第2話 偽造通貨を作る

この国は制限君主制と言うモノを

目指すらしい。


国主たるジェニ様にはそれほどの

決定権はない。

ジェニ様の下に3つの機関を設ける。

その機関がそれぞれ決定権を持つ。


ジェニ様が言ったのだ。

「日本のような国にしたい」と。


因みに、バーボンさん曰く

青の国は「ほぼ」絶対君主制。

なぜ、ほぼなのか。

めんどくさい事だけを丸投げ

しているからである。

まぁだから絶対君主制なのだろうが。


赤の国は「ほぼ」連邦制と言うらしい。


黄の国は議員内閣制「っぽい」やつらしい。


私にはまったくわかりませんが

ジェニ様はそれを聞き

納得したような感じでした。


そんな事はどうでもよくはないが

今はどうでもいいんです。

兎に角、金がないんです。


と、私は切実に訴えた。

「金かぁ・・・」とふたり。


バーボンさんは上を見上げて

何かブツブツ言っている。

そして5分ほど。・・・後。

・・・言う。

「ある奴に借りるかぁ」と。


そもそも金貨は誰が作っているか、

何処が作っているか知ってるか?


と聞かれた。


そう言えば知らない。

何処が作っているんですか?

と私が聞くと、


「知らん、だから聞いた」

とバーボンさん。


俺の知ってる限り、

どの国も作っていない。


現存している物を使いまわして

いるか、


「どこかの誰かが作っている」

だからそいつに借りる。


使いまわしている可能性は低い。

何故ならば価値が同じだからだ。


私はピンとこないので聞いた。


「いいか?コルン」と

バーボンさんは言うと続けた。


例えば冒険者が金貨を持ったまま

魔獣に食われたら、その分の

金貨はこの世から無くなる。


であれば金貨の数は少なくなる。

金貨1枚は銀貨10枚だ。


金貨の絶対数が少なくなる

のであれば、金貨1枚に対して

銀貨13枚とかになるはずだ。


俺がこの世界に来て

それは変わっていない。

金貨1枚は銀貨10枚のままだ。


金貨はまだいい。銀貨、銅貨の

流通量が変わらないのが不思議だった。

どう見てもそっちの方が紛失しやすい。


絶対にどこかの誰かが作っている。

そいつを探して、借りる。


どうやって探すんですか?と

聞いたら衝撃的な回答。


「偽造をする。偽造銅貨と銀貨を作る」

と、この国の元帥様が言った。


バレなかったら儲けもの。

バレたらバレたでそいつが

接触して来るので借りる。


どう転んでも利益しかない!と

鼻息荒くいう。


そんな簡単に作れるんですか?

と私が聞くと、なんと!

ジェニ様も「このレベル」なら

簡単に作れると言った。


そもそも誰も作らないのが

不思議なレベルとも・・・言った。


鍛冶職人の親方を呼び

内緒の話として聞いてみる。

「銅貨100枚くらいの量の

 銅はお幾らくらい?」と。


親方は言う。

「そうだなぁ、量と言うなら

 銀貨1枚くらいだろう」と。


「銀貨100枚なら?」と

バーボンさんが聞くと


「量で言うなら金貨1枚も

 あれば足りる」と。


残りの財源の内、金貨300枚

を使い銀を買う事に決まった。


何故銀なのかを聞いたら

「金型に流し込むので融点が

 3つの中で一番低い銀が

 偽造しやすい」と

よくわかんない事を言った。


バーボンさんは親方が帰ると

私達に言った。

「親方は察していなかった」と。


「親方の反応を見るにこの世界の

 人間は偽造硬貨を作る

 という事を理解できないでいる。

 概念すらない。」と。


何故かはわからないが。と言う。

その理由も知りたい。とも付け加えた。


「金型はどうするんです?」と

ジェニ様。


「それな、魔法でしようかと思う。」

とバーボンさん。


そしてファルツが呼び出される。

「これにファルツって魔法で

 名前を削れる?」とバーボンさん。


「余裕ですよ」とファルツは言うと

名前を書いたその周りに「お花」も

それは上手に削り描いた。


ジェニ様とバーボンさんは歓喜。


「じゃあ銀貨の模様を反対に

 削れる?」と言うと


「なめんじゃねえ、余裕だ」と

ファルツ。そして簡単にできる。


ファルツが帰るとバーボンさんは言う。

「やっぱりこの世界の者は

 偽造と言う概念がない。」と。


「確定ですね」とジェニ様。

「あぁ、確定だ」とバーボンさん。


「この国には神と同レベル以上の

 者が存在する」とも二人は言った。


私はちんぷんかんぷんなので

二人に聞いた。

バーボンさんは言う。


いいか?コルン。

神なんて気持ちの問題だ。

しかし金は現実的な問題だ。

神は居なくても困らないが

金は無いと困る。


それを操っている者を

神と言わないで何というんだ。

その金を操っている神を

味方に付ける。と。


そんな!神罰が下りますよ!?

と私が言うと


「いいや?絶対に面白がって

 そいつがやってくる。

 偽造なんて前代未聞だ」


「なぜ出来たのかを聞きに来る。

 なぜならば、偽造と言う

 概念を封印している者だからだ」


そいつは多分、解っている。

異世界の者がしていると。


だから俺に接触をする。

異世界で育ったジェニに接触する。


それまで作り続ける、銀貨を。

そして黄の国で金貨に替える。

それを繰り返すと。バーボンさん。


なぜ黄の国なのかを聞くと

「良心が痛まないから」との事。


13人衆筆頭の方と仲いいんですよね?

と聞くと「うん」と即答。


いいんですか?と聞くと

「多分笑って許してくれる」と言われた。

「逆に乗っかってくる」とも。



国の直近の方針が決まった瞬間。

偽造通貨を作る。と!























































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