第17話 エロい先生をさがせ!

 江戸浪漫研究部、通称エロ部も有川さんを加えて部員が3人になった。

 あとは顧問の先生を見つければ正式に部として認められるのだが……。


「よし! エロ部の顧問をやってくれる先生を探そう!」


 古倉庫で浅上が目標を掲げる。


 こんなヘンテコな……というかそれ以前に問題しかない部活の顧問になる先生なんて果たしているのだろうか。

 いや、いないでいてくれ……!!


 そんなことを思い、俺は何も喋らなかった。

 有川さんも同じく反応が薄かった。


 しかし、そんな俺達に関係なく、浅上は話を進めていく。


「どの先生がいいかな〜〜やっぱりエロ部なだけあってエロい先生がいいよね!」


 あいも変わらず何言ってんだろう。

 エロい先生ってフィクションの世界ならともかく、実際にはいないだろう。

 

「誰かエロ良い先生いないかな〜〜松原くん?」


 俺に振った。

 知るかよ。

 そもそも俺は成績が良くないし、部活もしてないからあまり教師と関わりを持っていない。好きな先生とか仲の良い先生とかもいないのだ。

 

 だがしかし、ここであえて言うことがある

 とするならば……。


 俺は女教師モノが好きだ。


 いや、大好きだ。


 教師と生徒という禁断な関係がそそるというのもあるが、純粋にエロ漫画に出てくるエロい女教師が好物だ。

 なんでと言われたら困るが、そそるものは仕方ない。理由はないけど、好きなものは好きなんだ。


 男にはそういった理由がないけど、なんとなく好きという性癖が存在するのだ。

 

 そんな女教師好きな俺から言わせれば、この学校にエロい女教師はいない。男子生徒を影で食べているような巨乳なビッチな女教師は残念ながらこの学校には……というか現実にはいない!

 リアルは非情だ。


 俺は真顔な表情を変えずにはっきりと浅上に宣告した。


「いない」


 と。


「誰もいない!」


 さらに。


「いるわけないだろう」


 いないの三段活用を用いてハッキリと伝えた。


「うーん。本当にいないのかな?」


 腕を組み浅上が考える。

 女教師に目がない俺が言っているんだ。間違いはない。

 この学校の教師はババァか、変に真面目な先生しかいない。


「ほ、保健室の先生はどうかな? 大きな目で見たらリンカちゃんがやろうとしていることって保健体育の延長線上みたいなものだし……」


 有川さんが提案する。

 確かにエロ部のコンセプトを考えれば保健室の先生は的確だ。

 しかし、確か保健室の先生って結構歳がいった人がやっていたような……。

 夢も希望もなかった気がする。


「うーん。保健室の先生は優しい人だし、流石にエロ部の顧問を任せるのは気が引けるな〜〜」


 と苦笑いしながら浅上が言う。

 こいつ、自分がしようとしていることの迷惑度を理解していたようだな。


「うーん……あ、そうだ! 体育教師の笠松先生はどう? あの先生エロくない?」


 浅上が閃いたように口にする。

 いや、笠松ってあの笠松だよな? 

 ゴリラみたいな見た目でめちゃくちゃ厳しい先公。周りからすごく嫌われているのに、なぜ?


「あいつのどこがエロいんだよ。浅上はああいうのがタイプなのか?」


「うん、めちゃくちゃタイプだよ」


 意外だ……まさか、優しい人が好きそうな女子ナンバーワンの浅上が、あんなむさくるしいゴリラがタイプだったとは……。

 美女と野獣って存在するんだな。


「ハァ……ハァ……ああいう屈強な野蛮人が教師という立場を利用して女子生徒を犯す展開は惨くてすごい好き……ハァハァ……」


 興奮しながら浅上が口にする。


 前言撤回。

 エロ視点での好きかよ!

 相変わらず、こいつの性癖終わってんな……。

 性格ねじれたおっさんみたいな思考してやがる。


 顧問選びはこいつにだけは任せられない。


 ハァ……どこかに顧問になりそうなエロい先生いないかな……。


 結局、今日は何も進展がなさそうだった。

 

 



 

 

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