無理

 あれは、幻覚だろうか?女の顔が半分覗いていた。

 どういうわけかある日ある男が訪ねてきて、事故物件に1ヶ月住んでほしいという依頼をしてきた。まあ、幽霊などいないが結構な額を貰えるので私としてはいつものくだらない依頼だが、こっそり霊が見えでもしたら儲けものだった。

 行った。近くにコンビニがあり、楽になるだけありがたい。コンビニの帰り、夜空が汚かった。まあ、いいや、くだらないが、幽霊も綺麗な空で出たいだろうに。私は、本当に、このアパートで、1ヶ月間ここでできる限り過ごすということで、

 不健康な生活を送っていた。

 依頼人の話によれば突然のように怪奇現象が増えて来たという、ただ、可笑しいな程度で普段どうり過ごせていたらしいが、鏡を前に歯磨きしていたら女が鏡を覗いていたという。症状でいえば統合失調だが、金をくれるんだ。ありがたく住んであげるよ、それほどの額だ。

 私には、依頼人渡されたやって欲しいことリストなるものがある、そこには、鏡の前での歯磨き、ベランダでの煙草。当然のような事が、細かくことさら私を興味の渦に叩き込んで行く。彼のいつものルーティンで、幽霊がそれで人が変わってもまた、出てくるという理解を示せるものだった。

 チャイムがなり私が出ると、その男は一礼し、依頼人は笑顔で訪ねた。なにかお困りなことはありませんでしたか。私は、何だか良い人だな。彼につられるように笑い、いえ、まったく退屈なくらいですよ。私は、少し中でも入って茶でも飲みますか?と言った。男は、酷く怯えて、

 いえ!まったく結構です!!

 そうですか?すいません、考え及びませんでした。彼は、いえいえ、こちらこそ、こちらが窮屈に感じるほど、謝りその後に少しだけなら。私は、何なんだよと思い、頭をかいてしまった。

 彼は、本当に少し茶だけ飲み帰ってしまった。私は、会話があまりにも弾まなかったが依頼人の落ち着きのなさが面白かった。少しして15時の時計が鳴った。音楽がなり、窓を透かし青い空の隅々まで奈落のようだった、

 ベランダに誰か立っていた。いま始めて気づいたように私は、依頼人であることに遅れながら気づく、ふらふらと、ベランダに行こうと窓に手を掛けて開けようとしたときにここまで、無反応な依頼人の反応を見ていて、怖くなり、錠を下ろしてしまった。何やってんだ。俺は、そう思って自虐的に笑い掛けて、硝子がつくりあげた顔といえばいいような無表情があった。

 依頼人が言うには男だったはずだ。依頼人が目の前にいるのにそのようなことを思った。もう一度笑う前に、依頼人はふっと消えた。

 私は依頼人にこのことを伝えようと思ったが、電話しても繋がらず、いるはずの事務所に行くもどこにもいない。どこを探そうといなく、ことが大きくなるのは嫌だったが5日後警察に行くことにした。

 その人は一年前に失踪していることが分かり。人を連れてそのアパートにいくと私が1週間住んでいた所はなく、もう前から住んでいる住人がいた。大家に問い合わせすると、いや、そうに彼について愚痴った最後に、

「そういえば、あの人、女がみえた。何て、ずっと言った後、宇宙人だった何て、言い出したのよ。ずっと、本当に、ずっと言ってたのよ。そしたら、どっか言ったわよ。言い出してから1ヶ月した後に!」

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