淫夢魔（サキュバス）な幼馴染と吸血鬼な彼女

第121話 たった！ 優くんがたった！（え？）

「あー、美味しかったわぁ………」

　満足げにお肌を艶々にした麻友がうっとりとほれ込んでいる。

　ボクはというと、体格は小学生のままだけれど、下半身を丸出しにされたまま、半べそをかいている。

　そりゃそうだ……。

　美優のお胸に包まれた結果、ボクの下半身は反応してしまい、元気になった。

　それがショックで千尋さんは部屋の隅でいじけ始める。

　が、そんな事お構いなしに、淫夢魔が動き出した。

「いやぁ、それにしてもこんななりでもいい匂いだすよねぇ……。もしかして、さっきのが精通だったのかね……。て、ことは一番搾りかね？」

「し、知らないよぉ……」

「お、お兄ちゃん、こんな小学生で凄いんだね……。いやぁ、あたしが小さいころ、こんなんだったって知らなかったよ」

「ふつう知らないでしょ！？　だって、こんなこと実の妹に相談するとかしないよ！」

「まあ、そりゃそうか。とはいえ、あまりの放出量にドン引きだよ。どんな体の構造してるんだか……」

「放っておいてくれ……」

　ボクは妹の乳圧から解放されると、そのまま千尋さんのもとに寄る。

「ちぃちゃん……」

「ゆ、優くん……？」

「ごめん。男の子として理性を保とうとしたけれど、ダメだったよ……」

「わ、分かってます。お胸が大きいのが好きなのは、私も今思えば、まず優くんは胸から攻めてくるなぁ……と思い返していたんです」

「うわ。それ、どうコメントすればいいの……？」

「コメントなんていらないです……。それよりも私のこと嫌いになってませんか？」

「え？　何で？」

「あ、あのぉ……。もし、ここで愛の惚気をするのなら、できれば寝室に行きなよ……」

　どういう意味で言ったのか分からない。

　とはいえ、さすがに妹に見せびらかすものでもないので、ボクは彼女を抱き起して、そのまま一緒に寝室に入る。

「麻友ちゃん、お兄ちゃん、パンツ履いてなかったね……」

「どうせ、また脱ぐんだからいいんじゃない？」

「いや、そういうもんなの？　あの年齢じゃセックスは無理だと思うんだけど……」

「その常識が甘いんだよねぇ……、美優ちゃんは」

　美優と麻友はそんなことを呟きながら、ボクと千尋さんの背中を見送った。

　てか、そんなにボクってセックスマシンと思われてるの！？　失敬だな！

　ベッドに腰を下ろして、そっと千尋さんの肩に手を添える。

　千尋さんはボクの方を見て、愛想笑いのような「えへへ」と微笑む。が、その表情はすぐに曇り、そのままボクの肩を借りるように頭を載せてくる。

「それにしても……どうしてこんな呪いを突き付けてきたんでしょうね……」

「そうだよね。そんなに異種族で繋がりあうことを嫌っているのかな……」

「まあ、そういう派閥もありますね」

「派閥？」

「ええ、淫夢魔や吸血鬼には私や麻友のように人間と積極的に友好関係を築こうとする者たちと、それを嫌う者たちがいます」

「何だか難しい繋がりだね」

「まあ、そうかもしれませんね。どちらにしても、人間の精力をいただかなくて生きていけないので、あくまでも最終的には同じことをしているんですけどね」

「でも、そこまでの過程が異なるってことだよね」

「はい。私たちのように一緒に生活していこうとする派閥と、人間はあくまでも食料と考える派閥の二つに分かれるんです」

「うーん。何だか恐ろしい」

「そうかもしれませんね。でも、結局は同じことをしていますよ？」

「でも、千尋さんたちは……その……食事として考えていても、ボクらを使い捨てとして考えないじゃない？」

「同然です！　そんなことをしていては、人間そのものが枯渇してしまいますよ」

「だよね？　だから、こうやってボクを大事にしてくれるから、ボクも千尋さんを大事にしたいと思っているんだよ」

「ありがとうございます。そう言っていただけると少しは心が救われた気がします」

「そんな大袈裟だよ。ボクはずっと君と居続けたいと思っているんだから」

「うふふ……。嬉しいです」

　そう彼女が言った瞬間、ボクは彼女をベッドに押し倒す。

「きゃっ！？」

「さっきはゴメン」

「大丈夫です。あの胸には敵いませんから」

「でも、一つ試したいことがあるんだ……」

「え？　な、何ですか？　ひやっ！？」

　何をされるのか理解していない幼顔の美少女である千尋さんは目をパチクリと何度かまばたきをする。

　ボクは気にせずに彼女のセーターと下着をめくりあげる。

　そこには可愛い二つのピンクのちょっぽリが目に飛び込んでくる。

「あ、あの……恥ずかしいですよ！」

　彼女は何とかじたばたしようとするが、ボクが馬乗りのような感じで彼女を押さえつける。

　ちょっと間違えると犯罪だ。

　とはいえ、何だか絵的には凄いのだが……。小学生の男の子と女の子がベッドの中でエッチなことをしようとしているのだから……。

　お母さんやお父さんが見たら、間違いなくガチギレが卒倒してしまうかのどちらかが待っていると思う。

「な、何をするんですかぁ……？」

　千尋さんはまくり上げたセーターが目隠しになってしまっていて、分からないままでいる。

「エッチなことをするよ」

「ふえっ！？」

　千尋さんは声を上げると同時に、ボクはまだ未熟で育っていない千尋さんの胸に軽くキスをして、舌で転がした。

　千尋さんは体をビクリと震わせ、

「んあっ♡　んふぅ……♡」

　甘い声を漏らし始める。

　ボクは上機嫌になり、何度も彼女の小さなピンク色を攻め立てる。

　声が少しずつ大きなくなり、体の震わせ方も少しずつ変化していくのがわかる。

　そして、その変化は自分にも置き始めていた。

「はぁ……はぁ……。ゆ、優くん……何だか、固いものが当たってるんだけど……」

「ほ、本当だ……」

　そう。ついにおっぱい星人のボクは爆乳や巨乳でなくても、元気に吠えることをここに実証したのであった！

「え？　なに？　何が当たってるの？？？」

「うーん、と。ナニが当たってる……」

「え♡　てことは……？」

「ちぃちゃんの初めて貰うよ！」

「え？　あ、ええっ！？」

　ボクの吠えるものは、そのまま彼女に軽くキスをして、そのまま—————。

　そっか。ボクはお胸も好きだったけど、彼女の声も好きだったんだ……。

　彼女のことが好きなんだ。

　て、エッチな喘ぎ声が好きとか、絶対に恋愛感情としてはずれてると思うけどね……。

　でも、今のボクらにとっては嬉しさしかなかった。