第34話 天才と変態は紙一重


俺は男子高校生 松原 タクト!

同級生で変態の浅上 凛花に頼まれて新任の月宮先生を探していたら、理科準備室で怪しげな爆発音を聞いた。思い切って扉をあけた瞬間、ピンクの煙が体全体を包んだ。

俺はその煙を吸ってしまい、気づいたら……

〇〇〇が直立していた!!!


大きくなっても太さは同じ!

経験なしの包〇ち〇こ!


キン〇マはいつも二つ!!!!


………というものすごく下品なあらすじを考えてしまうぐらい、俺の頭の中はピンク色に染まってしまっていた。


まさか、月宮先生がこんな卑猥な薬を作っているなんて……。

なんでこんな薬を作っているんだ……?

いや、そんなの決まってる……この先生もやることやっているということだ。


清楚で淫乱の"い"文字もないと思いきや裏ではめちゃくちゃやっている……ゴクリ。


 エッチや……。


 ボルテージが上がる。


 って、んなこと言ってる場合じゃない。

 己が性欲に呑まれるな。

 今はこの現状を理解することが大切。


「な、なんでこんな薬つくってるんですか?」


 下の"アレ"を目立たせないよう、近くのイスに座った。


「うーん、、、」


 月宮先生は言いにくそうに視線を斜め上へと逃す。 

 そして……。


「誰にも言わない?」


 上目遣いで俺に言ってくる。

 やべぇ、かわいい。

 俺の体が反応する。 


「は、はい」


 無意識に言葉が出た。


 俺の言葉を聞き、月宮先生は照れながら告白する。


「あれは……大学四年生の頃……」


 あれ? なんか回想入ったぞ。そんな大層なことなのか?


「卒業発表として、人が幸福感を感じる香りを作ろうとしていたの。みんなが幸せの世界を作るのが子供の頃から夢だったから」


 素敵な話だ。

 今の現状がなければ美談なのだが。


「私はみんなをハッピーにするためにあらゆる幸福を感じる物質について研究した……人の幸福についてもね。そして、ようやくそれに限りなく近いものが完成したの」


 まさか……。


「それがこの薬ですか?」


 ニコッと笑みで返事をする。

 この教師……イカれてる!!


「人が幸福に感じる時って性行為……つまりセッ〇スをしている時なの」


 なんで言い直した?

 その言い直しは俺の息子に効くからやめろ!


「もしくは自慰行為、つまりオ〇ニーにも同じことが言えるの」


 だから言い直すな。

 おかげでもう下半身が大変なことになってる。


「性的興奮こそが人のドーパミン、セロトニン、オキシトシンを深く刺激するの!」


 本当なのか。


「だから、いつかこの媚薬で世界中のみんなを幸せに包みたいの! それが私の夢なんだ」


 目をキラキラしながら言うが、それ幸せというよりどすけべな世界が完成しないか?

 そんな人類補完計画は絶対嫌だ。


「先生のイカれ具合はよくわかりました」


「イカれてるなんて、そんな……///」


 なんで照れるんだよ。

 くそ、可愛いな!!

 浅上と同じで、変態女性の褒め言葉なのか……まあいいや。

 このまま、この変態教師といると俺の頭も変態になってしまう。ここは逃げないと。


「ひとまず、俺、頭冷やしてきます、変な気分なん——」


「松原くん!!!」


 部屋を出ようと立ち上がった瞬間、立ちくらみで体勢を崩した。

 そんな俺を月宮先生は体で受け止めようとする。


「やば…………」


 咄嗟に出た言葉。

 何がやばいって、それは……。


 モニュ!


 月宮先生に抱きつかれ、身体が触れる。

 女性の体の柔らかい感触……。

 それは全力で保っていた俺の理性を崩壊させるには十分すぎるものだった……!!


「ああああ!!」


 俺は叫びをあげた。


 次回 暴走 


 ネクストマツバラヒント!!!


 "保健室"

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