第9話 10月28日(金)【リンゴの唄】
♪
ラジオ◆◆をお聴きの皆さん、こんばんは。
10月28日金曜日、時刻は夜11時を回りました。
あなたと過ごす金曜日の夜のひと時『夜のポスト』
今夜も30分間の生放送でお送りいたします。
お相手は、私、ラジオ◆◆パーソナリティ 赤松れんげです。
どうぞよろしくお願いいたします。
この番組は、リスナーの皆さまからのメッセージとリクエストでお送りしていきます。
誰かに伝えたい、話したい、聞いてほしい、そんなメッセージをお寄せください。
テーマはフリーで、随時受け付けています。
それでは、金曜日の夜のひと時、どうぞゆっくりリラックスした時間を一緒に過ごしましょう。
♪
さて、今夜は10月最後の放送です。
今週はちょっと暖かい日もありましたね。
お天気が良いと、お出かけするのに気持ちの良い季節ですが、皆さんはどんな秋をお過ごしでしょうか。
私は先日、友達からリンゴのおすそ分けをいただきました。
きれいな大きなリンゴをもらい、美味しくいただいています。
美味しいもの食べられるって幸せですよね。
皆さんも美味しいエピソードがありましたら、ぜひメッセージでお寄せ下さい。
♪
では、今夜いただいているメッセージを紹介いたします。
ラジオネーム、『のんのん』さんからのメッセージです。
『れんげさん、こんばんは。いつも楽しく聞いています』
こんばんは。ありがとうございます。
『もうすぐハロウィンということで、ハロウィンに関する思い出話を聞いていただきたくメールをお送りします。
もう何年も前のことですが、高校時代に仲良しの友達数人でハロウィンパーティーをしよう! ということになりました。
みんなで仮装して、お菓子を持ち寄ってみんなでお菓子パーティーをする、という内容でした。
仮装といっても、アニメやゲームのキャラクターなどではなく、魔女やお化けの仮装です。
何年も前の田舎の高校生なのでイマドキのクオリティの高い仮装の用意は難しく、それぞれ手持ちの私服にアレンジを加えたり、着なくなった服をリメイクしたりして仮装をすることにしました』
手作りの仮装でハロウィンパーティー!
楽しそうですね。
『私は、不器用で裁縫はできなかったので、兄から着なくなった白いTシャツをもらい、そこに黒のフェルトでお化けっぽい顔をつけただけのものを作りました。
友達は、厚紙とフェルトで魔女の黒いとんがり帽子を作った子や、古着のTシャツでかぼちゃの被り物のようなものを作った子、使わなくなったストールでマントを作った子などがいました。
当時は、お互いが作ったものを見て、かわいい! かわいい! と、大はしゃぎでしたが、今思い返してみると「仮装」というほど大げさなものではなかったかな、とも思います』
それぞれ皆さん工夫を凝らして衣装をご用意されたのですね。
アイディアが詰まっていて素敵ですね。
『お菓子はそれぞれ好きなものを人数分、あまり高価じゃないものを、というルールで各自準備をすることになっていたのですが、何を思ったのか私は、手作りのお菓子を持っていこうと考えたのです。
それまで、お菓子作りなど全くやったことがなかったのに、頭の中には「かぼちゃの形をしたお菓子」が浮かんでいました。
当時はスマートフォンはもちろんなく、携帯電話も持たせてもらえていなかったので、父のパソコンを借りて「かぼちゃ饅頭」というようなレシピを見つけ出し「これだ!」と、思ったのです。
かぼちゃを茹でて、つぶし、小麦粉や卵、砂糖を入れ生地を作り、中にあんこを入れ成形する……というようなレシピでした。
レシピを見て「簡単じゃん!これなら私でも作れる!」と、謎の自信で思い込んでしまっていました。
かぼちゃ、卵、小麦粉、砂糖は家にありましたし、我が家は甘いものが好きだったので、出来合いのあんこも大抵、冷蔵庫にストックされていました。
何も買わなくていいじゃん! ラッキー! と思っていたくらいです。』
なんでしょうか……
これは、若干フラグの香りがするのですが……
『そして、いざ当日。
午後から集まる予定だったので、午前中に「オリジナル・かぼちゃ饅頭」作りを開始したのですが……
かぼちゃが硬く切るのに苦戦。
かぼちゃのゆで汁をきる時に軽くやけど。
プラスチックのざるでかぼちゃをこしたら、ざるが割れる。
そして、気が付いた時には、なべ底にこげついたかぼちゃの生地が……
挙句の果てに、誰が食べてしまったのか、いつもあるはずのあんこが冷蔵庫にはあらず……』
あらあら。トラブルの連続!
『もう、台所で途方に暮れてしまいました。
今からスーパーかコンビニに行ってお菓子を買うしかないか、と思い半泣き状態で台所を片付けてけると、そこに祖母がやってきました。
台所の惨劇と半泣きの私を見て「どうしたの?」と、尋ねるので事情を話しました。
「時間はまだあるの?」と聞かれたので、家を出る時間まではまだ余裕があると言ったら「おばあちゃんに任せなさい」と。
そして私には、出かける準備を整えるように言いました。
私は言われた通り、祖母に台所を任せて自分の準備にとりかかりました。
準備ができて、台所へ向かうと良い香りが……
「もうちょっとだから待っててね」
祖母がお鍋で何か作ってくれていました。
そのまま、台所の隅で待っていると
「はい、できたよ」
と、祖母が言うのでお鍋の中を覗き込んでみると、そこにあったのはかぼちゃの煮物!
ビックリしている私に、祖母は「美味しそうでしょ。甘めにしたからね」と、満面の笑みです。
祖母は私の話から「かぼちゃで甘いものを作って持って行かなくてはいけない」と解釈したようです。
呆気に取られている私をよそに、祖母はできたての煮物を重箱に詰めてしまいます。
「本当は冷めてから詰めた方が良いんだけど、もう時間でしょ。さあ行きなさい」と、きれいに包んだ重箱を私に持たせてくれました。
いや、おばあちゃん、そうじゃないんだ……とはもちろん言い出せず、そのまま私は重箱を持って、友達の家へと向かいました。
みんななんて言うだろう。
重箱と仮装衣装を入れたバッグを抱えて、不安でいっぱいでした。
そして、いざ始まったハロウィンパーティー。
それぞれ作った仮装衣装を着て、お菓子を広げていきます。
チョコレートやクッキー、おせんべいなど、思い思いのお菓子が並ぶ中、私はそっと重箱を出しました。
みんなの顔が一瞬にして、え? と、なりました。
不思議そうな視線を浴びながら、ふたを開けると、さらにみんなポカーンと。
もう、どう言い訳しよう、と思ったその時に
友達の一人が「良いにおい! 美味しそう、かぼちゃ!」と、声を上げてくれました。
その子に続いて他の子たちも、うんうんと頷いてくれています。
お菓子と一緒にかぼちゃの煮物も美味しい! と、食べてくれました。
私はほっとして、ことの顛末をみんなに話したら大爆笑!
優しい友達と祖母のおかげでとても楽しく思い出深いハロウィンパーティーになりました』
わぁ~良かったです。
なんて素敵なエピソード!
『のんのん』さんを思って煮物を作ってくれたおばあ様の優しさ。
一緒に美味しいと言って食べてくれるお友達。
本当に素敵です。
『余談ですが、祖母は毎年この時期になると「かぼちゃの煮物、作ったね」と、懐かしそうに話してくれます。
もう身体も弱ってしまい、台所に立つことも減ってしまった祖母のために、今年は私がかぼちゃの煮物を作ろうかな。
あの時よりはだいぶ、料理の腕は上がったのでもう大丈夫です』
おばあ様にも思い出深い出来事になっていたのですね。
ぜひ、今年は『』さん手作りのかぼちゃの煮物でハロウィンを楽しんでください。
素敵なエピソードをありがとうございました。
♪
それでは、『のんのん』さんからリクエスト曲もいただいています。
『おばあちゃんが大好きなこの曲をリクエストします』
ということで、いただいたリクエスト曲は【リンゴの唄】です。
どうぞ。
♪
お聞きいただいた曲は【リンゴの唄】でした。
今夜もたくさんのメッセージいただいています。
ありがとうございます。
ちょっといくつかご紹介いたします。
ラジオネーム『水星』さん。
『ハロウィンのほっこりエピソード!
おばあちゃんはもちろんだけど、友達が「なんで煮物?」とか「お菓子じゃないの?」とか言っちゃう人がいなくて良いなって思いました!』
ということで、メッセージありがとうございます。
そうですよね。私もそう思いました。
煮物を持ってきた『のんのん』さんを否定することなく、一緒に「美味しい」と言って食べるお友達、良いですよね。
続いてラジオネーム『イチゴのショートケーキ』さん。
『お菓子作りって初めてだとうまくいかないこともありますよね。
私も昔、キッチンで大惨事を起こしたことがあります。
そして何気に「かぼちゃ饅頭」美味しそう!
私もレシピ探して作ってみようかな~』
ということで、メッセージありがとうございます。
お菓子作りってね、難しいですよね。
実は私もちょこっと挑戦したことがあるのですが……
私の場合は買った方が良いという結論に至りました。
『イチゴのショートケーキ』さん、「かぼちゃ饅頭」美味しく作れたら、ぜひメッセージで教えてくださいね。
そして最後にラジオネーム『BlackCat』さん。
『ハロウィンパーティー楽しそうで良いな。
この前、塾の休憩時間にれんげさんが先週話していたハロウィンパッケージのお菓子をコンビニで買いました。
受験勉強の合間のハロウィン気分でちょっとテンションあがりました。
第一志望の大学に入学できたらアメリカに留学したいと思っているので、本場のハロウィンを楽しめるよう、受験勉強頑張ります!』
メッセージありがとうございます。
受験勉強の合間にハロウィン気分を楽しめたようで良かったです。
アメリカ留学を目標にされているのですね!
目標に向かって受験勉強頑張ってください!
♪
今夜もたくさんのメッセージありがとうございました。
この番組は、にこにこキラキラ生命保険株式会社とその他各社の提供でお送りしました。
さて、ここでお知らせがあります。
ハロウィンの前日、10月30日日曜日午前10時から11時までの1時間、ラジオ◆◆の公開生放送イベントを行います!
いよいよ明後日です!
場所は、◆◆市の「ショッピングモール ドコカ」のイベント広場です。
仮装しているスタッフに「トリック・オア・トリート」とお声がけくださった方、先着100名様に素敵なプレゼントがございます。
私もイベント会場に出張いたしますので、ぜひ遊びに来ていただければと思います。
生放送では素敵なゲストをお迎えして、ハロウィンにまつわるお話や、「ショッピングモール ドコカ」で開催中のハロウィンマーケットのお得情報をお知らせいたしますので、お越しになれない方も生放送を聞いて楽しんでくださいね。
また、この番組では皆さまからのメッセージをお待ちしております。
テーマはフリーで、随時受け付けています。
誰かに伝えたい、話したい、聞いてほしい、そんなメッセージをどうぞ『夜のポスト』に投函してください。
あて先は、FAX番号 〇〇〇〇-××-○×○×
メールの方は、〇〇〇@radio◆◆.jp
また、ホームページの専用フォームからでもお送りいただけます。
どうぞご利用ください。
♪
そろそろお別れのお時間となります。
今夜のお別れの曲は『青い山脈』です。
それでは、来週もまたお耳にかかりましょう。
ラジオ◆◆『夜のポスト』お相手は、赤松れんげでした。
おやすみなさい。
♪
ラジオ番組「夜のポスト」 深波あお @minami_ao
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ラジオ番組「夜のポスト」の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます