胸オペに向けて②

 さて、手術に関係してS君が用意した物を一覧表にするとこんな感じです。


買ったもの

・ストロー

・ペットボトルにストローを差せるホルダー

・ペットボトルのキャップを空けるためのシリコンカップ(お弁当用のもの)

・ボディシート(顔含めて全身に使えるタイプ)

・ドライシャンプー(スプレータイプとシートタイプ)

・使い切りの口内洗浄液

・ガーゼ

・大きめのカットバン

・延長コード

・肩掛けカバン

・冷却シート


手術後のために持っていった物

・肩掛けカバン

・前開きのシャツ

・冷却シート

・ボディシート

・ドライシャンプー(買ったもの両方)

・使い切りの口内洗浄液



 まず、ストロー系のものと口内洗浄液は、術後痛みで歯磨き粉の蓋すら空けられなかったという方がいらっしゃったのでその対策です。ボディシートとドライシャンプーは、しばらく入浴ができないので。ガーゼやカットバンは、ドレーンを抜いた後の傷口を自分で手当てする用に買ったものですが、結局病院の方で諸々頂けたそうで。ただ、ガーゼに関してはバンドでの固定期間にバンドと傷口の間にクッションとして使っていたそうです。冷却シートは熱をもった時や発熱時用に。肩掛けカバンは術後にリュックはツライだろうと大きめのものを購入し、その後しばらく使っていました。延長コードは言わずもがな、自宅のベッド周りでスマホやらSwitchやらを使えるよう導線を引いた形です。

 あとこれが結構大切なのですが、オペするという方がいらっしゃいましたら、絶対に前開きの服で行って下さい!この上なく腕が上がらないらしいので!



 その病院では胸オペは日帰りで、翌日にまた来院してドレーンを抜いて貰うことになっていました。割と早い時間に予約したため前日入りしたS君が泊まったのはまさかのネカフェ。手術後もネカフェに泊まったそうですが、家族は驚いていたと言います。そりゃそうだ。

 よく「術後は大変だった」とあるのでこちらからの連絡は控えていたのですが、手術が終わりネカフェに落ち着いたS君からは「銀○面白い」だの「ドリンクバーのインスタント味噌汁がウマイ」だの「痛いってより、動くのに慎重にならなきゃいけないのがウザイ」だのと元気過ぎて心配になる連絡が来ました。。。S君は格闘技経験者だからか痛覚が人より鈍い(痛みに強い)とは自分も知っていましたが、まーさーかこんなにピンピンしてるとは信じられなかったです!家族も驚いて(以下略)

 さて、ここからは後日S君と会って話を聞いたときのことを簡潔にまとめていきたいと思います。()はその時の猫助のツッコミです。


Q手術前はどうだった?

A受付を済ませて、呼ばれるまでは周回してた。(いや直前までゲームて。呑気か)

 その後荷物を預けて手術着に着替えて、オムツして手術室に入った。(カテーテルじゃなくて良かったね)


Q手術前は緊張した?

A一応した。お守り代わりの推しのストラップに触ってから手術室に入った。「ここまで来たのかー」ってのと「これで手術したらもう胸無くなるんだなー」って。


Q術後はどうだった?

A寝て起きたら終わってたってのはマジ。ただ、意識はハッキリしてたけど頭が回らなくて、看護師さんに「立てますか?」って聞かれても敬語が喋れなくて「うん」って言ってたw(「うん」!?w)「気分悪くないですか?」「うん」「座って下さい」「うん」みたいなw(外野から見てると面白過ぎるその絵面w)

 で、しばらく横になってたけど、大分頭がしゃっきりしてきてすぐに思ったのが「お腹空いた」w(お腹空いたww)「お茶漬けが食べたい!お腹空いた!」ってw(全体的に呑気だなw)看護師さんにスマホ使うか聞かれたけど、スマホ持つの怖かったし上手く打てなくても嫌だったから断って、しばらく空腹由来の気持ち悪さと戦ってたw起き上がった後に1回胃液マーライオンして、看護師さんも「麻酔後はよくありますよー」って言ってくれたんだけど、多分空腹でマーライオンしたのは俺が初めてじゃないかなw着替える時も、手術着はだけたまま、スマホで「近く お茶漬け 美味しい」調べてたしw(はよ着替えろw)


Qで、念願のお茶漬けは食べれたん?

Aドリンクバーのインスタント味噌汁を、店内メニューの白飯を注文してそれにかけて食べたんだけど、美味すぎて泣いた。人生で一番美味い食べ物だった。(いやそれお茶漬けってよりねこまんまじゃ)でも「食べたい物食べれた感」はあったから。(じゃあお茶漬け欲じゃなくてねこまんま欲じゃんw)


Qネカフェ滞在に支障は無かったの?

A無かったなー。一人で気が張ってたこともあったんだろうけど、特に痛いとかもなくて、普通にサンドウィッ○マンとか見て笑ってたw(ちょっとなに言ってるかわからないw)


Q次の日は?

A病院行って「昨夜は眠れました?」って聞かれて「寝れました」って言ったら「何錠飲みました?」って。←痛み止めも渡されていたそうです。

 「飲んでません」って言ったらすごいびっくりされたw←そりゃそう。

 ドレーンも、なんか体外にズルッと抜けた感覚がしただけですぐに終わった。色々注意とか受けて、とにかく体に障らないよう生活しなさいって言われたんだけど、帰りの電車の揺れとか歩く時の振動とかはしばらく響いた。あと、胸が腫れて固さとかがあった。これは段々落ち着いていって、1カ月くらい過ぎたら気にならなくなったけど。その間、横向きに寝ると引き攣って辛かったのが、割と辛いことと言えばそうかな。


Q手術してどうだった?

A人生明るくなったなって。今まで色んなこと気にして歩いてたけど、堂々と楽しく外歩けるようになった。服とかもめちゃくちゃ楽しくなった。でも、胸オペしてもしなくても変わらないこともあった。そこらはまぁ人に寄りけりだろうけど、自分は、手術して良かったって思ってる。





 なんというか、面白話を量産して帰ってきたのがS君らしいと言えばらしいのですが。ただ、これはS君の体質が特殊なだけかもしれないので悪しからず。

 S君は当初から家族や猫助に介助を頼むつもりはなく(痛々しい姿を見せたくないと、かなり強く言われていました)自分もその意志を尊重して後方待機に努めましたが、やはり手助けしてくれる人がいる場合は頼った方が良いと思いました。実際、見せて貰った写真は、人によっては結構ビビるものでしたし。

 また、手術や手術後には個人差がありますので、もしこれを参考にしようとしている方がいらっしゃいましたら、くれぐれもご注意下さいますようお願いいたします。

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S君日記~「性同一性障害」診断から胸オペまで~ 猫助 @NEKOSUKE2

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