第60話 敵勢力殲滅

 翌日、後払いの報酬を受け取りに来たカルタスに、7カ所全ての確認が取れたと言って銀貨14枚を渡した。


 そしたらカルタスたちの有用性を理解したロイタールが、自国のアルナルソン公国商館にカルタスの組織ごとスカウトしたいと申し出ていた。

 アルナルソン公国商館は、各国に張り巡らせたアルナルソン公国の諜報組織エージェントの表の顔なのだそうだ。


 継続的な仕事が貰えて、カルタスは俺に感謝して帰って行った。いずれ君にもダブルオーナンバーが貰えるといいね、カルタス君。


 そして、その日の真夜中・・・。


▽▽▽


 「よし、全員配置に着いたな。ゴン、合図を頼む。」

 「ピッ」


 7か所の潜伏倉庫に対して、俺たちは分散して同時に奇襲を掛ける事に決めた。


 剣聖様、イケメン騎士、エロ猫騎士が敵人数が一番多い潜伏倉庫をそれぞれ1カ所襲撃する。

 戦士であるディーンと、騎士のワルレンがそれぞれ1カ所。シーフのロイタールと狩人であるエルドリンクがペアで1カ所を受け持ち、俺とイースとコロンとフィンさんで最後の1カ所を受け持つことになった。


 それぞれに1機ずつブラックホーネットが付いており、皆が配置に着いた事をカメラで確認した。


 そのブラックホーネットを襲撃メンバーの目の前でホバリングさせながらクルクル3回回転させた。

 これが襲撃開始の合図だ。


 襲撃チームのメンバーはブラックホーネットの動きを確認すると、皆物陰に蹲った。


 「よし、ゴン。スイッチブレード300の攻撃開始だ!」


 先ほど事前に射出して、それぞれ目標の上空で待機していたスイッチブレード300+を同時に7機操作し、ゴンは目標となっている倉庫の入り口にスイッチブレード300+を突撃させた。

 

 ドガ――――ン!


 7か所同時の目標がスイッチブレード300+によって同時に爆破された。


 「突入!」


 俺とコロンは未だ煙を上げている倉庫入り口の瓦礫に突入した。

 俺はM5、コロンは何時ものMP7を装備している。


 少し遅れてフィンさんを守りながら、P50を装備したイースが続いた。


 倉庫の中は、入り口近くがスイッチヴレード300+の爆発で荷物が散乱していた。

 数種類の豆が床に散らばっている。


 「ううう・・・」「・・・くっそ!」

「な、何が起こった?」


 倉庫内に潜伏していた敵が爆発の衝撃で動揺している。


 ダダ ダダダ ダダ ダダ・・・・・

 タタタ タタタタ タタタ・・・・


 コロンが右側、俺が左側の敵を倒して行く。

 コロンは敵に容赦がないからな~。事情を聴くために何人か確保せにゃならんが、俺の方で無力化するとしよう。


 俺に向かって攻撃しようと剣を振り上げた敵の肩をM5で撃ち抜く。6.8㎜弾だから、命は助かっても一生肩と手は使い物にならんだろう。


 この倉庫には8人の潜伏者がいる事が予め確認されていた。

 コロンが7人目を倒すと同時に、一番裏口近くにいた男が密かに逃亡を試みているのが見えた。


 ダダン!


 逃亡しようとした男の動きは速かったが、俺に向けた右肩を背中からM5で撃ち抜いた。


 「・・・グッ・・・」


 だが、その男はM5の6.8㎜弾を2発肩に受けた衝撃でバランスを崩したが、肩の銃創を気にする素振りも見せずにまだ逃亡しようとしている。


 タタタタタタン!


 コロンが裏口のドアにたどり着いた男の背中にMP7を連射した。

 

 だが、ボディーアーマーも貫通するMP7の4.6x30mm弾を背中に受けても、その男は制圧されなかった。


 俺は南西諸島戦線での悪夢を思い出した。


 C国軍は日米の南西諸島奪還作戦に対抗する為、薬物を投与して強化された特殊兵士を大量に投入したのであった。

 薬物により、恐怖も痛みも感じなくなった兵士。心臓を破壊されても数歩位なら動き続ける。

 

 正に悪夢だった。


 「コロン、俺がヤル!」


 裏口の扉を開けてドアから外に飛び出そうとした男の頭を撃ち抜いた。


 ダン!


 頭を吹飛ばされた男は、前のめりに数歩歩いた後、倒れて動かなくなった。

 

 「サッグパンシバルが紛れ込んでいたようですね。」


 フィンさんが逃げ出そうとした男の最後を見て、重々しく呟いた。


 

 

 

 

 

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