第191話 イく、人妻たち。(やっぱり番号に掛ける)
「ん~~~~~っ!! んん~~~~~~~っ!!!!」
猿轡をつけられて、何やら怒りをブチまけようとしている千尋お姉さま。
腕も後ろでくくられていて、何だか、不自由さが可愛い。
その横では、
「ねえ、優一くん、もっと、奥……奥に頂戴♡」
淫乱メス犬に堕ちた千代さんの姿が……。
お兄ちゃんはというと、口から何やら変なガスをモワモワと漂わせながら、激しく腰をグラインドさせている……。
………………………………………
…………………………
………………
「て、あたしは何を見せられてるのよ!?」
あたしは千尋お姉さまの猿轡を解く。
「そうよ! 美優ちゃん! これは見てはいけないものなのよ!」
「普通に千尋お姉さまのお母様とお兄ちゃんが濡れ場になっているだけですけれど」
「それが何よりも問題じゃない! 優くんの彼女は私なのよ! すでに妊娠中の奥様なわけ!? 分かる?」
「あ、はい……」
いや、まだ結婚してないじゃん! とツッコミを入れたいけれど、敢えて、ここではツッコミを入れるのは止めておこうと思う。
「それなのに、自分の母親に彼氏を奪い取られちゃうなんて! これをNTRっていうのね!」
ええ……。まあ、案外、間違ってはいないですけれど、堂々とNTRというにはちょっとばかり……。
「あんなにギンギンになっていた優くんを私が貰えないなんて!」
えー……。千尋お姉さまって最近、IQが駄々下がりの淫乱ダメ女に成り下がっているような気がしないでもないんだけれど……。
「千尋お姉さま、少々落ち着いてください」
「でぃっく!!!!!!」
「だから、アホな発言すんな~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!」
ボグスッ!!!
あ、しまった。千尋お姉さまを思いっきり殴ってしまった……。
ご、ごめんなさい。
私の目の前で、伸びてしまっている千尋お姉さま。
そして、そんなことに関して、気にも留めず、本気の交尾を続ける二人。
いや、お兄ちゃん……。守備範囲の広さが凄いね……。
て、あたしは何を感心しているのか。
「んはぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡」
千代さんは口から涎をたらし、歓喜のあまり、涙も流しながら、身体をビクビクと痙攣させながら、仰け反った。
うわぁ…………エロッ。
「………んふっ♡」
全身が汗と体液でべっとりになったまま、そのままベッドに倒れ伏す。
お兄ちゃんはというと、暴走中の人造人型決戦兵器もビックリなくらいの獣スタイルで次の獲物を見つけようとしている。
あたしは危機を感じて、すでに視界から消えている。
あ、千尋お姉さまを救出しておくのを忘れてしまいました。
てへぺろ♡
案の定、スカートから絹のような肌をしたふとももが見えているのを、あざとく見つけたお兄ちゃんは、それをむしゃぶりつく。
うわぁ……。血のつながりのある兄がこんなにエロくなっているなんて……。
「……ん。ゆ、優く…オホッ!?」
気絶していた千尋お姉さまが気が付くと同時に、ロングソードは千尋お姉さまを貫いていた。
あ、目が白黒している……。しかも、何も反応が出来ていないところからするに、いきなり、イっちゃってるなぁ……。
そのあとはお兄ちゃんと千尋お姉さまのいつも通りの光景が—————。
千尋お姉さまは、オホ声を連呼させながら、身体を大きく痙攣させている。
「ねえ、ちぃちゃん? ボクのこと好き?」
「……しゅきっ! しゅきですぅぅぅぅぅぅっ!!!」
いや、言われなくても分かるだろうと、あたしはツッコミを入れたくなるが、敢えて、ここでは言わないでおこう。
そのあとは想像通りである。
二人の人妻たちは休日の真昼間から、ベッドルームで激しい絡みを繰り返したのである。
あ、繰り返したって言ってるわけだから、当然、千尋お姉さまの後にまた伸びていた千代さんが無理やり……まあ、されちゃったわけだ。
すべてを吐き出したお兄ちゃんは、暴走した人造人型決戦兵器が使徒を倒した後のような勝者の貫禄さえ見えた。
が、あたしは敢えて、声を大にして言った。
「お兄ちゃん! 部屋の窓を開けて換気してよね!」
「あ、ご、ごめん………」
そこにはいつもの少し気弱なお兄ちゃんがいたのであった。
それから数刻後————。
お兄ちゃん、千尋お姉さま、千代さん、そしてあたしとその助手の由美ちゃんがリビングで温かいお茶を啜っている。
「ふふふ」
「何がおかしいのよ……?」
千代さんが不敵な笑みを浮かべると、千尋お姉さまがツッコミを入れる。
ほうじ茶をズズズッと啜ると、
「まさか、この私があそこまでヤられちゃうとわね」
「『この私』って普通に淫乱人妻NTRみたいになってたじゃない」
うわ。千尋お姉さま、それは高校生が言うセリフじゃないです……。
「し、仕方ないじゃない……。抗うことを許さない攻めだったのだから……。今も少し下半身が痙攣しているのよ……」
「とはいえ、よくもまあ、人の旦那様を誘惑してくれたわね」
千尋お姉さまは、若干怒っているようだ。
自分しか愛してくれなくていいという愛の重さゆえの面倒くさいムーブだ。
「いやいや、あんな香ばしいフェロモンを出されたら、私たちのような血を持っている者ならば、誰だって誘惑したくなるわよ?」
「ああ、やっぱりお母様まで、搾取者の一人になろうとしている」
「まあ、たま~にでいいから……。ね? いいでしょ? 優一くんをちょぴ~っと貸してくれるだけで良いから!」
「え~~~~~~~~」
千尋お姉さまは、心底嫌そうな顔をする。
でも、そこで千代さんは決め手になる一言を言った。
「私と美優ちゃんが一緒に対応することで、あなたの未来を変えれるかもしれないからね」
そう。
それはきっと「呪われた血」のことを指していたのだろう。
千尋お姉さまの表情からはすぅっと余裕が消えて、ほんの数秒、本気で考え込む。
「分かったわ……。もう、どうしようもないと思っていたのだけれど、もしも、優くんが私のこの呪われた体を変えてくれるなら、それほど嬉しいことはないものね。週一でいいわ。あ、でも、私も同伴でってことでいいわよね?」
「あら? そんなに信用できない?」
「できるわけないでしょ!? 普通に優くんとの子どもをあっさりと作っちゃいそうで、怖いわよ!」
「あら! それも面白そう!」
「お、面白そう!?」
「今度は私が優くんを逆NTRされちゃっている感じなの!? それは嫌よ! あくまでも研究のためなんだからね!」
「はいはい……。分かったわよ。とはいえ、性交はしちゃうからね」
「う………。これほど、させたくない相手がいるなんて……」
「てことで、これからは週一でよろしくね! 優一くん?」
「あ……はい……」
ところで、今さらなんだが、お兄ちゃんは実の妹にセックスを見られるのは嫌じゃないのだろうか……。
まあ、普段、キャラが変わったような状態だから、別人格になっちゃっているのかもしれないけれどね……。
そこであたしは何かに光の差すものが見えたような気がした。
「そっか。そういうことかも!」
あたしが突如、声を上げた所為で、ほうじ茶を啜っていたみんなの視線があたしに一気に集中したのであった。
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