第4話 だいたいみんなトラブルを通る
この女……俺を脅している……最悪の弱みを握られてしまった……!! 今の俺には彼女の言いなりになる他ない。
この最悪なインタビューを受け続けるしか……ないのか……!
「それで初の"ズリネタ"はなんなの?」
目を光らせて聞いてくる。
そんな期待を込められても……。
「え、えーと忘れた……かな」
「はぁ……」
浅上さんは溜息をはき、倉庫の扉を開けた。
そして
「きゃーーーー!! 松原くん!! 何見て——」
「ちょちょちょ、ちょい!」
俺は彼女を無理矢理引っ張り倉庫の扉を閉めた。
「何を!!!」
「ふふふ、質問の答えには気をつけることね。嘘や面白くないことを言うとさっきみたいに叫ぶからね」
ニヤリと決める浅上さんを見て俺は思った。
とんでもない女だと!!
弱みどころか命を握られているようだった。
答え方次第では俺の学校生活が終わる!!
背筋がゾッと冷えていくのを感じた。
そして再び地獄のインタビューが始まる。
「何で"精通"しましたか?」
「兄貴の持っていた"ToL○VEる"……」
「週に何回オ○ニーする?」
「え、くっ……1回……」
「ハァ……みなさーーん!!」
浅上さんの嘘探知に引っかかり、が再び大声を出しはじめた。
「ごめん! 嘘! 5回です! はい!」
「よろしい。それじゃあ、好きなエロ漫画のシチュエーションはなんですか?」
「…………」
俺の心は死にそうだった。
「オタクとギャルが仲良くなって付き合う感じのやつが好きです……」
「なるほどね!! あ、ちなみに私は"NTR"つまり寝取られがめちゃくちゃ好物だよ!」
聞いてねぇーし、知らねぇーーよ。
こうして俺は2人きりで話したい女子ナンバーワンの浅上さんとエロについて小1時間話した。
いや話したというより、俺の聞かれたくない性事情を無理矢理聞き出されて、それで聞きたくも無い浅上さんの性癖をずっと聞かされた。
地獄のよう時間だった……。
「ふぅーーいやーー楽しいね! やっぱり好きなことを話す時間は!」
「そうですね……」
こっちは最悪だったよ……。
「そうだ! ねぇ、松原くん! またこうしてここで"エロ"について話さない?」
「え?」
「松原くんには新しい扉を沢山開いて欲しいし! あ、そうだせっかくだから部活を作ろうよ!」
「は?」
さっきから何言ってんだ?
「こうして部室もあるし! 私達で部活を作りろうよ、名付けて……エロ部!!!」
マジで何言ってんだ? 浅上さん……いや"浅上"!!
「勝手にどうぞ……俺は別にいいよ」
「ダメだよ。松原くんも入るの!」
「は?」
「入らなかったら、エロ本のこと言うからね!」
どうやら拒否権はないらしい……。
クソォ……。
俺は学校でエロ本を読んでいたことをとても後悔した。
「よーし! エロ部でこの学校、いや世界に私達のエロを広げていこう!! おーー!!」
よくわからないことを言う浅上。
エロ本を見つけられことにより俺の学校生活はおかしな方向へと進んでしまった。
こうして思春期である俺と……性癖が狂ってる浅上 凛花によってエロを嗜む部活……"エロ部"が設立された。
それと同時に俺の平和な学校生活は終わりを告げた……。
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