第46話 幻術は用法用量を守って正しくお使い下さい。

ヒナタ(本名ユリネ)視点


「ヒナタちゃん、ご指名よ」


「はーい」


「新規のお客さんよ。若いけどたぶんあれ、結構持ってるよ」


「マジですか?じゃあちょっと頑張っちゃおうかなー♪」


やったぜ!新しい鴨ゲット!尻の毛までむしり取ってやんよ!


さーて、むしり取った金で今日はどう豪遊するかな?


ワクワクしながら客のいる部屋をノックした。


「はい、どうぞ」


「失礼しまーす」


年齢は30歳くらい?

まさに童貞って感じの顔だね。


ま、でも清潔感もあるし、不細工でも無い、悪く無いじゃん。


金なんかありそうに見えないけど、意外だねー。


「初めまして、ヒナタです♡」


私の顔見て驚いてる。


見惚れてる見惚れてる。こんな可愛い子が風俗にいるの?って事でしょ、分かる分かる、いつもみんな驚いたり喜んだりするから。


でも残念、お前は私の体に指一本触れられずに金だけ置いてこの店を去るんだよ!ふふふ♪


私この店で服すら脱いだことないし♪店にバレたらめっちゃ怒られるけどね。


「お客さん、こういうお店初めてですか?」


「あ、はい。だからよく分からなくて」


尚更好都合。


本当は幻術かけた後にサービスはちゃんとやらなきゃいけないんだけど、私は幻術の力が強いから、客にセルフでやらせてるんだよね♪


1人でなんか叫びながらシコシコやってんの見るのは、ほんと笑い堪えるの大変。


「大丈夫ですよ、緊張なさらないで。ではまずお風呂に入って体を綺麗にしましょうね」


風呂と聞いてなるほどといった顔をしている。本当に初めてなんだな。


よかったね、初めてが私みたいな美人で(笑)


「早速幻術かけますね♪」


「えっ?もうですか?」


「はい♪幻術でここをプライベートビーチにします。そこで2人で裸で洗いっこするんですよ♡」


プライベートビーチで裸の私に股間洗ってもらう幻術を見せたるわ。


精々1人でゴシゴシしてな!


私はいつも通り幻術の呪文を唱えた。


さ、後はベッドで座って待ってますかね。


「あれ、どこ行くんですか?」


「えっ?」


かかってない?


嘘でしょ?服に幻術避けとかついてないよね?

いや、私の幻術だぞ?幻術避けくらいで防げる幻術じゃねぇぞ!


「別にプライベートビーチじゃなくて大丈夫ですよ。じゃあ俺1人で入っちゃいますね」


やばい!これじゃあ最後の感想聞かれた時サービスが雑だとか、幻術を嬢がかけ間違えたとか言われる!


苦情一個でランク下げられちまうんだぞ!こっちは!


「ま、待って!もう一回かけますので!」


よっしゃ!気合い入れて幻術かけるぞ!


次はプライベートビーチで体洗った後そのままプレイにっていう幻術にしてやる!そんでもって私のことが超絶好きになって、性感度は3000倍!この幻術かけてやるわ!


「はい、お待たせしました。詠唱終了です。お客さまには特別に無料でスペシャルコースをご堪能していただきます。では夢幻の世界に行ってらっしゃい」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る