第53話 エンドの存在感
その後は事務的な話が多くなった。
そして数時間ののち会談は終わる。
「ジェニ君、色々と迷惑をかけた。」
とハジメは言うと
俺はもう少しここに残る。
コニャックとまだ話がしたい。
「ジェニエーベル。
とっとと帰れ。内政干渉だ。
お前自分の立場わかってるのか?」
とコニャックが言う。そして
「その後ろの赤の近衛兵。
お前何でここに居るんだ?
赤の国に用はない、とっとと帰れ」
リスボアに向かって言う。
「俺が用があるのはハジメさんだ。
お前には用はない」とリスボア。
だったら、ここじゃなく外で会え。
ここで、この部屋がある建物で
会いたかったら手続きをふめ。
まぁ、断るが。
少し沈黙が流れると
「わからないのか?お前らさっさと
出て行けと言ってるんだ。」と
コニャック。
そう言うと、コニャックが部屋を出て行く。
「マルチネさんはいいんですか?」と
ジェニは笑いながら言う。さらに
何故あの人と?と聞く。
「そりゃ、この国の人間を守りたいからよ。」
とマルチネ。
あの坊やに国と国の、力の使い方を
教えてあげるのよ。でないと
戦争になっちゃうわ。
「ま、まぁ考えがあるなら・・・。」
と困惑するジェニ。
「ジェニエーベル君、
こっちもそろそろ時間だ。
またどこかで会おう。」と
傍使いの男は言うと
あぁ、すぐに会えるかな?と笑うと
その場で崩れ倒れる。
「というかさ、エンドって影薄いね」
と驚きの言葉を発するルエダ。
全員がおもいっ切りルエダを見る。
そ、そりゃあ、あれだ。
ホムンクルスを操ってただけだから。
とボルドー。
そ、そうだな。と全員。
「いやだってさ、ユキツーは
存在感あるじゃねえか」とルエダ。
い、いや、アレは統合だし。と
ソミュール。
そういえば、とリスボアは
「まえアースドラゴンと対峙した
時よりも、というかあの緊張感
なかったなぁ。」と。
その一言に全員が
エンドってアースドラゴンよりも
弱いのか!?
それはないだろう!魔王だぞ!
「そうねぁ、あれはエンドの
思念伝達なだけだからねぇ」とマルチネ。
エンドをネタに
全員が雑談をし部屋を出て行った。
「じゃあ、俺達は帰ります」と
ジェニは言うとハジメと握手をする。
「なぁ、最初の目的ってなんだったっけ」
とボルドー。
全員沈黙。
リスボア君、悪いがアスティに
伝えてくれ。俺はサボルチで仕事が
出来たと。ハジメはリスボアに向かって
そう言う。
リスボアは「そう伝えます」と
言いながらハジメと握手をする。
「じゃあな、ダーリン。次会う時は
もっと強くなっててね」とリスボアの
頬にキスをする。
じゃあ、子供たちが待ってるので
帰ると言うと颯爽と去っていった。
見えなくなった途端、全員がリスボアに
蹴りを入れた。
「何かあったら言ってください。あ、
何かなくても言ってくださいね。」
とジェニはハジメに言う。
「俺は少しハジメさんに付き合って
サボルチに行くよ。亜人たちもまだ
いるしな。俺が居た方がいいだろう」
とボルドー。
ジェニとソミュールは手を振り
首都を後にした。
「すまんな。」とハジメはボルドーに言う。
「まぁ警護は必要だろう」とボルドー。
なんだかんだ言いながら
どんな手を使ってくるかもしれないしな。
サンテミリオンの部下だった、
そう言う所をしていたお前が言うんだ。
安心して任すよ。
二人は苦笑いをしながらサボルチへ向かう。
「今後、黄の国はどうなるんでしょうねぇ」
とメスカルの背からジェニに言う。
「どうなるのかねぇ。」とジェニはバイク
で走りながら言う。
そして紫の国
「やりきったぜ。作り切った。」
と親方とポイヤックは達成感満載で
いったが、それを聞いていた男。
「よし、じゃあ今日は休んでいいぞ。
また明日からも頑張れ」と言う。
「お前それでも人間か!この悪魔め!」
とバーボンに向かって言う二人。
しかし、作りすぎなんじゃねえか?
と親方。
「そうか?金はな!いくらあっても
困らないんだよ!」と大笑いのバーボン。
「偽造だがな!」と3人は笑う。
「足らないくらいよ!」と後ろから
声がする。
「もうね、魔獣の核持って来る人が
後を絶たないのよ!早く渡して!」と
交換所からの使い。
荷車1台の銀貨が持っていかれた。
黄の国から魔核を持って来るものは
全員が口をそろえて言う。
「綺麗な街並みだ」と。
「こんな所に住みたい」と。
10人に1人は移住を選択する。
前の首都の方もほぼ整備が終わったぞ。
とウゾはバーボンに言う。
本当にいいのか?あんな造りで。
何かに攻め込まれたら終わりだぞ?
「道路整備は?」と聞くと
道だけは出来ている。しかし
それに沿ったように配置する
通路が難航している。
「魔獣対策なんだ。そこだけは
なんとか先に回していいので
やってくれ」とバーボン。
給金がいいのでみんな喜んで
働いているよ。とウゾは言う。
「あぁ、そうだ。飯屋がたらない。
もう少し増やしてくれ」とも言う。
「それなぁ、俺も思ってるんだ。」
とバーボンは悩む。
「よし!じゃあさ!せっかくなので
全部の国から集めよう!」と
バーボン。
「普通に声かけても来ないだろう」と
ウゾは言うと。
「いや、勧誘じゃない。これは
料理屋の魂に訴える作戦だ」
そう言うとバーボンはどこかへ
走っていった。
親方、ポイヤック、ダンはそれを見て
「さ、帰ろ・・・。」と一言。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます