤飲んだ連兎が終わるのを待つだけです。」
「そうだねぇ...ところでさ」
「はい」
「ペットボトルは2本だったよね?」
「はい」
「つまり高確率で君もほうじ茶を飲む訳だ」
「何が言いたんですか?」
「なんで何も仕込んでないと言い切れるのかな?」
「は?」
ドクン!
全身が痺れだす、しまった....遅効性か...
「一転攻勢♡さてさて...触診タイムだ♡」
「辞めろッ」
「ほーれまずは太ももから」
そういうと辰離さんは太ももに指をねっとり沈みこませるように触ってくる。
うう気持ち悪い
「嗚呼!気持ちいいよォ!うーん...このもちもちとした感触、なんとも言えない完璧なフィット感!もう触ってるだけで絶頂しそうだ!この細さでこれほど満足のいく太ももがあるなんて!」
キモイ!キモすぎる!これ以上連兎の見た目でそんなこと言わないで欲しい!それくらいにはキモすぎる!
「そしてふふふふふふふいい付け根だァ♡」
「一体何を...」
「圧迫祭りじゃああああああああああぁぁぁ!!!」
「はああああああ!?」
こいつ!私の股に...飛び込んで
「はぁ!はぁ!はぁ!コントーロールが!コントロールが効かない!でもダメだ!エッチだ!エッチすぎる!」
「やめろ!やめろ!まじでやめろ!せめてもう連兎の姿でそんなことしてないで!」
「エクスタシー!」
「もう黙れよお前!」
なんかもうダメだと感じたこいつ連兎とは別ベクトルでキモすぎる!
「それじゃあお胸の方の閲覧に...」
ダメだ...私もう今回は彼女にめちゃくちゃされちゃうんだ...
「はいはいそこまでね」
「え?」
「「連兎!?」」
本物だ...今回はわかる...今回こそ本物だ...私の本能でそれがわかる!連兎の匂いがすっごいする
「なんで......ここに!?」
「なあ辰離、詰めが甘い、ちゃんと私がダルルォ飲んでるとこ見たか?」
「そういえば...見てない気が」
「だろ?」
「で...でも...じゃあなんで今まで...」
「そりゃあひとつよ、ほれ」
連兎は私たちにひとつの映像を見せる。そこには私が辰離さんに襲われる姿がまじまじと映っていた。
「あ〜!」
「これを姉さんに見せる」
「待って!やめて連兎!ね?お願い!もう脅したりしないから!」
「え?脅す?」
「そう...こいつ私の事ずっと脅してたんだよ、むかし私の書いていたラブレターで」
ラブレター!?連兎が!?
「まあアレ添削したの私だからね」
「なんでこんなのに添削任せんだか、そのせいでそのラブレターを発見されてからここ1年ぐらい、こいつに逆らえんかったよ...まあ今はそんなことないんだけどね」
連兎は辰離さんに顔を近づけてニコニコ笑う
「あばばばばは」
「これでお互い様だなぁ、なんたって私たちは対等だもんな!双子なんだし!」
「はい...」
「とりあえず下いくか、1度受けた依頼はこなすのが主義だし」
どうやら私は助かったらしい...にしてもラブレターが誰宛なんだろう?あの連兎が惚れるような人物...気になるな...
そんなことを思いながら渡された痺れ薬の解毒剤を飲み、下の階へ降りて行く
〜***〜
降りてきた私達は辰離さんを対面する形でソファーに座っていた
「さてさてさてさてさて...なんでこんなことしたのかから教えてもらおうか」
「えー?聞きたい?」
「早く話してください」
「はい」
「私...小説家なんですよ...」
「知ってる!」
「え!?ただの引きこもりじゃなかったんですか?」
「あれ言って無かったっけ?こいつ離れドラゴンって名前で小説家やってんだよね」
「ま?」
「うん」
「えへへ〜すごいでしょー」
離れドラゴンって前にさとこちゃんが言ってたメイドンナの作者か...これが?
「こんなのが...売れっ子小説家?」
「現実なんてこんなもんよ」
「君たち酷い言いようだね!?」
「それで?なんであんなことを?」
「いやぁ...次回作のヒロインにピッタリな顔と太ももをしてたからつい...」
「うわっキモ」
あまりのキモさに思わず声に出してしまった。
「いやね?これさ!大事なのよ!今回君達を呼んだのにも繋がるの!」
「まさか...服ひん剥いて裸見させろとか言うんじゃ無いでしょうね?」
「別に...そういう訳じゃないよ〜」
「信じられん」
さっき触られた太ももの感触が未だに残ってるし、なんなら気持ち悪すぎて集中出来ない。
「イリス...これはほんとだよ」
連兎が意外な助け舟を出す
「ありゃ...連兎が言うなら本当か...」
「次回作の為に今まで解決来てきた事件について取材させて欲しいんだと」
「まあね〜次回は探偵ものでもやろうかなと」
「そーいうことですか」
「前にストーカー事件のことは聞いたからそれ以降の事件について教えて欲しいな」
「あーじゃああれとあれとあれか」
「いやあれもありますよ、一応依頼なんで」
「確かに...じゃあまずはあれから」
「よく名詞なしでそんな話せるね君達...」
〈〜酒は飲んでも呑まれるな!〜〉
「あの事件は少しトラウマかも...」
「確かに...連兎には珍しく、本気で後遺症が残っていましたからね」
『楽しくお酒を飲んでいた連兎にひとつの依頼が舞い込んでくる、それは商店街に夜な夜な現れては謎の力で店主を洗脳し、売っている酒を格安で勝手に全て持って行ってしまう正体不明の鬼、酒呑童子をなんとかして欲しいと言う、調査の結果、龍殺しという酒を求め、今夜、居酒屋ほっぺに現れるが判明した、早速2人は居酒屋で待ち伏せをしようとする。しかしそこには連兎の妹でイリスの親友、虹風胡桃がいたのだった』
「あ〜そういや胡桃のバ先だったねあそこ」
「それでついでだからと私達も手伝いましたよね」
「あ〜そんな記憶あるわ」
「それでそれで?酒呑童子ってのはどんなやつだったの?」
「酒呑童子か...まあ...色んな意味で凄まじい奴だったかな...」
『「うわああああああああ‼酒吞童子だ!逃げろ!」
居酒屋中に戸惑いと恐れの悲鳴が巻き起こる、それは酒呑童子の恐ろしさを示すのには充分だった。どんな恐ろしい姿なのだろうか?連兎、イリス、胡桃はカウンターの方へ急ぐ...そこには...
べろんべろんに酔った11歳くらいの見た目の少女がそこに居た。その少女は息を吐きながら店主にお願いを行う。
「ねえこのお店のお酒全部ちょーだい」
「ええいいわよ」
「やったあ!それじゃあ案内してね」
普段なら絶対に了承しないお願い、それを了承してしまった店主の顔は何処かぼんやりしていた。』
「何それ怖」
「そりゃそうだ私もめちゃくちゃ怖かった。」
「あのなんとも言えない怪異感は軽く恐怖を覚えましたね」
「んでなんでそんな洗脳紛いのことをしたわけよ」
「え〜と確かね」
『「ちょっとまったー!」
連兎の声が酒呑童子の足を止める、これは店主の意思だと主張する酒呑童子に連兎は言う。
「今の店長には本人の意思なんてない、なんたって何も考えられなくなるぐらい酔わされてるんだから」
「ウゲ!?」
龍殺しはそのあまりの強さに吐いた息にすらアルコールが混ざり、酔ってしまう、本当に恐ろしい代物だった。
種を破られた酒呑童子は息を吐き連兎達を酔わせにかかるがすんでの所で連兎が提案する
「このままじゃ両者とも得策じゃない、だから勝負しない?」
こうして商店街の命運がかかった飲み比べが開始する。』
「ほぉーそんな理屈だったのか...」
「そうそう、最初思いついた時は自分でもバカかと思ったけどワンチャンね」
「鬼龍殺しは息まで酒気を帯びるといわれている極上のお酒、それが文字通りそのままだとは誰も思いませんよ...」
「それじゃあ最後に事の顛末だけ」
「分かりました、こればっかりは私が話すしかないですしね」
『連兎と酒呑童子の飲み比べはかなりのものだった。
かなりの押し問答を繰り返し、互角の決戦は続いた
しかし、流石酒呑童子と言うべきか、結局連兎は酔いつぶれてしまう。
このままではまた商店街は危機に瀕してしまう。そんなピンチに立ち上がったのは胡桃だった。
でも胡桃は元々お酒が苦手、実際2...3杯飲んだ時点で酔いつぶれかけてしまう。
しかし、胡桃はそれを何とか耐え、1杯、また1杯と飲んでいく、酒呑童子はそれに押されるようにぐらつき始め...
ついに倒れてしまう。こうして酒呑童子は商店街の1人に倒される形となったのだった。』
「んで、これ以降連兎はお酒にかなりのトラウマができて、しばらく飲めなくなったんですよ」
「ほぉほぉ...結構面白いことになってたんだねぇ〜連兎」
「だから言いたくなかったんだよ...」
「可愛いところもあるんですね」
「うるさいなぁ...ほら次行くよ!次!泥棒事件やつ!」
「ああ...あれですか...ルミアちゃんの初出勤のやつ」
「何それ!めっちゃ聞きたい!」
「それじゃ行くよ」
〈〜バイト初日にパンツ泥棒〜〉
『ルミアのバイト初日にひとつの依頼が舞い込んでくる。それはルミアのクラスメイトにしてルミアの所属するアイドルグループのメンバーの1人だった。
依頼内容はパンツ泥棒を捕まること、どうやら犯人は体育の時間中パンツを盗んだらしいのだ。
そしてさらに想定外のことが連兎達を困惑させる
探しに来ていた探偵は連兎たちだけでは無い...連兎のライバル、探偵事務所蛍火も同じ依頼を受けていたのだった...』
「パンツ泥棒...なんて羨ましいことをッ...!」
「おい?」
「冗談...w冗談...wだからその拳を下ろしてね?ね?連兎」
「ならいい」
「蛍火か...なかなか個性的でしたよね彼らも...」
「確かに...」
『蛍火のメンバー全部で4人
蛍火所長、S(えす)、見た目は完全にヤンチャな女の子なのだが年齢性別は不詳、いつもホームズ的なキセルと探偵帽、そして探偵服を身につけている。性格は連兎以上にガサツでめんどくさがり屋で自分の気に入った依頼以外はやらないらしい、ただその推理力は本物でよく相手の言動を先読みして喋るという嫌がらせをしている。
蛍火副所長、カニカマ、白衣を着た長身の女性で、常にのほほんとしており、何を考えているのかよく分からない。
蛍火雑用係兼探偵助手、ルーム、男なのか女なのかよく分からない見た目をしておりなよなよしてる、ただ仕事はできるらしく今回は事件解決の糸口を掴んでいた。
蛍火バイト兼物理担当、いむかと、バイトとはいえ給料はほかとそんな変わんない、ただバイトという立場と言うだけ、何故かうさ耳をつけているが何故かは分からない、流石物理担当と言うだけあり格闘技術は極まっており、自分の身長より高い塀をジャンプだけで飛び越えられる』
「なんか癖強いね」
「ほんと...めんどくさいやつばっかりだよ」
「ただいい脇役達になりそうだ!」
「は!?こんなヤツら採用すんなよ!」
「だって採用したいじゃんこんな面白い人達!」
「え〜、ほらこの話のオチはめっちゃ面白いからさこいつらは採用しないで!」
「どんな因果関係が...まあいいか」
「それじゃあ続きを...」
『「皆さんお集まりいただきありがとうございます」
「ここからは事件の真相を私連兎が」
「いやこのSが」
「いや私が」
「どっちでもいいから早くしてください」
「「はい」」
探偵達の小競り合いを無理やり終わらせ推理の発表が始まる。
「取り敢えず!犯人を発表します!犯人は!」
「あんただな!音楽科の盗坂電太!」
犯人は前に一度鍵を盗むみ、その時にスペアキーを作ったのだった。
犯人は自分のトリックを明かされてたまらず逃げ出す。
「うわあああああ」
逃げ出す犯人を私達は追い、最後は自分のパンツを犠牲にしたルミアの攻撃により見事解決するのだった。』
「うん普通にトリックにパンチが弱い」
「は?」
「は?じゃないよだって弱いんだから」
「ンも〜現実なんてそんなもんじゃん!」
「これはフィクションなんだからもっと派手派手じゃなきゃ」
「じゃあ次派手なの行く?」
「派手なの?」
「そうそう遊園地の話...」
〈〜遊園地デート珍道中〜〉
『ある日連兎の弟、虹風なしなが探偵事務所を訪ねてくる。彼曰く、最近ストーカーされてる気がするらしいから調査して欲しいとの事
連兎達は調査を開始変な輩がいないかを監視する...するとストーカーをあっさり見つけ出してしまう。そいつの名はなしなのクラスメイトの傘谷さとこ、彼女曰く連兎とイリスの遊園地デートを見せてくれたらストーカーはしないと約束、かくして、連兎とイリスの1日デートが行われることになったのだった。』
「てな感じのあらすじ」
「こっからどうやって派手になるのさ」
「そりゃこれから説明するんだよ」
「なるほど」
「にしてもあれは大変だったな...」
「そうですね、あいつらまた現れなければ良いんですけど」
『連兎達のデート中、さとこは攫われてしまう。
幸いなことに居場所は分かったのだがそこに待っていたのは2人の悪魔だった。
「"グレムリン"、私たちのデータはないわね」
「そうなの"クイーン"?なら良かった。」
互いにグレムリン、クイーンと呼び合う2人はさとこに撮られた写真を消して、ついでにさとこを殺すためにさらった
悪魔みたいな2人』
「何それこっわ、さとこちゃん大丈夫?」
「まあそれはこっからの話を」
「まあそうだね」
「それじゃあ続ける」
『「その子を離せ"クイーン"、さもないと...」
さとこが刺されてしまう、その瞬間、連兎とイリスが助けに入る。しかしそれは次の標的が連兎とイリスに変わっただけだった。殴りかかる連兎にナイフを突き刺す、血反吐を吐き苦しむ連兎、イリスはそんな連兎を見て、怒りを覚える、すると体から赤いラインが浮かび上がり鉄箱を軽々しくぶん投げる。
その光景を見て何かを察したクイーンは帰っていった。』
「わぁ壮絶そりゃインパクトあるわ」
「でしょ?インパクトあるの」
「あん時はまじで連兎が死ぬかと思って必死でしたねまさか鉄箱を投げられるとは」
「ちなみに今はできるの?」
「無理ですね、体に赤いラインが出てる時しか使えません、それも自由に出せる訳じゃないですし」
「へぇーなんなんだろうねそれ」
「神様がくれた不思議な力とか?」
「んな訳じゃないですよ」
「いやあながち間違ってないかもよ?世の中には神様からの恵ものギフテットってのが存在する、普通の人より明らかに突出した才能を持ってる人達だね、絶対音感とかがそうだ。」
「でもそれだってあくまで人間の出来ることの範疇ですよ」
「もしかしたらそういうものすら超えてる存在がいるかもって話?」
「そうそう、まあ仮説ですらないただの妄想だけどね」
「そうですねそんなものは漫画やアニメの世界だけですよ」
「まぁうちの姉はある意味そんなとこあるけど」
「あれはマジで怖かったです...」
「連兎もイリスちゃんも脅えてる...まあしょうがないか」
「あれは本当に恐ろしかった...」
〈〜VS最凶シスコンお姉ちゃん(ブラコン併発)〜〉
『新しいバイトとしてさとこを迎えた久遠探偵事務所に入ってきた依頼...それはダバンズの社長、愛善満を会社の外に連れ出すことだった。そう...虹風家の長女にして鬼の敏腕秘書、虹風世良から...』
「これはちょうど1週間前の話ですね」
「もうここまで来ると結構最近なんだね」
「まあ今思うとこれが一番壮絶だったな」
「さてさてさてさて!連兎にそこまで言わせるその訳を教えてもらいましょうか!」
「なら話しましょうこの恐ろしい物語を!」
『連兎たちの作戦はこうだ、世良はシスコン、連兎達家族組がメイド服を来て油断を誘いその隙に電撃銃を放つという作戦、しかし...電撃銃を打った途端それを華麗に避けられてしまい、作戦が失敗してしまう...失敗してしまった連兎達に待っていたのはただ1つ、姉による蹂躙だけだった。』
「もしかしてこれおしおきエンド?」
「よくわかったね」
「そりゃ蹂躙なんて言われたらね」
「あれはもう二度とやりたくない地獄でした。」
「うん...分かるもう何年も前になるかもわかんないけど、あの時のお仕置の恐怖はまだ体に染み付いてるんだもん」
「あれはほんとに地獄だった。」
「それじゃあそこまで過程...説明していきますか...」
『作戦の失敗を受け、全力で逃げ出す連兎達...しかし世良はセグウェイに乗ることで圧倒的機動力を得ていた、その機動力に圧倒され連兎、ルミアが倒れる。その時、イリスに再び赤いラインが浮かび上がる、それを見て、これなら行けると確信し、2人を逃がし世良に立ち向かおうとしたイリスは、情けない悲鳴をあげて倒れてしまう。最後、さとこの策で何とか社長を逃がすも、結局社長事捕まってしまうのだった。』
「まさにお姉ちゃん無双ね」
「それはまた...豪快な...」
「まじでビビりましたよあの強さ、せっかく赤いラインが浮かび上がって来て、これならワンチャン!って思ったのに結局ですよ結局」
「それでむざむざと依頼失敗と...」
「いや、一応成功だったよ、社長の依頼はネタバレなく特番を見るだからね、おしおきタイムでネタバレ見る暇なかったらしい」
「だったら一応大丈夫なのか...」
「ってことで私達が話せるのはここら辺だけだけどOK?」
「うん!大丈夫!ありがと!」
辰離さんは満面の笑みで私たちにお礼を言う、その笑顔は連兎と同じなのだから当然めちゃくちゃ可愛い、顔だけで言うのなら...
「はぁ〜それじゃあ私達はそろそろ帰るよ」
「え!?もうちょっとゆっくりしてくれていいのに〜ほらそろそろお昼時だよ?」
「だからだよさとこが多分昼飯作ってくれてるから帰らなきゃ」
「そうですね」
「ならしょうがないか、そんじゃあまた」
「また」
〜***〜
バイクに乗って探偵事務所に戻っていく私達はのんびりと会話を楽しむ
「今日は楽しかったですね...色々なことを思い出せて」
「確かにああやって考えると、私達って色々乗り越えて来たんだね」
「これからも...一緒に居れますかね?」
「いられるよ...多分」
連兎はにこやかに笑って私の方をむく...すごく可愛くて...綺麗だった。そう思うとなんだか恥ずかしくなってくる
「連兎...前向いてください」
「は!?いい雰囲気だったのにそんなこと言う!?」
「いいから!さっさとかえりますよ!」
「もー!実は恥ずかしいんでしょ」
「別にそんなわけじゃ...」
「そんなんでしょ」
「違います〜」
もうしばらくはこんな幸せな日常、続くと良いな...
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます