第11話 隣国に進路を取れ!



早いものであと、3ヶ月でゲームがはじまる。


切羽詰まった状況なはずのに、私は存外楽観していた。




なぜなら、私は母の故郷である隣国リフトリア皇国の皇立アカデミーへの進学がきまったからだ。



ふふふ。必死で勉強しましたとも。


五歳からご学友として英才教育を施されていたことが幸いした。あそこの教育、王位継承者である王子二人とその側近を育てる為だけあって、かなり詰め込まれたもん。



語学だけに力をいれればよかっただけだから、王宮での勉学の後に自宅に帰ってからお母様と二人三脚で頑張ったよ。




皇立アカデミーは、文化大国リフトリア皇国の最高峰の教育機関で、他国の王族も代々こぞって学ぶ程、権威がある。


物語の舞台となる王立学院も教育機関としては評価されているけど、やはり皇国アカデミーにはかなわない。




婚約は回避したものの。このままクロード殿下の側にいると、番愛おしさから悪役令嬢まっしぐらになる未来しか見えない。このまま側にいれば、私は本能に抗えない。


だったら、逃げるしかない。




そして、どうせ逃げるなら、将来箔がつく皇立アカデミーに入ろうと一石二鳥をねらったのだ。


両親も兄もかつて学んだ皇立アカデミーに行きたいと私がいいだしても不自然ではなかった。



物理的に離れてしまえば、クロード殿下を忘れられるに違いない。いや、諦めるのだ。


さようなら、クロード殿下。




あー、辛気臭い。


失恋には新しい恋だわ。


皇立アカデミーは、両親の出会いの舞台。


きっと素敵な恋があるはず。


だからあと3ヶ月、たくさん思い出を作ろう!



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