第136話 はやる気持ちと抑えれないキモチ
修業開始後、3日経過————。
つ、ついに3日経過した。もちろん、何もなかったわけじゃない。
この3日間は正直、地獄と言っていいだろう……。
何がって…………。
「どうして、毎日シーツを変えなきゃいけないくらいビシャビシャになっちゃうのよ~~~~~!!」
私は恥ずかしさのあまり、両手で顔を覆ってしまう。
もちろん、寝室には優一さんはいない。あのいなくなって以来、まだ会えてすらいないのだから……。
それにしても、今日はまた一段とシーツの濡れ具合がすごい……。
はぅぅぅぅぅぅ………。
私は清楚可憐を学校では貫いている。でも、優一さんと同棲して結ばれて以来、ずっとこうだ。
どうしても、彼のことを考えると体が疼いてしまう。
そう。これは明らかに発情している——————。
認めたくはない。認めたくはないが、まあ、間違いないだろう。
私の
そして、子どもを作りたいと思っているのだろう。
でも、まだそれは早い。
だって………優一さんとの恋は……………初恋なのだから………………。
もう少し、もう少し普通の恋をしてみたい………。
「あー、でも、このビショビショ具合だと、これ、淫乱女ですよね」
「やっぱりそう思う………。って、美優ちゃん!? どうしてここに!?」
「そりゃ、ここはあたしも棲んでるじゃないですか……。それにしても、昨晩もかなりお盛りになられてましたね?」
「人を犬や猫のように言わないでくださる?」
「でも、これは十分な証拠物になると思うんだけど……。あと、毎日洗って干してる身にもなってほしいんだけどね」
「はぅっ!? ごめんなさい……。あ、でも、ようやく修業が終えられたんです!」
「吹いた潮の数だけ成長したってこと?」
「ねえ、お願いだから、私を淫乱女子高生認定するの止めてほしいんだけど……」
「あはは……ごめんごめん! で、結局、魔力の練度が高められたの?」
「もちろん!」
そういって、私は指先に魔力を宿す。
小さな黒き光の珠が浮かび上がる。そして、意識を込めると、粘着質のものに変化したりでき、思い通りに変形する。
明らかにこれまでできなかったことだ。
それに、魔力を込めるといつも辱めに遭わされていたエロスライムもいつの間にかいなくなっている。
「なるほど! では、魔力の質という点でもレベルアップが果たせたということなのね?」
「まあ、そういうことになるわ」
「これでお兄ちゃんを助けに行けるわけですね?」
「まあ、そうなんだけど……問題は————」
「どこに捕らわれているのか……ってことですよね?」
急に美優ちゃんの表情が暗くなる。
そりゃそうだろう。私にとっても重要な彼氏だけれど、美優ちゃんにとっては兄なのだ。
常に信頼してきた兄を失ったショックは想像を上回るほどのものだと思う。
「大丈夫。だから、今日、ちょっと虎穴に踏み込んでみようと思うの」
「大丈夫なんですか? 千尋お姉さま……」
「大丈夫、とは言い切れないわね。相手の素性もあまりよく分かっていないから……。でも、今だからこそわかることがあるの」
「何です?」
「先日貰ったこの手紙に微量の魔力が付着していたわ。それは明らかにお母様のもの……」
「つまり、今回の首謀者————」
「そう。私のお母様に近づけるチャンスかもしれない」
「罠の可能性もありません?」
「もちろん、罠だと思う。でも、こうでもしないと手をこまねいて、見ているだけでは優一さんが苦しむ時間が伸びるだから……」
「そ、それはさすがに……」
「それに間違いなく、お母様が狙っているのは優くんの精気だから」
「お兄ちゃんの貞操が——————!?」
「ど淫乱淫夢魔状態のお母様なら、優くんの精液を普通に飲み物のようにゴクゴクと飲んでしまいそう……」
「飲んだらどうなっちゃうんです!?」
「そりゃ、精気量抜群の優くんの精液だもの……。世界をすべて支配できるかもしれないわ」
「お兄ちゃんの精液にそんな力が————!?」
「そうよ? だから、こうやってみんなで分け合っているのじゃない」
「いや、分け合っているのじゃない……じゃないですよ。まあ、確かに思ったんですけど、最近のお兄ちゃんの精気量ってズバ抜けていません? 毎日のようにヌかれているのに、どうして翌日には復活してるんだろうって……」
「それが優くんの素敵なところなのよ!」
「千尋お姉さま言うと、エロいことしか想像できないです」
「んんっ!! 何よ……。失礼ね! 私がそんなにエッチな女に見える?」
「ええ……自分で認めないんだったら、このシーツを自身で洗ってから、登校してくださいね」
冷たい視線で私を見ながら、指はグショグショのシーツに向かって指されている。
「ああんっ! ごめんなさい! 許して、美優ちゃん!」
「まあ、想像できましたけどね。夜になると寂しくて、自慰行為でもするかな……って思ってましたので」
「言い方~……」
「とにかく、お兄ちゃんを助けられるのは、千尋お姉さまだけなんですから、この子のためにも、頑張ってくださいよ!」
そう言うと、背中に負ぶっているジュニアを私の方に見せる。
ジュニアは「だぁだぁ!」と両手を広げて、私の方に来たがっている。
あ、そうか。
朝のミルクの時間か………。
て、通学時間まであまり時間がない!?
私はそそくさと美優ちゃんからジュニアを預かると授乳を始める。
ジュニアも慣れたもので、私の乳房に吸い付いてくる。
顔はやっぱり彼に似ている。
ふと私の瞳からぽろっと涙がこぼれる。
ああ……早く会いたいです……優一さん…………。
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