第4話 実家

数日後、リアスとテージョが呼ばれる。


1週間後黄の国に行って換金してくれ。

あぁ、数人の爺と婆を連れて行ってね。

そうバーボンさんは言う。


「なんで爺と婆も?」とテージョが聞く。

旅は人数が多い方が楽しいからだよ、

と笑いながらジェニ様。


そしてジェニ様もバーボンさんに聞く。

「なんで爺と婆も?」と。


「黄の国ならどこでもいいの?」と

テージョは聞く。

勿論どこでもいいよとバーボン。


じゃあ一週間後ね。と出て行く二人。



黄の国サボルチ


死体を解剖するハジメ

そして「小さなモノ」を取り出す。

それをガラスの容器に入れる。


10人全員だ。

しかしこれは何なのだ。


1センチくらいの丸い体に

5本の触手の様な物が付いている。


ハジメはガラスのふたを開け

鋭利な器具で突き刺してみる。

ソレは煙となり灰になる。


魔獣なのか!

そして、小さな核を挟むと

別な容器に入れた。


もう一度死体を調べるハジメ。

体の外回りや耳や目、口。そして胃。

そして気が付く。

ヘソからか、侵入口は。


気が付かないものなのか?


取りあえずわかったことは

これが原因で「不慮の事故死」が

起きている。


そしてコレはヘソを通して

体内に入る。

宿主は死ぬが魔獣は死なない。


魔獣なので繁殖はしないだろう。

しかし・・・。



「聞いてきました。その日の

 行動を」とサンセールは部屋に入り

ハジメに言う。


全員が「人と会う」と言って

何処かへ行っています。

ほぼ全ての議員が

「買収されたが断った。」と

奥様に言っていますね。


確定事項が増えた。

これをばら撒いているのは

貴族派閥だ。


首都へ帰るぞ。そう言うと

荷物をまとめ出立の準備をする。


「ハジメさん、ちょっといいかな」

一緒に立ち会っていた議員が言う。


実は俺も買収された。すまない。

おれは買収に乗っちまった。

金貨600枚だった。

「本当にすまない」


「気にするな。逆にそれで

 助かったのだ。しかし、

 結構な大金だな」と笑うハジメ。


サボルチを後にするハジメ。

道中にサンセールに


「今回は負ける。それよりも

 その後が心配だな・・・」と。



紫の国 執務室


「お父さん、ちょっといいかな」

と美香さん。


「あぁ、いいぞ。お父さんはいつも

 お前が最優先だ」とバーボンさん。


美香は報告書を提出する。

それをバーボンが読む。


なるほどねぇ、種族は関係ないか。

じゃあ一定の学力が認められる者は

別の授業に移行しよう。


誰かつけるか?他に。とバーボンは言うと

美香は少し考えながら


「実はさ、爺と婆の中に昔この国で

 家庭教師を経験している人がいるのよね」


「先にその人たちに教えれば

 いい教師になると思うよ」と。


即決である。

多分、美香が赤の国と戦争をしようと

言っても即決するだろう。この男は。


因みにこの国の爺と婆は

平均60~70歳前後である。

向うの世界で言うとまだまだ

働ける歳だ。


こちらの世界でも働きたいと

思っているが働き口がない。


「その歳の人たちはな、働くことが

 存在意義なんだよ」とバーボンさん。


何もしないで貰う金貨よりも

自分で働いて手にした銀貨の方が

いいんだよ。


おれはそう言った考えを持っている

者を大事にしたい。とバーボンさん。


その姿を子供に見せて

言いたいんだよ。


だからこの世界でお前たちが生きている。

とね。



1週間後

リアスとテージョは黄の国へ向かった。

ちなみに、4人の爺婆も。


「因みにどこの街で換金する?」と

リアスが言うとテージョは

「首都!やっぱさ、首都だな」と。


遠いじゃねえか!とリアス。

しかし、「まぁいいだろう」と。


リアスの頭は考える。

「久しぶりに母ちゃんに会える」と。

テージョの頭は考える。

「久しぶりの都会だ」と。

「わ、わくわくするな!」と二人。


そう言えば、とリアスは言う。

「もうそろそろ黄の国の選挙だな」と。


前回は凄く拮抗していた。

貴族を中心とする組織と

平民を中心とする組織。


「まぁ20年、

 そろそろ変わる頃なのかもな。」と

言いながらリアスは空を見上げる。

「でも変わり方は大事だよな」とも。


道中魔獣と出合うが二人は

いとも簡単に討伐を行う。


野営は食材を取ってくると

婆がテキパキと調理を始める。

爺は魚を釣ってくる。


「なにこれ旨いな!」と舌つづみ。

「やっぱ歳の功だねぇ」とテージョ。


そうして二人は首都に入る。

宿屋に入り自由行動となった。

リアスは少し実家に顔を出すと。


「あ、私もついて行っていい?」と

テージョは言う。

「誤解されるじゃねえか!」と

リアスは言うとテージョは笑った。

手を顔の前で振って笑う。


「ないない」と。


爺と婆はバーボン様に言われた事が

あると言い4人ともどこかへ消えた。


ついこの間の様だ。

ジェニ様と知り合い、この首都で

バーボン様に会い、そして

俺はジェニ様と一緒に行くと決めた。


リアスは家の前に来ると剣を構えた。

テージョは棍を手にする。

「扉が開いている・・・か」と

言うと足で開ける。


家の中が盗賊にでも荒らされた様に

なっている。


テージョが2階に走る。

格闘する音が聞こえリアスも2階に

上がる。


「どう見ても両親じゃないだろう?」と

テージョは足元に転がる男を

蹴っ飛ばした。


リアスはその男を縛ると

腹のあたりを蹴飛ばす。

「人んちで何をしている。

 何を探した、何を探している」


男は笑いながら何も言わない。

テージョは男の靴を脱がした。

そして棍の先で足の小指を潰す。


「もう一度言う、何をしていた」と

テージョは言うと今度は足の

薬指を潰す。男は悶絶する。


「言わないとお前の足の指は

 全部なくなるぞ?」




















































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