第55話 飲み会

場所はこの首都最大の居酒屋


もう大勢いる。沢山いる。

そして美香の声が響く。

「おばあちゃんの送別会に来てくれて

 ありがとお!プロージット!」


全員が引きつったように乾杯をする。

・・・様にではない、引きつっている。


ウォッカとルナティアが一緒の

テーブルに居るからだ。


「人選は?」とルナティア。

そうだな、とウォッカは言うと。


ジヴァニアとジェニエーベルだな。

テージョとチェスキーも来てほしかったが

しかたないのでルエダを呼び戻す。


アイツは保育施設に帰っちまったが。

この3人だ。

私達を入れて5人だ。


少ないんじゃないの?とルナティア。

いいや、十分だ。ああ、それと

武器を出せ。爪だ。ルエダに使わす。


あとフェイルノートだ。

ジェニエーベルに持たせる。

それも条件の一つだ。


「あら、ジェニエーベルは刀を

 持っているわ」とルナティア。


特性が守りに特化しすぎている。

火力が欲しい。


「ジェニがフェイルノートを持ったら

 あなたやられちゃうかもね」と

笑いながら一気飲みのルナティア。


全員が「ゴングが鳴った」と思った瞬間。


バーボンと、ジェニ、そして美香は

そそくさとその二人のテーブルを

二人から離していく。


「お前ら、何をしているんだ」と

ウォッカは言うと。

「そりゃあ備品を壊されたくないからだよ!」

とバーボン。全員頷く。


「暴れないわよ!」とルナティア。

が、全員が信じない目。


「お前の城だ。そりゃ魔獣がうじゃうじゃ

 だからな」と上目使いでウォッカは

言うと一気飲み。


「そもそも、閉じ込められた理由が

 解らない」とルナティアは言う。

空っぽよ!お酒!と言いながら。


「エンドはどうやって

 引っ張り出したんだ。」とウォッカも

一気飲み。酒だ!とも言う。


「それはエンドに聞けばいいじゃない。

 あんたエンドの子分なんだし」と

ルナティアは一気飲み。


「まぁ行けばわかるかもな。」と

酒を一気飲みして席を立とうとすると

「あら、逃げるの?」とルナティア。


煽りやがった!と全員。

ウォッカは眉をぴくつかせ座りなおす。

「言うじゃねえか、処女」とウォッカ。

その言葉に反応するルナティア。


もう全員、酒を片手に盛り上がってきた。


そこに美香が酒を片手に参戦する。

「母様、いい感じの人はいるのよ?」と。


ルナティアは「フン」といいながら

酒を飲む。只の飲み友達よ。


「あんなのがいいのか!?」と

ウォッカは言いながら一気飲み。


まぁお前は乳はでかいからな。

態度もデカいが。とも付け加える。


「いいわね、ウォッカは。小さくて」

と大笑いしながら一気飲みのルナティア。


「小さいのか?」とバーボンに聞く親方。

「いや、アレは美乳だ」と真剣に

答えるバーボンであった。


そう言えばジェニってジヴァニアの事

どうだ?とバーボンは聞く。


「うーん。幼馴染の域ですね。」と

酒を飲みながら言うジェニ。


お前、どんなのが好みなんだ?と

親方は聞くと。

「決まってるじゃないですか!

 母さんのような人です!」と

キッパリといい一気飲みのジェニ。


「そ、そうか。わかった」と親方。


ルナティアは聞く。

「あんたどうやってバーボンを

 虜にしたのよ」と。


「しらん。まぁ史上最強の女子だったからな。

 本人に聞いてみるか?」と一気飲みして

バーボンを呼びつけるウォッカ。


「お、お呼びでしょうか」と

バーボンは席に座る。


「あんたこの女のどこがよかったのよ」

と一気飲みしながら聞くルナティア。

ウォッカもバーボンを見ている。


「そ、それはですね。

 守ってやりたい?みたいな?」と

引きつりながら言うバーボン。


「だそうだ。」とニヤつきながら

ウォッカは一気飲み。


「いや!弱かったんだよ!その当時は!」

と何故か言い訳を始めるバーボン。


「聞きたいなぁ」と美香。


「そ、それは今度ゆっくりと話す!」

とバーボンも一気飲み。

「今じゃ大陸最強だがな。」とも。


「あら、私は守りたくないって事?」

とルナティアの目が座り始めている。


「い、いえ。そんな事はございません」

とバーボンは何故か敬語で言う。


「あんたなんて言って結婚したのよ」

とルナティアは聞く。


「そう言われれば、

 そんな言葉聞いていないな。

 ある夜、襲われたんだよ。」と

ウォッカは言う。無論一気飲み。


全員がバーボンを見る。


「襲ってねえよ!合意したじゃねえか!」

と慌てるバーボン。

「いいとはいってねえぞ!」とウォッカ。

「そういえば、あの夜はおかしかった。

 酒ではないのに変に意識が朦朧として」

と言うと続ける。


こいつ盛りやがった。と全員が思う。


「いいか男子諸君!」と何故か焦りながら

立ち上がり言い始める。


「男子としてしょうがないじゃないか!

 ウォッカはこう見えてすっごく

 いい体してるんだよ!綺麗だし!」


「こうみえてとはなんだ!」と

バーボンを蹴飛ばすウォッカ。


「褒めてんだよ!」と言い訳をする。

「あら、私は貧弱なの?」とルナティア。


「違う!方向性の問題だ!

 お前はロリすぎるんだよ!」と。


「なぁ、ロリってなんだ?」と親方。

「うーん。幼女的みたいな?」とジェニ。

「あー確かにな。」と親方。


「でも需要は高いですよ?」とジェニ。

「需要って何よ!」とルナティアは言う。


「聞かれてるし!」とジェニ。

隣にはすでに親方はいなかった!

ジェニもルナティアのテーブルに

座る事となる。


「俺は母さん一筋だ!」と堂々と言う。

揺るぎない一言であった。


「あー、ミネルヴァみたいな娘か」

とウォッカは言うと。


アイツは可愛いと綺麗の中間みたいな

感じだったな。とも言う。

「それに優しかったし料理もうまかった」


「お前と逆じゃねえか」とボソリとバーボン。

その瞬間バーボンは転がり

壁に激突して言った。


「やっぱり母さんは料理が

 上手だったのですね」とジェニ。

























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