第133話 お父様とイケナイ荒療治。
なぜか私はスポーツウェアに着替えさせられ、リビングに腰を下ろしている。
何だかこういう姿をお父様の前でするのは、少々恥ずかしいのだけれど……。
ま、まあ、優一さんと一緒なら……。そう思った時に、急に心がさみしくなってしまう。
————ああ。優一さん、無事だといいんですけど……。
何せ、相手はあのお母様だ。
きっと……搾り取られてしまう……。
だって、今のお母様は淫夢魔モードになっているのだから。
とはいえ、助けれるチャンスはきっとあるはず……。だからこそ、私はお父様に助けを求めたのだから。
それにしても、これから運動でもするのだろうか……。
「お、お父様? 私は一体、これから何をさせられるのでしょうか……」
「もちろん、千尋ちゃんには魔力の質を高める訓練をしてもらうのよ」
「それはさっきも聞いたけど、魔力の質を高めるのにはどうすればいいのかしら?」
「魔力を練り上げるってことよ」
「魔力を練り上げる?」
「そう。これまで言ってこなかったけど、千尋ちゃんの魔力量は普通の吸血鬼を軽く凌駕する量なのよ。だから、初詣の時も軽く相手を捻れたでしょ?」
「あー、確かに……。って、何で、そのこと知ってるのよ!?」
「まあ、それは見ていたから、としか言いようがないわね」
「はぁ? 現地にいたの?」
「いや……そういうわけじゃないんだけど……」
その時にふっと気づく。お父様の肩の上に、小さな雀のような動物が浮いていることに……。
ははぁ~ん。なるほど……。
「お父様? 娘の生活をのぞき見するのはどうかと思いますけど?」
「だ、大丈夫よ! 最近は、ふたりともが事を致しているときはカーテンを閉めるようになったでしょ?」
「そりゃそうじゃない! …………お、お父様?」
「え? な、何かしら?」
「最近てことは……それまでは……?」
「千尋ちゃんがあんなに淫れるなんて思わなかったわ!」
「このエロ親父め! 一回、●ね!」
私の手にはドス黒い炎の球を生み出す。
「や、止めなさいって!」
「うっさい! どうして娘のエロい姿を見たがるのよ!?」
「エロいのは千尋ちゃん自身の所為でしょ……?」
「て、そんなこと聞いてな~~~~~~~いっ!!!」
あたしは魔力の球をお父様に向かって放つ!
怒り任せに撃ったのだから、魔力量なんて調整しているはずがない。
「はぁ……。だから、止めなさいって言ったのに……」
お父様はため息をつくと、右手を私の方に突き出して、すぅっと空気を吸うと、私の魔力の球は一気に右手に吸収された。
「えっ!? 何で!?」
私が驚くと、お父様はさもありなんという表情で、手をグーパーと繰り返す。
「だから、千尋ちゃんの魔力って練られてないじゃない? 魔力量が大きいから、まあまあの力のヤツなら攻撃を喰らうと思うんだけど、お父さんにとってはそれほど何とも思わないね」
「うぅ……」
私は落ち込むしかない。
結構マジな一発だった……。だって無意識で放っていたのだから、間違いなく力加減なんてものはしていない。
それをあんなにもあっさりと文字通り消されてしまったのだ。
こればかりは認めざるを得ない。
「まあ、千尋ちゃんはそれでも若干魔力の練度はあるんだけどね」
「え? そうなの? 別に私は何もしてないわ」
「いや、あの子からいっぱい貰ってたでしょ……」
その一言に、私は顔を真っ赤にして無言になってしまう。
はわわわわ………。
まさか、優一さんとエッチをしていて、彼から精気を貰っていた結果、練度が上がっていただなんて……。
「でも、彼を救うのが先決だから、もう時間がないから、荒療治で行くわね」
荒療治!?
一体、何をされるというのだろうか……。
「お父様? セクハラしたら、本気で●しますからね?」
「うわっ!? 本当に怖いよ……。まあ、私が直接千尋ちゃんの体に何かをするわけじゃないから……」
「直接じゃない? ってことは間接的には何かされるってわけじゃないですか……。お願いですから、娘の体に触手で虐めるとかの辱めはやめてくださいね……。こう見えて、学校では清楚可憐で有名なんですから」
「知ってるよ。でも、家では淫れてるけどね」
「ほっといてください! 優くんを目の前にすると、どうしても何かが溢れてきちゃうんです……」
「それ何かじゃなくて、愛え————ぐほっ!?」
うーん。お父様が何か言いかけたけど、魔力がダメなら物理的な攻撃しかないわよねぇ……。
うん! 私は何も悪くない!
「ち、千尋ちゃん……。いつの間にか、良いパンチが撃てるようになったのね……」
「これもお父様のご指導あってのことです」
「ま、まあ、いいわ……。じゃあ、魔力を練る訓練始めるわよ」
「望むところです!」
「じゃあ、まずはそのシートの上に横になって……」
「思いっきりいやらしいことされそうなんですけど……。どこのエロクリニックですか? このまま乳腺でも開発されます?」
「今の千尋ちゃんは開発しなくても、母乳は出るでしょうし、優一くんに揉んでもらえれば、感度もいいでしょうが」
あー、否定はしない。
否定はしないけれど、何だろう。こう私のことをエッチな女認定されているようで何だか悲しい。
いや、きっと気のせいだろう。
あれは自然現象なのだ。うん。優一さんと一緒になると彼のフェロモンに充てられているだけ……。だから、きっと私はエッチじゃない……。
———何だろう。この虚しさ……。
「と、とにかく、絶対にエッチなのはダメですよ! ……って言ってる傍から何です!? そのグロテスクなのは!?」
そう。私が振り返りつつ抗議をしたのだが、その時に目に飛び込んできたのは、お父様の手の上にある何やらぐちょぐちょの緑色のスライムのようなもの……。
「まさか、それを塗るつもりなんですか……?」
「もちろんよ! これは魔力を外に逃がさない特殊なスライムなの。だから、これを塗れば千尋ちゃんの魔力が外部に漏れずに内部でどんどん練れ易くなるの」
「うわー、信用できねー!」
「問答無用」
ぐちゃっ………
うわっ!? き、気持ち悪い!?
ネチョネチョしてるぅ~~~~~~~~っ!?!?!?
しかも、全身に塗りたくられているのだ……。
お父様のごつい手で何だか、凌辱されてるような気になってしまう……。
「お、お父様……。そ、その、手つきがいやらしいです……」
「いや、そう言われても、全身隈なく塗りたくならないと……」
「そ、そこはお、お尻!?」
「仕方ないでしょ……」
「せ、セクハラです! て、む、胸もされちゃうんですか!?」
「さすがにそこはしないよ……。自分で塗りなさい」
「…………すごく嫌かも」
「文句言わないの……」
私は目の前のスライムを手に取り、胸、腹、下腹部へと塗っていく。
スポーツウェアを着ているとはいえ、このネチョネチョはさすがに嫌……。
何だか、ウェアを浸透してきて、ヌルヌルに犯されているようにすら思えてしまう。
き、気持ち悪い……。
それに下腹部……特に繊細なところに染み込んでくると、ローションを塗られたような変な気分になってしまう……。
「ほ、本当に大丈夫なんでしょうね……?」
「まあ、ここまではね……」
「へ。」
「さ、魔力を練るのは、体内に魔力を巡らせるようにしてみるのよ」
「わ、分かったわ」
私は座禅のときのように座り直し、体内の魔力を回転させるようなイメージをする。
魔力の核から魔力があふれ出てくる。が、スライムの所為か、全体を駆け巡るだけにとどまっている。
凄い! これが魔力を練るってことなのね……。
私が感動したのも束の間——————。
ドクンッ!!!
ドクンッ!!! ドクンッ!!!
ドクンッ!!! ドクンッ!!! ドクンッ!!!
ドクンッ!!! ドクンッ!!! ドクンッ!!! ドクンッ!!!
激しい鼓動と同時に私の体は急に熱を帯び始めたのだった。
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