第24話 取引

沢山ではないが

時間をおいて魔獣に散りつかれた者が

やってくる。

ジェニは何かを呟き、

神器で魔獣を体内から追い出し

足で潰す。


薬の方は単純に魔法を付与した液体なので

マルチネにとっては造作もない事だった。

扇使いであるが所以である。


「可能性として」とジェニ。

向うの世界では花とか植物の香りで

害虫、言わるゆる人間に害をなす小動物

を花の香りなどで遠ざけると

言うのもあります。


多分、言語が同じなので近い植物が

あるはずです。


マーガレットかゼラニウム。

ないですか?こちらに。


マーガレットは花びらが白く

真ん中が黄色い花です。

ゼラニウムは説明しずらいですが

俺が見ればどちらともわかります。

母さんが好きな花でしたので。


もしかしたらシンの森にあるかもしれない。

ユキツーは突然話し出した。


あそこは精霊によってそういった植物が

守られている。と。

「私が行きましょう。一番足が速い」

そう言うと、もし発見出来たら

紫の国にいる者に助けを貰って

持ってきます。


「花のイメージをください。」と

ジェニに言うと、体に接触する。


ジェニは戸惑いながらも目を閉じ

花のイメージと考えの中で細かい

特徴を伝える。


「わかりました。探してきます」

「・・・もしかしたら、無用に。

 いえ、なんでもないです。」

そう言うとユキツーは飛び立っていった。


「すげえな、妖精って」とテージョ。

「まぁ、上級精霊とか怪物とか言われて

 いたからなぁ。というか今でも

 言われているか」とボルドー。


「妖精って言うのは神に近い存在

 何だろうなぁ、多分俺だって勝てない」

とも言うと


「神かぁ、この世を作ったのが神ならばさ

 こういった事も、あ、魔獣とかよ?

 それも知ってることだよね」とテージョ。


「どうだろうなぁ」とジェニ。


基本的に神と言うのは人間の想像でしかない。

俺達が神と言ってるエアストやエンドは

人間や亜人の想いから作られたって事は

その二人?は神ではない。


何故ならば、先に人間が居るからだ。

じゃあ、人間やこの大陸を作った

モノが居るならば、神とはそいつだ。


「じゃあエアストとかエンドは何なのよ」

とテージョ。


「神だろ?人間や亜人が敬う対象であり

 神とはこうあるべきだと勝手に

 想像した。まぁ言い換えれば」


想像神だな。


「創造神ならぬ想像神」って

字を書かないとわかんないじゃない。

とボルドー他一同。


そう言う話をしていると

「結構な量が出来た。明日にでも

 ばらまくぞ」とハジメ。


「あとは体内から排出する物だけだ。」

可能性は低いが相手は凄く小さい魔獣だ。

もしかしたらこれでも体内から

出て行くかもしれない。とハジメ。


そうこうしていると体内に魔獣が

入っている人間がやってくる。

試しにその薬を飲ます。


変な行動は起こさないようにはなったが

体内からは出てこなかった。


「逆に暴れるかと思ったよ」とジェニ。

そりゃそうだなとボルドー。


「現状できている分でも配っていきたい」

とハジメが言うので

テージョとボルドー、そしてハジメは

相当数の薬を持って街に出た。


マルチネは魔力消費が多すぎて寝ると

言って2階へ上がった。


「じゃあ俺はあっちの方へ少し

 行ってきます。ピスコと話がしたい」

とジェニは言うと宿屋を出た。


一時後、飲み屋


「ピスコは?」と親父に言うと

地下に居る。と言う返事があったので

ジェニは地下に入っていく。


「なんだ、国主様じゃねえか。

 俺を助けに来てくれたのか?

 ぎゃははは」とピスコ。


「そうだ」とジェニ。

ピスコは笑いを止め言う。

「バカにしてるのか?さっさと殺せよ。」


「俺に雇われろ」と

ジェニは言うとピスコの足元に

ずっしりとした袋を投げた。


「全部金貨だ。200枚は入っている」

とジェニは言うと、

「ここで死ぬのがいいか、それとも

 俺の命令に絶対に従いながらも

 金に不自由なく、過ごせるのか選べ。」


「仕事的には汚れ仕事だ。殺しも含まれる。

 俺から連絡が無かったら遊んでていい」

「お前はいくらで雇われた」とも聞くジェニ。


「どっかの街の領主が餌だ」とピスコ。

「成れると思てるのか?」とジェニ。


「ないな、だから俺はもう、どうでもいい

 と思い、この国の王になろうと決めた。

 王にしてくれるなら雇われていいぞ」

と大笑いしながら答えるピスコ。


「いいぞ?その代り、俺の命令だけには

 絶対服従だ」とジェニは言う。


お前は王になった後を考えたことはあるのか?

そうジェニは問いかける。


「ねぇよ、そんなもん。王様って偉そうにして

 ああだ、こうだ、言って自分の好きなように

 出来るんだろ?楽しそうじゃねえか。

 女も抱き放題でよ。」とピスコ。


「やっぱダメだわ」とジェニは言う。

そして弓を引きピスコの額に矢を放つ。


即死だった。


「お前みたいな人間はいないほうがいい」

とジェニは言うと矢を抜く。

その抜いた後に小さな魔獣を埋める。


しかし、それをした後に

「出てこい、俺に従え」と言うと

埋めたはずの魔獣が出てくる。


「やはり・・・。おれは魔族だ。」


そう言うとジェニは目を閉じ

沈痛な表情をする。


俺が出ろと言った時にだけ魔獣は

人間の体から出た。

それは俺が魔獣に対して命令しているからだ。

神器の力ではない。


上下関係として魔獣は俺に従う。

俺はこの事を言うべきなのか・・・。

それとも隠すべきなのか・・・。


「そうか、ウォッカさんならば・・・」と

ジェニは思う。


上に上がりジェニは親父言う。

「すまん。殺した。」と。

親父は何と、「だろうな」と

言うだけでどうでもいい感じだった。


それよりも魔獣が問題だと。

そして選挙結果が問題だと。


ジェニは宿屋に帰りながら思う。

ユキツーが俺に良くしてくれるのは多分

俺のそう言った所に

気づいているからだろう。・・・と。





















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