第7話 マルチネ登場

数日後、一行はジェニ達の元に着く。


議会場の様な所に

リアス、テージョ、そしてリアスの

両親が座っている。


扉が開き、ジェニ様、バーボンさん、

そして私、コルンとボルドー。


「すみません、お待たせして」と

ジェニ様が話す。

「これをバーボン様へとハジメ様から

 預かっています」とバイシャス。


バーボンさんはその手紙を受け取り

読み始めた。


沈黙が続き、「ふぅ」とため息をつくと

「あいつ、真面目だなぁ」とバーボンさん。


そしてその手紙をジェニ様に渡す。

ジェニ様もそれを読むと、

「どうするんです?」と聞くと


「どうもこうも、行くしかないだろう。

 というよりも、行きたいなぁ」と。


あ、そう言えばコレ。とリアスは

何かが入った小さな袋と

大きな袋を渡す。


バーボンはまず小さな袋を開けた。

「黄色い、いや金色?の魔核か。

 珍しいな、と言うか初めて見た。」

そういうと今度は大きい袋を開ける。


ガラスの容器に入った5匹ほどの

小さな生き物が入っていた。

「なんだ?これ」と顔を近づけ

見つめている。


小さな走り書きが貼ってあり

「魔獣とその核。人体に入り

 動きを支配するかもしれない」と。


調べろって事か。とバーボンさんは言うと


リアスの父親に、今その国に

起こっているであろう事を聞く。


全員がその話を聞き、神妙な顔をする。

突然、バーボンさんは私に向かって


「ルナティア係のコルンに頼みがある」

と言う。


どう見ても青の国に行けという事だろう。

「この核をベルジュラックに渡してくれ。

 後、この魔獣?を2匹」

そう言うと小さな袋と大きな袋を

私に渡した。


行くときはポムロールと美香を

連れていけ。と。

「学校は?」と聞くと、爺婆たちが

居るので問題ないと言った。


私は事が重大なことと思い、すぐに

出発すると言い、部屋を出た。


それと入れ替わる様にウゾが

「おーい、バーボンさん。お客さんだ。

 ちょっと綺麗なおばさん?」と言いながら。


名前は?と聞くと

「マルチネとか、そんな名前」と。

「すぐに通して・・・。」とジェニ。


その女性、マルチネは部屋に入ると

「あらら、何事?」と言う。


マルチネ様こそ何事?とバーボンが聞くと

「ウォッカのとこに行った帰りよ。

 相変わらずいい保母さんしてたわよ。

 保母さん見習いもいたけど、

 楽しそうにやってたわ」と。


暇になったから来てみたわ。とも言った。

「もう、悠々自適な生活ですね。」と

ジェニは笑いながら言う。


リアスと両親はキョトンとしていたが

「も、もしや青の国の先代の皇女様?」と

驚き、畏まる。


「今は只のおばさんよ?」と笑いながら言い

そんな畏まらないで?とも言った。


そして席に座る。

「いい街ね、私ここに住もうかな?」

とジェニを見ながら言う。


「そ、それはいかがなものかと・・・。

 ルナティア様も心配なさるのでは?」

と冷や汗をかきながら返答する。


「大丈夫よ、うるさい母親が居なくて

 済々してると思うわ。」とマルチネ。


ところで、それはなに?とバーボンに聞く。

その魔獣の入ったガラス容器を見せる。

それを見ながらマルチネは


「小さいわね、どこかで見たことが

 ある様でもあるし無いようでもあるわね。」

そう言いながらじっくりと見ている。


「まぁそのうちに思い出すかも?」と笑う。

これがどうしたの?とも聞くと


バーボンはアッサリ答える。

ソレのせいで黄の国は大混乱です。

そいつが体に入り、多数の死人が出ている。

それをばら撒いているヤツが居て

多分今度の選挙でハジメは負ける。


それ以前にハジメ自身の身が心配だ。


「まぁ首を突っ込んでくれ、との事なので

 堂々と突っ込みますがね」とも言う。

「楽しそうね。あ、不謹慎」と口に手をやり

少し微笑むマルチネ。


今後の対応を話し合うとなり小休憩。


リアスは街の宿屋に両親を連れて行った。

「いい街だな。綺麗に整理されている。

 それに路地幅が広い。いいことだ」

とリアスの父親が言う。


「でもなぁ、人間が少ないんだよ。

 亜人が多くてな。」と言うと


両親は笑いながら

「ここは紫の国なんだろう?だったら

 いいじゃないか。いい所じゃないか。

 そんな事なんて問題じゃないさ」と。


あの建物はなんだ?と父親は聞くと

「学校と言う所だ。無償で子供たちや

 望む者に文字や計算などを教えている」

とリアスが言うと


無償で教えるのは「小学校」という

2年間だ。もっと学びたいと言う者は

「中学校」と言う所に移籍して3年間

働きながら学べるようにしている。


そして「大学校」と言う3年の所も

作る予定らしい。


両親は目を輝かせ

「いい所だ。本来、学ぶという事は

 誰でも出来ないといけないはずだ。

 望むものは勿論。」と言った。


「なんか爺さんたちが多いね。この街は」

ともいい辺りを見回す母親。


街の清掃をしている。少ない賃金だが

みんな喜んでしている。とリアス。


そして宿屋に入り、部屋に案内する。

「大丈夫か?つけられていて

 襲われないだろうか」と心配する

両親だったが


「問題ないよ、この国の安全性は保障する」

とリアスは言い、

「何かあったら受付に行ってくれ」

そう言うと部屋を出て行った。


議会場にリアスが戻ると

大まかな方向性が決まっていた。


リアスが「俺は?」と聞くと



「お留守番、俺とね」とバーボンは言った。





























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