第26話 真っ昼間から雑味に感づく少女。
なぜ、ボクは昼休みに屋上につながる階段を登り切った場所に呼び出されたのでしょうか……。
そして、呼び出された瞬間にボクは、拉致まがいの行動に出た美少女に一言物申したくてならないのですが……。
そこには肌の露出の多めの水着のような黒の服に可愛らしく角を出しており、妖艶な目つきで獲物をどう料理するかを品定めしている幼馴染がいた。
「あの……麻友さん? これはどういうことでしょうか?」
「あー、ちょっと精気が枯渇気味でね。紳士協定の中でも、緊急時は要相談で吸ってもいいことになっているから」
「そ、そうなんですか?」
いや、そもそもボクはその条文の内容を見せてもらったことすらない。
だから、今まで決められた曜日にアレとかソレを吸われてきたのだが。
そんな緊急条項があったなんて初耳だ。
そもそも今日はボクにとっては、吸われない日……。つまり、熟成日に当たるわけだ。
「うーん。まあ、そういうことで、ちゃちゃっと吸いたいので」
「人の精気をファストフードのように言わないでくださいよ」
「えー、でも、優一だったら出せるでしょ? ドクッ、て♡」
こらこら! そこでいやらしい瞳をボクに向けながら、親指と人差し指で輪っかを作ったうえで上下運動させるなって!
「それにここは学校だぞ! 周囲の人にバレるだろ!?」
「あー、まあ、それも大丈夫。すでにあたしと優一は亜空間にいるから、声すら見えないよ? あれ? もしかして、さっきからひそひそと話しているのは、それを気にしてだったの?」
「そりゃそうだろ!」
「うふふ♡ もしかして~、麻友の~、このエッチな姿が他の子たちに見られちゃうのが嫌だったのかな?」
「当たり前だろ!」
「ふえっ!?」
ボクの応えに対して、頬を赤める麻友。
「こんなエッチな姿を誰かに見られて、慰み者にでもさせられたら、幼馴染として許せないんだよ!」
「あうっ!?」
麻友は、胸に何かが突き刺さったかのように、両手で押さえつけつつ、のけぞる。
「あーん♡ もう、嬉しい~♡」
恥ずかしさを隠すためか、麻友は両手を広げて、そのままボクの頭部を抱きしめる。
て、この柔らかさは―――――!?
「やっぱりあたし、優一のこと好きぃ~♡」
麻友の立派な双丘の間に挟まれ、身動きすら許されないようになってしまう。
て、あれ? 確か服があったはずなのに、布の質感を感じない……。
「ま、麻友!? 服は?」
「優一を抱きしめるのに、服なんて邪魔なものいらないよ♡ 素肌と素肌のコミュニケーションしかないよね♡」
いや、普通に麻友の心情にはいささか問題があるようだけど!?
ボクは批判したかったが、彼女のムニュムニュした触感は、ボクの理性をも刺激して、下半身に勢いよく血が貯まり始める!
ようやくお胸サンドイッチ状態から抜け出すと、そこには美少女の顔が迫っていた。
ちゅぱ、ちゅぱ、んちゅ、くちゅ…………
麻友が卑猥に蠢く舌を、ボクの舌に絡めてくる。
うあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ………。
理性そのものがキスによって吸い取られるような、そんな卑猥なキスだ。
キスだけで、人間を使い物にならないようにできるとか、ゲームの世界だけのことだと思っていたけれど、事実、彼女のキスは本当にダメにさせられそうになる。
つまり、これが「堕ちる」ということ――――?
だが、ボクは脳内だけはしっかりと理性を保たせないといけないと、踏ん張る。
その時、どうしてか悲しそうな顔をする千尋さんが見えたから………。
「う~ん。すっごく濃厚な唾液……♡ そ・れ・に♡」
そういいつつ、麻友は左手をボクの下半身をなぞる。
「あはっ♡ もう、パンパンッ! さっきから濃厚な匂いがすごいんだもの……。本当に優一って、復活が早いよね。それにこの濃厚さ。これはあたしたちで守らないといけないわ♡」
そういうと、彼女はボクのそれを双丘で挟み込む。ボクは思わずのけぞってしまう。
「あー、もう準備完了かな? 優一は、お胸が好きだねぇ~」
そんなこと言われても、ボクにはもう意識をそっちに向けておかなくては暴発してしまいそうなんだけど……。
しかし、彼女はお構いなく、双丘から顔をのぞかせる相棒に吸い付く。
さすがに
「んんああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
下半身から全身へと、一気に力が抜けるような感覚に襲われる。
と、同時に麻友はごきゅごきゅ……と喉を鳴らす。
むわっと、周囲にはほんの少しだが、独特な臭いが漂う。
心底、亜空間の中で良かったと思わされる。
「ふぅ~。ありがとう。本当に生き返るよぉ~」
まるでコラーゲンをたっぷり摂取した翌朝の肌のような艶を取り戻し、満足げな麻友が一息ついた。
「ところで、何か悩みでも抱えているのかな?」
「えっ!? な、何でそう思うの?」
「んふふ~。今日のは何だか、悩みという雑味を感じたからね」
うわぁ……。そんなものまで分かるのか……。
てか、そんなもの排出されちゃうの!?
「もしかして、千尋のこと?」
「え? あ、うん」
隠しても無駄だと察して、すんなりと頷く。
ボクにはどうしても次のステップに行かなきゃいけないのに、どう踏み出せればいいのか分からない。ボクにとって千尋さんはどういう存在なんだろうか……。
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